東京アカデミー金沢校
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みなさん、こんにちは。東京アカデミー金沢校の加藤です。
滝とアジサイ、なかなか似合うなと思いました。
さて、本題です。
今回は、国家試験で必ず出題される「計算問題」を取り上げたいと思います。
前回実施された第111回看護師国家試験の特徴点の1つに、この「計算問題」が挙げられます。第108回から第110回までは1問のみの出題でしたが、第111回では4年ぶりに2問が出題されました。
ちなみに、どんな問題が出題されたかと言いますと…
【午前第90問】
100mg/ 5mLと表記された注射薬を75mg与薬するのに必要な薬液量を求めよ。ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。
【午後第90問】
出生体重3,100gの新生児。日齢3の体重は3,000gである。このときの体重減少率を求めよ。ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。
さて、いかがでしたでしょうか?
ちなみに【午前第90問】の正答率は90.5%、【午後第90問】の正答率は75.6%でした。
非選択式問題なので、他の問題のように答えをいくつかの選択肢から選ぶのではなく、2桁の数字をきっちりと計算しなければなりません。当然ながら、選択肢から解答を推測することはできません。また、どちらか一方だけ合っていても点数はもらえませんので、ご注意を。
🔶 解答と解説 🔶
【午前第90問】 3.8(mL))
注射薬の問題です。100mg/ 5mLの表記が特徴です。単位を合わせて、比で解きましょう。
求める薬液量をXとすると➡ 100(mg):5(mL)=75(mg):X(mL) ➡ 100X=75×5=375 ➡ X=3.75(mL)
四捨五入すると3.8となります。
【午後第90問】 3.2(%)
まずは体重が何g減っているか計算します。➡ 3,100-3,000=100g
体重減少率なので、出生体重(重い方の体重)で割ります。➡ 100÷3,100=0.0322
パーセントで解答するので、100倍します。➡ 0.0322…×100=3.22…
四捨五入すると3.2となります。
計算問題は、見ただけで拒否反応💦を起こす方もいらっしゃると思いますが、公式にあてはめるだけで答えが導ける問題もかなりあります。
👇に特に重要な公式を挙げておきます。
●カウプ指数
{体重(g)/身長(㎝)²}×10 標準値15~18
●ローレル指数
{体重(g)/身長(㎝)³}×10⁴ 標準値115~145
●BMI=体重㎏÷(身長m)² 標準BMI=22
●肥満度(%)=(体重㎏―標準体重㎏)÷標準体重㎏×100
●体重減少率=(出生時体重―現在の体重)÷出生時体重×100
●輸液セット 成人用・・20滴/mℓ、小児用・・60滴/mℓ ※問題文中に表示されない場合もありますので覚えましょう。
●百分率(%)・・小学校5年生算数で習ったものです。
(例)一般問題+状況設定問題の得点が250点中170点
得点率=170/250×100=68%
●エネルギー産生量(アットウォーター係数) 1gあたり 糖質:4kcal 脂質:9kcal 蛋白質:4kcal
●エネルギーの摂取割合
成人 糖質:脂肪:蛋白質=55~60%:20~25%:15~25%≒6:2:2
小児 糖質:脂肪:蛋白質=60%:30%:10%=6:3:1
●メタボリックシンドロームの適切な摂取エネルギー量(kcal)=標準体重kg×20~25kcal
輸液セットについては問題文中に提示されることもありますが、出題者が「難しい問題にしよう」と考えた場合は提示されません。その場合、みなさんは上にあげた知識を頭に入れたうえで問題を解かなければいけません。
なお、第111回で出題された体重減少率や肥満度、BMIなどは近年よく見かける問題です。
本試験後の自己採点の結果、ボーダーラインで1点を争うような状況になってしまったような場合、「ああ、面倒がらずに計算問題を頭に入れておいて良かった!」ということもあるかもしれません。
この時期に確実に押さえておき、自分のモノにしてしまいましょう✨