東京アカデミー京都校
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みなさん、こんにちは。
暑い日々が続きますね。看護実習、毎日お疲れ様です。
さて今日は、今皆さんが実習で取り組んでいる実習での学びが、国家試験にいかに役立つかご説明いたします。まずは次の第111回看護師国家試験問題をみてください。
【午後問題 №37】医療器材と消毒・滅菌の組合せで正しいのはどれか。※()は選択肢別解答率。
1.手術用持針器 第4級アンモニウム塩(7.2%)
2.ステンレス製便器 熱水消毒(28.4%)
3.軟性内視鏡 高圧蒸気滅菌(43.5%)
4.ベッド柵 グルタラール(20.7%)
※()・・選択肢別解答率
この問題では、皆さんが実習先で行うベッドメイキングや手術室実習で見る機会の多い「医療器材」について問われています。
正答は、選択肢の「2」です。
しかし、弊社の採点データによると、この問題では、正解「2」を選んだ人(28.4%)より「3」を選択した人(43.5%)を選択した人が多くいました。それどころか、実習中、ベッドメイキングでベッド柵をアルコール消毒した経験があるはずなのに、20.7%もの人が「4」を選んでいるのです。
「丸暗記」をしている多くの人は、「なぜこうするのか」という根拠や理由をおろそかにしているのではないでしょうか。
選択肢1・・手術用持針器は、消毒液ではなく、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)を用います。特定の菌だけではなく、全ての菌を殺滅するため、121℃もの高温蒸気で消毒します。器具は金属ですから、熱くても溶ける心配はない!と覚えましょう。
選択肢3・・軟性内視鏡は繊細な器具です。この器具を高圧蒸気滅菌したらどうなるでしょう。121℃もの高温蒸気で滅菌すれば、精細なカメラに支障がでてしまいます。よって×。
選択肢4・・グルタラールは「高水準消毒薬」です。HIVウィルスやB型肝炎ウィルスを殺滅するほど強力です。人体が触れるベット柵に使うことはありません。よって×。
選択肢2の「ステンレス製便器」には、ベッドパンウォッシャー(便器洗浄機)による高圧洗浄、熱水消毒を行います。おそらく、皆さんも病院のトイレでみたことがあると思います。もし知らなくとも、その他選択肢が誤っていることがわかれば、消去法で正解にたどりつけたと思います。
「なぜこの消毒法なのか」「何を滅菌する必要があるのか」という根拠をふまえて暗記すれば、理解した上で覚えることになるので、記憶としての定着も高くなります。
皆さんが必死で取り組んでいる「実習」の中に、国家試験攻略のヒントがあります!
今、なさっていることのひとつひとつを大切にがんばってください。