東京アカデミー札幌校
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札幌校の手島です。
今日は令和4年の実際の公務員試験にチャレンジして、公務員試験のイメージを掴んでみましょう。
国家総合職(大卒 法律区分)の「憲法」の問題の選択肢を例に取り上げます。
国家総合職は一見すると「難しい」と思われがちですが、近年は基礎レベル程度の問題の出題も
多く、合格のチャンスが拡大している公務員試験でもあります。
【問題】※実際の試験ではア~オの肢の正誤の組合わせを選びますが、今回は便宜上、割愛します。
エ.裁判所の違憲審査の対象に条約が含まれるか否かについて,最高裁判所は,条約は国家間の
合意であり,およそ裁判所の違憲審査にはなじまない性質のものであることから,違憲審査の
対象から除外されると判示した 【〇 or ✕】
出題の内容としては「憲法」の司法権の勉強の中で勉強する「条約は違憲審査の対象になるか」という
有名な論点についての理解を問う問題になります。
レベル感としては大学の入門講義で聞かれるレベルで、地方上級レベルの公務員試験の勉強をする中で必ず触れる内容になります。
【解答と解説】
答えは「✕」。
判例は「直接国家統治の基本にかかわる高度の政治性を有する」条約については「一見明白に違憲無効」であると認められない限りは司法審査(違憲審査)の対象にならないと示しています。
つまり、条約の中で「高度の政治性がある」条約だけが、違憲審査できない場合があるという意味であり、条約は「すべて」違憲審査の対象にならないとは言っていないのです。
⇒条約の中にもいろいろな種類があり、「政治性」の強いものも、そうでないものもあるから、一律に決めつけられないと言い換えるとわかりやすいかもしれません。
いきなりは難しくとも、こうした基礎レベルの知識は、勉強を繰り返す・反復練習することでどんな方でも
覚えるこができます。暗記のポイントさえきちんと教わってしまえば、恐れることは全くありません。
現状で解けるか否かよりも、「来年の公務員試験ではこのレベルが相手になるんだな」というイメージを持つことが今の時期は必要です。
ぜひ参考にしてみてください。