東京アカデミー札幌校
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札幌校の手島です。
前回のブログに引き続き実際の公務員試験の正誤判定にチャレンジする企画です!
扱う題材は国家総合職(大卒 法律区分)の憲法です。
今回の選択肢も入門講義で出てくる公務員試験の基礎レベルの知識があれば判別できます。
いかに「基礎を完璧に!」という姿勢が大切かわかりますね。
【問題】
憲法第 28 条で定める労働基本権は,私人の就労を制限するような立法その他の国家行為を
国に対して禁止する自由権的側面と,国に対して労働者の労働基本権を保障する措置を求め,
国はその施策を実施すべき義務を負うという社会権的側面を有するが,その範囲は私人に対す
る国家行為の制限あるいは国の義務を定めたものにすぎず,使用者対労働者といった私人間の
関係に直接適用されるものではない 【〇 or ✕】
憲法28条は労働基本権(団結権・団体行動権・団体交渉権)に関する規定で、入門講義で必ず触れる
条文・内容になります。一般的には「社会権」の一つとして生存権(25条)などと一緒に勉強するケースが多いです。
【解答・解説】
答えは「✕」。
誤りの部分は最後の行の「直接適用されるものではない」という部分です。憲法は国家と国民の間の関係を規律する法なので、原則として直接適用されません(くわしくは憲法の「私人間効力」で検索してみてください)。
しかし、憲法には例外的に直接適用される条文があり、今回の28条もその一つです。
他に選挙権に関する15条4項や人身の自由(18条)など数えるほどしかありません。そのため、入門講義では「数は少ないから必ず押さえておこう!」とレクチャーされることが多いです。
その他の部分(自由権的側面と社会権的側面の両方を持つこと)は正しい説明となっています。
前回もそうでしたが、従来は難関とされていた公務員試験であっても、近年は基礎レベルの知識を万全にしておけば難なく正答できるというタイプの問題が増えてきています。
自分の可能性を拡げるという意味で、色々な試験に挑戦する気持ちを持って勉強していきましょう!