東京アカデミー立川教室
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こんにちは。東京アカデミー立川校の稲荷山です。
官庁訪問、区面接、その他地方公務員の試験などが進むにつれて、
集団討論に出くわして困る方も増えてきたようです。
そこで本日は集団討論の対策についてお話しします。
ポイントは2つ、「テーマ自体について話し合うこと」と「積極的な協調性」です。
例えば、昨年神奈川県の試験ではこういった集団討論が課されました。
人口が減少傾向にある中で豊かな社会を築いていくために必要なことは何か、グループで3 つ挙げ、優先順位をつけた上で、その理由について説明しなさい。
こういうとき、いきなりメンバーで回答を考え始めてはいけません。
この場合は主題である「豊かな社会」と、その背景である「人口の減少」、そしてこの2つを誰目線で議論するのかについて、班内で定義することが先決です。
まず「豊かな社会」とは何なのか。
今の日本では、1950~60(昭和3~40)年代を「豊かだった時代」として描写することが多いと思います。
映画「ALWAYS 三丁目の夕日」や「となりのトトロ」、「男はつらいよ」シリーズなどで描かれる当時の日本社会に対するイメージは、今よりも閉塞感がないものであることが多いです。
しかしその一方で、1966年まで日本は世界銀行の被援助国でした。つまり発展途上国で、経済的には間違いなく「貧しかった時代」なわけです。
昭和3~40年代の「豊かさ」ですらこのように評価が割れるわけですが、
今は当時より価値観も多様化し、人々の豊かさの尺度はもっともっと分散しています。
それを限られた試験時間内で全て話し合うことはできません。
「コロナ禍もあるし、経済的な豊かさと言うのは常に向上したり後退したりする。話し合っても仕方ないと思う。話し合うべき豊かさとは、多様な人々に対する社会の寛容さではないか」
「失われた30年とか就職氷河期とかコロナ禍による失業とか、今の様々な社会の閉塞感の背景に、経済の問題を挙げる人は多い。この班では経済的な豊かさについて話し合ってはどうか」
というような形で、最初に班内でしっかり話し合って、議論する「豊かさ」を決めてください。
背景としての「人口の減少」も、地域ごとにその実情は様々です。
また、子どもたちの目線に立って長期的なことについて議論をするのか、
「できることをする」という形になりがちな現役世代に立つのか、
これによっても話の展開は様々です。
こういったことを、必ず先に決めましょう。後から出てくると、収拾がつかなくなります。
「自分が目立たないよう周りに合わせよう」「問題が起こらないようしっかりやろう」ということは、普段から意識している人が多いかもしれません。
ですから普段、私たちは「自分には協調性がある」と思いがちです。
ある意味これは消極的な(受け身の)協調性です。
しかし例えば、試験で課されたテーマについて全く知らない人が見当違いの発言をしているとき。
あるいは、発言ができず非常に気まずそうにしている人がいるとき。
助け舟を出すことで、自分も悪目立ちするかもしれません。
だからといって黙っていれば、少しずつ班全体に気まずい空気が広がり、試験官にも伝わってしまいます。
そういうときに、可能な限りエレガントに、親切な形で発言して助けることができれば、場の空気が一気に温まります。
集団討論では、気まずいまま誰もそれに触れずに進行したり、誰かを置き去りにして無理に結論を出すよりも、結論はあまり大したものでなくとも、場の空気を温かくできることが重要です。
周囲のために一歩踏み出す、積極的な協調性を発揮してください!
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