東京アカデミー大阪校
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こんにちは、公務員試験の予備校 東京アカデミー大阪校 公務員担当です。
今回はデジタル化に伴う社会環境の変化に合わせ、年々変化を遂げている著作権法について取り上げます。
自分の考えや気持ちを作品として表現したものを「著作物」、著作物を創作した人を「著作者」、著作者に対して法律によって与えられる権利のことを「著作権」と言います。さらに著作権は著作者人格権と著作権(財産権)に分けられ、それぞれさまざまな種類の権利があります。そんな著作権の詳細を定めた法律が「著作権法」です。
難しくなってしまいましたが、著作権制度とは要するに、著作者の利益を守ることで、文化を発展させるための制度です。著作者の利益が守られないのであれば、クリエイターの創作意欲が湧かなくなってしまいますよね。
前述したように、著作権制度とは文化を発展させるための制度ですので、所管官庁は文部科学省の外局である「文化庁」となっていることにも注意が必要です。
そんな著作権法ですが、近年毎年のように改正されています。それは、デジタル化の進展等により著作者や著作物を取り巻く環境が年々変化しているので、そのような環境に対応する必要があるためです。
著作者の権利の保護と、消費者の利便性の確保の両方を実現することが求められています。
では予想問題を通して、著作権法の具体的な変化を見ていきましょう!
《予想問題》
次のうち令和2年以降に施行された著作権法改正に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化を図るために改正されたが、放送終了後も一定期間視聴が可能な「見逃し配信」は対象とされなかった。
2 国立国会図書館が他の図書館に絶版資料のデータ送信をすることが可能となった。
3 これまでは、違法アップロードされた映像と音楽のみが違法ダウンロードの規制対象だったが、その対象が書籍や漫画、ソフトウェアのプログラムなどにも拡大した。
4 写り込みに係る権利制限規定の対象範囲が縮小され、生配信やスクリーンショットなどが対象から除外された。
5 リーチサイト(著作権侵害コンテンツへのリンク情報等を集約したウェブサイト)等において侵害コンテンツへのリンクを掲載する行為等が対象から除外された。
正解 3
1 TVer等による同時配信の開始にあたり、放送と同様の円滑な権利処理を実現することを目的として改正され、追っかけ配信や一定期間の見逃し配信も含まれている。
2 絶版資料等のデータを、図書館等だけでなく、直接利用者に対しても送信できるようになった。これまでは利用者は直接図書館等に行って閲覧するしかなかったので、選択肢が広がった。 また、一定の条件の下、調査研究目的で各図書館等による図書館資料のメール送信等が可能となった。
3 正しい
インターネット上の海賊版コンテンツによる被害の深刻化を受けた対応である。
4 写り込みに係る権利制限規定の対象範囲が拡大され、生配信やスクリーンショットなども含まれた。写真の撮影等に限らない様々なコンテンツの利用形態が普及した現在の社会状況に応じた対応であり、ドローンを有効活用した生配信サービスなど社会的に意義のある新しいサービスを可能とした。
5 リーチサイト等により、ユーザーが侵害コンテンツに誘導され、海賊版サイトによる被害が拡大している現状を踏まえ、緊急に対応する必要性の高い悪質なものを対象に、民事措置(差止めおよび損害賠償)と刑事罰を科すこととされた。
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