東京アカデミー金沢校
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こんにちは。東京アカデミー金沢校の加藤です。
新しくできた石川県立図書館です。
図書館をのんびり歩いていると、これまで関心のなかった世界の本も自然と目に入ってくるので、視野が広がりますね。
今回のブログも、第112回看護師国家試験から適用される新出題基準をお送りします。
これまでアップしているのは…
①必修問題編➡コチラ
②人体の構造と機能編➡コチラ
③疾病の成り立ちと回復の促進編➡コチラ
④健康支援と社会保障制度編➡コチラ
⑤基礎看護学編➡コチラ
そして今回は、⑥成人看護学編です。
この成人看護学については、「出題基準に新しく加わった小項目(キーワード)」が大変多く、かつ、重要なポイントが含まれるため、「出題基準の中に含まれるカタカナ言葉」は省略いたします。
臨床現場における看護実践や看護基礎教育としての知識の必要性を踏まえて、各疾患や検査・処置・治療に関する患者及び家族への看護について、項目を整理・追加した。
[厚生労働省HP] 保健師助産師看護師国家試験出題基準 令和5年版 改定概要より抜粋
・産業構造・労働環境の変化
・作業関連疾患
[緊急度と重症度のアセスメント]・全身状態【注1】
・熱中症・低体温症への応急処置
・侵襲に対する生体反応
・消化器合併症
[慢性疾患の治療と看護の基本]・症状のマネジメント
・自己効力感、エンパワメント
[がん患者の集学的治療と看護【注2】]・造血幹細胞移植と看護 ・免疫療法と看護
[がん患者の社会参加への支援]・就労継続・環境の調整【注3】
・がんサバイバー、がんサバイバーシップ【注4】
・社会資源の活用(ピアサポートを含む)【注5】
[がん患者の家族の特徴と看護【注6】]・家族が直面する課題 ・家族への支援
[緩和ケアを必要とする患者と家族への看護]難病患者
・動脈血酸素飽和度
・胸部エックス線検査、胸部CT検査
・喀痰の吸引、喀痰細胞診、喀痰培養
・内視鏡的肺切除術
・肺結核、膿胸
・気胸
・心臓リハビリテーション
・カテーテル治療
・動脈系疾患(大動脈瘤)
・静脈系疾患(深部静脈血栓症、肺塞栓症)
・心筋炎、心膜炎
・超音波内視鏡検査<EUS>
・内視鏡的粘膜切除術
・逆流性食道炎
・栄養指導、生活習慣指導
・膵頭十二指腸切除術
・膵癌
・腎腫瘍、腎癌
・画像検査(CT、MRI)
・神経ブロック
・内視鏡下手術
・変形性膝関節症
・骨折
・尿検査(肉眼検査、試験紙法、尿比重)
・導尿
・尿路感染症
・勃起障害
【注1】
「全身状態」のように、それだけでは具体的な意味が分かりづらいものは、その小項目が属する中項目(出題範囲)を[カッコ]内に青字で記載しています。
【注2】
[がん患者の治療と看護](以前の出題基準における中項目)➡[がん患者の集学的治療と看護](新出題基準における中項目)と表現が追加。
集学的治療とは?……外科療法(手術)・化学療法(抗がん剤)・放射線療法・免疫療法など、二つ以上の方法を組み合せ、より高い効果を狙う治療法のこと。
【注3】
「就労条件・環境の調整」(以前の出題基準における小項目)➡「就労継続・環境の調整」(新出題基準における小項目)と表現が変化。
就労「条件」から就労「継続」へ。細かい点ですが、今回の新出題基準の特徴を端的に表すような変更です。
【注4】
がんサバイバーとは?……がんと診断されたばかりの方や、治療中や経過観察中の方なども含む、すべての「がん体験者」のこと。
なお、「サバイバー」には、困難を乗り越えて生きのびる、という意味があります。
がんサバイバーシップとは?……「がんサバイバー」が、生活していくうえで直面する問題を、家族や医療関係者、他の経験者と共に乗りこえていくこと。また、そのためのサポート。
【注5】
社会資源とは?……支援を必要とする人々が直面するさまざまな問題の解決を担う福祉制度や施設などのこと。
ピアサポートとは?……仲間同士(今回の場合は、がんを経験した人同士)で支えあう活動のこと。
【注6】
[がん患者の家族の特徴と看護]という中項目が新設されました。
★要チェック★
以前は不治の病と考えられていた「がん」ですが、医療の進歩により罹患後の生存率が大幅に向上しました。
その一方、がんにかかった後の人生(お仕事をされている方々もたくさんいらっしゃいます。)の中で、「副作用などの身体的問題」、「再発への恐れといった精神的問題」、「周囲との接し方などの社会的問題」、「治療費などの経済的問題」といったさまざまな問題に直面していきます。
「看護師を目指すのであれば、このような時代背景を正しく認識しておいてほしい」という思いが、がんに関する小項目の追加や変更など、いわゆる新出題基準において、明確に反映されているようです。
これらの項目は、新聞やニュースでも最近よく話題に上がっています。
みなさんも、こういった現状を把握したうえで、「がん患者と家族への看護」についてしっかり理解を深めておきましょう。
次回は、老年看護学編をお送りします。
いよいよ10月に入りました。急な涼しさから体調を崩されませんように✨