東京アカデミー長崎校
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前回11/4のブログに引き続き、文部科学省より発表されました、令和3年度『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果』について、重要ポイントをまとめていきたいと思います。
〇不登校
令和2年度の調査から、新たに「新型コロナウイルスの感染回避」を長期欠席の理由に加えて実施されるようになりましたが、その点を差し引いたとしても不登校児童生徒数は、9年連続で増加、過去最多を更新し続けています。
まずは不登校児童生徒の定義を確認しましょう。
「児童・生徒指導要録」の「欠席日数」欄及び「出席停止・忌引き等の日数」欄の合計の日数により,年度間に30日以上登校しなかった児童生徒で、何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により,児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし「病気」や「経済的理由」,「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除く。)
筆記試験の正誤問題においては、「児童生徒」つまり学校に在籍するものである点、30日以上登校していない点、さらには、「病気」や「経済的理由」,「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除く点がポイントとなりますので、しっかり押さえておきましょう。
校種別に推移を確認した後は、不登校の要因について必ず確認しておきましょう。
小学校では、
1.無気力、不安 2.親子の関わり 3.生活リズムの乱れ、あそび、非行 4.いじめを除く友人関係をめぐる問題
中学校では、
1.無気力、不安 2.いじめを除く友人関係をめぐる問題 3.生活リズムの乱れ、あそび、非行 4.学業の不振
高校では、
1.無気力、不安 2.生活リズムの乱れ、あそび、非行 3.入学,転編入学,進級時の不適応 4.いじめを除く友人関係をめぐる問題
といった要因が挙げられています。各段階において共通の課題となるのは、「無気力、不安」への対応であり、中学高校と進むにつれて、学業不振や進級時の不適応といった要因が見られるところに特徴があります。
ここで2023年夏の試験対策でポイントとなるのは、やはり「改訂 生徒指導提要」(2022年)です。各論の中で「不登校に関する生徒指導」を2軸3類4層の「重層的支援構造 」によって捉え、発達支持的生徒指導、課題未然防止教育、課題早期発見対応、困難課題対応的生徒指導といった4つの点から生徒指導の在り方をまとめています。
常日頃は、安 心・安全な居場所となるための魅力ある学級作りと分かりやすい授業の工夫に勤しみ、学校生活においては、児童生徒に対してSOSを出す力を身に付けさせ、児童生徒の変化に気づく教職員の受信力を磨き、SOSを受け止める相談体制の整備を推進します。そして、児童生徒の変化や成長に対するアンテナを高くして早期発見に努め、早期対応に向けては、気になる児童生徒について、できる限り早期に複数メンバーで検討・共有するスクリーニング会議を実施しながら、休みが続く児童生徒に対しては、家庭訪問、学外の関係機関との連携、ICTを活用した支援などを状況に応じて行い、その子が社会で自立して生きていけるよう支えていくことが大切です。
今回は不登校についてデータ及び、生徒指導の観点をまとめてみました。教員採用試験合格に必要なことは、正確な知識をもとにした意見づくりであることをしっかりと押さえておきましょう。