東京アカデミー大阪校
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こんにちは、大阪校の国家試験対策担当です。
12月が目前です。国家試験まであと90日を切りました!
みなさんの学習は順調でしょうか?高正答率問題も今回が最終回です。
高正答率問題の最終回は、もちろん「応用力試験」からのご紹介です。
第36回の「応用力試験」から出題全30問のうち正答率が60%に満たなかった問題は、10問でした。
◆次の文を読み「199 」、「200 」に答えよ。
500 床のK 病院に勤務する管理栄養士である。直営で給食を運営している。昼食時に1 名の患者から、主菜の付け合わせの、せんキャベツに金属片が入っていると苦情があり、病棟の看護師から管理栄養士に来てほしいと要請があった。病棟に見に行ったところ、その金属片は、せんキャベツに用いた生食用食材のフードスライサーの刃のようであった。
199 この後、管理栄養士が、最初に取るべき行動である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
⑴ 代わりのせんキャベツを盛り付けた主菜を、病棟に届ける。
⑵ せんキャベツが提供されている患者全員に、その皿の喫食を中止するように要請する。
⑶ 金属片が混入していた患者が、他にいないか問い合わせる。
⑷ 厨房の中の調理機器を確認する。
200 金属片は、生食用食材のフードスライサーの刃であることが判明し、フードスライサーを買い替えることにした。新品が届くまでの間に、生食用食材のフードスライサーを使用する料理が5 回予定献立に入っていた。この間の対応である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
⑴ フードスライサーを使用する生食用野菜を、予定献立から削除する。
⑵ 加熱用食材のフードスライサーを使用する。
⑶ 包丁を用い手作業で切る。
⑷ 生食用カット野菜を使用する。
正答は、199-⑵(正答率86.7%)、200-⑷(正答率84.7%)ですね。
この問題は、一般の方でも正答することが難しくはないように感じますが、国家試験となると間違えてしまうのですね。
199では、⑶で間違える人が多かったですが、誤食による事故を早期に防ぐ対応が必要ですね。
200では、⑴⑶で間違える人が多かったです。カット野菜を使用すると食材料費は高くなりますが、使用期間は新しいフードスライサーが届くまでの間に限定されるため、患者の栄養管理、調理従事者の負担等を総合的に考えると最も適切となります。
◆次の文を読み「177 」、「178 」、「179」に答えよ。
K クリニックの管理栄養士である。
患者は、38 歳、男性。事務職。健康診断で肝機能異常を指摘され、受診した。精査の結果、非アルコール性脂肪性肝疾患( NAFLD )と診断された。
身長170cm、体重79kg、BMI 27.3kg/m2、腹囲92cm。AST 66U/L、ALT 88U/L。1 年前の健康診断時は、体重72kg、BMI24.9kg/m2、腹囲87cm であった。
飲酒は、缶ビール350mL を週3 回程度。喫煙習慣なし。運動習慣なし。朝は食欲がなく、ヨーグルト(脱脂加糖)を1 個食べて出勤する。間食として毎日3 回程度、缶コーヒー(乳成分入り・加糖)を飲む。この1 年間は仕事が忙しく、残業が増えて帰宅時間が遅くなり、夕食を遅く摂ることが多かった。
177 主治医と相談し、まず3 か月間の食事療法と生活習慣の改善を試みることになり、栄養食事指導を行うことになった。3 か月後の目標である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
⑴ 3kg の減量
⑵ BMI 22kg/m2 への減量
⑶ 腹囲85cm 未満の達成
⑷ AST、ALT の正常化
178 目標達成を目指した食事改善のアドバイスである。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
⑴ 朝のヨーグルトに、バナナなど果物を入れて食べるよう助言する。
⑵ 間食の缶コーヒーを、無糖のものに替えるよう提案する。
⑶ 帰宅が20 時を過ぎたときは、夕食を抜くことを提案する。
⑷ 禁酒を勧める。
179 3 か月後再診し、目標は達成されていた。さらに3 か月後にフォローアップする予定であったが、以降来院しなくなった。翌年の健康診断では、体重、腹囲はほぼ前年の状態にまでリバウンドしており、肝機能異常も再燃したため来院した。再度、栄養食事指導を行う際、患者との信頼関係を構築するための声掛けである。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
⑴ せっかく目標達成したのに、リバウンドしてしまいましたね。
⑵ お仕事が忙しくて、来られなかったのですね。
⑶ ご自分では、リバウンドの原因をどのようにお考えですか。
⑷ 脂肪肝の怖さを、理解されていますか。
正答は、177-⑴(正答率69.2%)、178-⑵(正答率82.5%)、179-⑵(正答率78.1%)ですね。
患者は肥満症と診断されます。肥満症患者の治療では、3 ~ 6 か月で現体重の3 %以上の減少を目指す(日本肥満学会『肥満症診療ガイドライン2016 』)。
179では、⑶を選んで間違える人が多かったです。クライアントとカウンセラーの信頼関係(ラポール)の構築に、「受容」「傾聴」「共感的理解」は欠かすことができないカウンセリング技法です。
第36回国家試験 問題は厚生労働省のHPで確認いただけます。
※正答率は、弊社自己採点会へご参加いただいた方の解答データを基にしています。