東京アカデミー静岡校
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※12/6更新 正式に生徒指導提要が発表されました。超重要項目なので要チェックですよ!
教員採用試験の受験生であれば、昨月末に生徒指導提要の改訂試案が公表されたことはご存知かと思います。
が、今回は教員採用試験の初学者や、教員採用試験を詳しく知らない方へ向けて
そもそも生徒指導提要とは?何が重要で何が変わったの?など簡単に解説していきたいと思います。
生徒指導の実践に際し、教員間や学校間で教職員の共通理解を図り、組織的・体系的な生徒指導の取組を進めることができるよう、生徒指導に関する学校・教職員向けの基本書として、小学校段階から高等学校段階までの生徒指導の理論・考え方や実際の指導方法等を、時代の変化に即して網羅的にまとめたもの。(文部科学省)
端的に換言すれば、先生ならばこうあるべき!という教科書ですね。
当然、教員採用試験は教師になりたい人が受ける試験なのですから、教員採用試験では頻出の分野となります。
愛知県・名古屋市では過去3年間で出題率19.2%。と2番目に多く出題されております。
そしてなぜこんなに話題になっているかというと、この教科書が12年ぶりに改訂されるからです。
12年も経てばそれはもう色々変わりますよね。時代の変化に即した指導方法とありますし。
何が変わったのか、何が重要なのかこの2点は理解する必要があります。
元々の完成版の発表が4月初旬頃となっていましたが、夏頃に延期予定➡12月についに正式発表されました
こちらが改訂原文となります。☞【生徒指導提要改訂原文ママ】
3月時点で発表されたものに比べて54p程内容が増えています。
全13章なのは変わりなしですが、章内の項目が少し増えています。
基本的には第8次学習指導要領の考え方に沿って、生徒指導は、
・未然防止
・早期発見
・早期対応
・関係各機関との連携
の4つの局面を想定して対応するよう求められていると思われます。
あとは学校現場に、うまく浸透するかが課題になると推察します。
「チーム学校・連携」といった学校・家庭間の関係を深め
いじめやICTモラル遵守、そして児童虐待撲滅といった問題の早期発見、早期解決を目指す項目です。
現在では、連携するべき地域社会も多岐に渡っており密な連携が要求されます。
いじめ防止対策推進法(2013年6月28日公布、9月28日施行)に関する内容がメインです。
改訂前は章の一節として2ページしか取り扱われておりませんでしたが、今回の改訂では章として取り扱い、
14ページまで増加しております。
現代社会で普及するICTの利活用やGIGAスクール構想の実現を踏まえた内容が主に取り上げられています。
インターネット問題、個人情報の取り扱いについてなど事細かに記載されております。
一人一端末が当たり前になった現代だからこそ追加された項目です。
現行では3ページ半のみ記述のところ、改訂試案では14ページに渡っています。
多様な背景を持つ児童生徒の増加に対応する内容、児童の権利に関する条約(2020年7月30日)や
成人年齢引き下げ(2022年4月1日)などを踏まえた社会的自立への取り組みに関する内容
などがメインで取り上げられております。
近年話題のジェンダーに配慮した対応については前章の12章で取り扱われておりました。
12年の時を経て、生徒のことを第一に考えた指導提要に変化しております。
以前ブログにてお伝えしたデジタルシティズンシップ教育もこの一環ですね。
聞き覚えない方はこちらを参照ください。☞【3分で分かる 教員採用試験最新時事GIGAスクールの予想問題と対策】
全300ページと大変分量が多いです。なかなか一人で読み込むのは大変だと思いますので、
まずは、上記の大幅に追加・改訂された3章、4章、11章、13章を中心に読み、残りは考え方を理解する学習も一手です。
2022年夏試験では、試案なのと、作問が時間時間的に厳しい状況も相まって筆記試験への出題は可能性は低いと考えられましたが、
2023年夏試験では本試験まで日があるため、出題が大いに予測されます。