東京アカデミー立川教室
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こんにちは、教員採用試験対策の予備校・東京アカデミー立川校の弓削です。
本日、文部科学省より「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)」が発表されました。
《調査の目的》
前回調査(2012年)から10年経ち、法改正、学習指導要領の改訂など発達障害を含めた障害をもつ児童生徒をめぐる状況に変化があり、今後の特別支援教育の推進のためにも現況を把握する目的で実施されました。
《調査時期・調査対象》
2022年1月~2月に実施され、
全国の公立の小学校・中学校・高等学校の通常の学級に在籍する児童生徒(*1)が対象
*1 小学校:5,875,825 人(国公私立計(5,991,290 人)の 98.1%)、中学校:2,865,494 人(国公私立計(3,137,812 人)の 91.3%)、高等学校:1,975,328 人(国公私立計(2,988,132 人)の 66.1%)
《調査方法》
学級担任が以下について回答
①児童生徒の困難の状況<学習面(「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」><行動面(「不注意」「多動性‐衝動性」)><行動面(「対人関係やこだわり等」>
②児童生徒の受けている支援の状況
《調査結果》※一例を抜粋
「学習面で著しい困難を示す」(=「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」の一つあるいは複数で著しい困難を示す場合)または、「行動面で著しい困難を示す」(=「不注意」「多動性-衝動性」、あるいは「対人関係やこだわり等」について一つか複数で問題を著しく示す場合)とされた児童生徒の割合(推定値)
※学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒数の割合は、2012(平成 24) 年に行った調査においては推定値 6.5%(※前回は小学校・中学校が対象)。
文部科学省は、
対象地域や一部質問項目等が異なるため単純比較はできないものの、今回の調査結果は平成 24 年に行った調査結果と比べて、学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒数の割合が増えているが、前回の調査から 10年で義務教育段階において通級による指導を受ける児童生徒の数が約 2.5 倍になっていることを踏まえると、驚く数字ではないものと考えられる。
(略)本調査は、発達障害のある児童生徒数の割合や知的発達に遅れがある児童生徒数の割合を推定する調査ではなく、学習面や行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒数の割合を推定している調査である。増加の理由を特定することは困難であるが、通常の学級の担任を含む教師や保護者の特別支援教育に関する理解が進み、今まで見過ごされてきた困難のある子供たちにより目を向けるようになったことが一つの理由として考えられる。
そのほか、子供たちの生活習慣や取り巻く環境の変化により、普段から1日1時間以上テレビゲームをする児童生徒数の割合が増加傾向にあることや新聞を読んでいる児童生徒数の割合が減少傾向にあることなど言葉や文字に触れる機会が減少していること、インターネットやスマートフォンが身近になったことなど対面での会話が減少傾向にあることや体験活動の減少などの影響も可能性として考えられる。
と考察しています。
先日、12年ぶりに改訂された生徒指導提要でも特別な支援が必要な児童生徒に対する指導は、要チェックのポイントとされています。大幅に改定のあった第Ⅱ部第13章「多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導」の該当箇所を見ておくと良いかと思います。
東京都の教養試験では、「特別支援教育」は頻出です。その点でもこの調査結果や生徒指導提要改訂は確認しておきたいですね。
調査結果の詳細は、こちらから
参考までに通級による指導を受けている児童生徒数の調査結果のリンクも貼っておきます。
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