東京アカデミー横浜校
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こんにちは、教員採用試験対策の予備校・東京アカデミー立川校の弓削です。
2022年12月23日に、スポーツ庁が小学5年と中学2年の「令和4年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果を公表しましたので、お知らせします。
スポーツ庁が挙げた調査結果のポイントは以下の通りです。
【体力合計点】
※体力合計点…①握力②上体起こし③長座体前屈④反復横跳び⑤20mシャトルラン(小5)・20mシャトルランか持久走(中2男子1500m・女子1000m)⑥50m走⑦立ち幅跳び⑧ソフトボール投げ(小5)・ハンドボール投げ(中2)の8種目の結果を10 点満点で換算し、合計80 点満点で得点化
〇 体力合計点については、令和元年度調査から連続して小・中学校の男女ともに低下した。
〇小学校5年から中学校2年に至る3年間の記録の伸びについて、令和4年度までの約 10 年間で見ると、身体的成長も含め毎年同程度伸びているが、20m シャトルランや上体起こしなどについては近年伸びが鈍化している。
【低下の要因】
〇 低下の主な要因としては、
①1週間の総運動時間が 420 分以上の児童生徒の割合は、増加しているものの、以前の水準には至っていないこと
②肥満である児童生徒の増加
③朝食欠食、睡眠不足、スクリーンタイム増加※などの生活習慣の変化のほか、新型コロナウイルス感染症の影響により、マスク着用中の激しい運動の自粛
なども考えられる。
※スクリーンタイム…平日 1 日当たりのテレビ、スマートフォン、ゲーム機等による映像の視聴時間
【実技テスト種目別の状況】
〇令和3年度と比較し、
・「50m 走」「20m シャトルラン」中学校の「持久走」「上体起こし」及び「反復横とび」は低下。
・「長座体前屈」は向上。
・「立ち幅とび」について、小学校は低下、中学校男子は調査開始以来の最高値、女子は低下。
・「握力」「ボール投げ」は、ほぼ横ばい。
【運動やスポーツに対する意識】
〇 運動が好き、と答えた児童生徒は令和3年度より増加したが、以前の水準には戻っていない。体育が楽しい、と答えた児童生徒は令和3年度より増加し、小学校では以前の水準に戻り、中学校では過去最高となっている。
【学校及び教育委員会の取組状況】
〇小学校・中学校ともに、前年度の活動として体育の授業以外で体力向上の取組を行った学校が増加したが、以前の水準には戻っていない。
〇 幼児の運動促進のための取組を実施している教育委員会の割合は、政令指定都市を除き、低下した
【体力合計点】は、小中学校の男女ともに2008年度の調査開始以降で、最低値を記録したとのことです。上記の【低下の要因】にもある通り、スクリーンタイムの増加やコロナによる活動制限で、運動する機会が減少したことが背景にあるとみているようです。
こういった現状における課題から体力向上のための今後の取り組みについては、以下のように示しています。
〇令和元年以降、子供の体力が低下傾向にあり、感染症の拡大により拍車がかかった運動不足について、抜本的に改善することが必要。
〇いわゆる「ゴールデンエイジ」(概ね幼児期から中学生まで)の運動習慣は、生涯にわたる体力・運動能力等の基盤となる極めて重要な要素であり、その定着に向けて国民的なムーブメントを推進。
〇学校、家庭及び地域における運動機会を確保し、子供の運動習慣の形成や体力向上につなげられるよう、スポーツ庁として以下の5つの対策パッケージを以下の通り実施。令和5年以降、更なる対策を検討。
・地域
1.幼児期における運動習慣形成の取組を強化
2.子供のニーズに応じた多様なスポーツ環境の整備を促進
・学校
3.体育授業において児童生徒の運動意欲向上
4.授業以外の児童生徒の運動時間の増加
・家庭
5.過程で運動を実践するキッカケを提供
調査結果は都道府県別にも集計されていますので、受験自治体の状況を見ておくと良いかもしれません。
子どもの体力低下の原因としてはコロナが挙げられていますが、低下の傾向はコロナの前からありますので、一概にそれだけのせいとも言えないようです。
デジタルの普及など環境の変化によって行動様式が変わってきていることも大いかかわりがあるのではないかと思います。
実際の教員採用試験では、この調査結果は頻出とはいえないかもしれませんが、近年では2021年夏実施の岡山県、2020年夏実施の千葉県・千葉市の教養試験で取り上げられています。
また、保健体育の専門試験で出題されることもありますので、注意が必要です(2020年夏実施 東京都、2021年夏実施 山形県)。
奥付を見ますと144ページとなっていましたので、なかなかのボリュームです。
調査結果の概要だけでも見ておくと良いかもしれませんね。
過去分も含めた調査結果のスポーツ庁Webページは、コチラから!
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