東京アカデミー高松校
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こんにちは、教員採用試験対策の予備校、東京アカデミー高松校の教員採用試験対策担当:石井です。
昨年12月20日に実施された「第1回 質の高い教師の確保のための教職の魅力向上に向けた環境の在り方等に関する調査研究会」で配布された資料が公表されていましたので、今後の重要ポイントをまとめておきたいと思います。
教育の質を高める方法はいくつかありますが、最も基本的なこととして『質の高い教師の確保』は欠かせません。ところが、
上記グラフが示す通り、受験者数は減少傾向であり、他にも、
といった採用状況であることが文部科学省より公表されています。まずは採用状況の現状を正確に把握しておきましょう。
【教職の魅力とは?】
1971(昭和46)年5月 (国立及び)公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(以降、給特法)が制定され、「教員の職務はその勤務の特殊性から、勤務時間の内外を切り分けることが適当ではない」との考えから、
勤務時間の内外を問わず包括的に評価した処遇として、
① 時間外勤務手当は支給しない代わりに
② 教職調整額を本給として支給。 給料月額 × 4% = 教職調整額
※ 4% = 昭和41年の勤務実態調査による超過勤務時間相当の割合
※本給とみなすため、本給を基礎として一定割合を乗じて算出する手当等については、その算定の基礎となる。(期末・勤勉手当、退職手当、地域手当、へき地手当、年金等)
といった取り決めがなされました。教師の仕事はその内容(授業の準備や教材研究、児童生徒の教育相談など)や働き方(夏休み、冬休みなど)が特殊であるため、いわゆる「残業代」の考え方が合わない状態だとされています。その後の動きとしては、令和3年4月より、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律」が施行され、「学期中の業務の縮減に加え、かつて行われていた夏休み中の休日のまとめ取りのように集中して休日を確保すること等が可能となるよう、公立学校の教師については、地方公共団体の判断により、一年単位の変形労働時間制の適用」が可能となっています。
そして、「多様化、教育 DX、少子化等の社会変化を踏まえ、新たな学校教育が求められており、それを担う質の高い教師の確保のため、教職の魅力向上を図る必要がある。」と今回の会議趣旨が述べられており、今後、
(1)給与面、公務員法制・労働法制面の在り方について
(2)学校における働き方改革に係る取組状況や学校・教師の役割について
(3)学校組織体制の在り方等について
(4)その他
について議論していくことが方向性として示されています。
それでは、なぜ、上記のような改革を行う必要があるのでしょうか。今回の資料の内容から、「質の高い教師の確保」のためということはできますが、それはあくまで、客観的な視点であり、当事者である受験生がそれを意見づくりに入れることは難しいと思います。また、給料がよくなる、制度がよい、働き方改革で仕事が楽になる、といった面を意見づくりに入れることも、改革の本質ではないため避けた方がよいと思います。
教職を目指す皆様には、改革の本質である、子どもたちと接する時間を大切にすること、自己のスキルアップ、人格を成長させるための修養、といった内容に触れて、意見づくりを行うことをおススメします。『学校における働き方改革に関する取組の徹底について(通知)(平成31年3月18日)』には、
学校における働き方改革の目的は,現在の教師の厳しい勤務実態を踏まえ,教師のこれまでの働き方を見直し,教師が我が国の学校教育の蓄積と向かい合って自らの授業を磨くとともに日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで,自らの人間性や創造性を高め,子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようになること
との記述があります。まずはこの本質を意見に引用し、その上で、
など、教職の魅力をまとめてみてはいかがでしょうか。教師になって、その先生にしか味わうことができない、最高の瞬間に出会って欲しいと思います。
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本気の皆様をお待ちしています。