東京アカデミー長崎校
ブログ
「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(令和3年4月答申)」が発表されたことに伴い、中央教育審議会 初等中等教育分科会では「義務教育の在り方ワーキンググループ」という部会を立ち上げ、新しい教育について議論がなされています。
昨年になりますが、2022年12月21日に行われた第3回会合で配付になった資料が文部科学省ホームページに公開されておりましたので、概要をお知らせしたいと思います。
第3回の配付資料はこちら(PDF)をご参照ください。
(1)義務教育の意義
① 豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となる子供たちに必要な資質・能力と学校が果たす役割について
② 全ての子供たちの可能性を引き出す学びの実現について
(2)学びの多様性
① 個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を通じた主体的・対話的で深い学びの具体化について
② 多様性と包摂性に基づく学校文化の醸成について
③ 学びにおけるオンラインの活用について
④ 学校教育になじめないでいる子供に対する学びの保障について
第1回・第2回会合での検討事項および意見は以下の通りです(概要)。
①義務教育の在り方ワーキンググループにおける今後の議論の在り方について
これまでの施策の進捗状況の客観的な把握と実現に至っていない場合の原因の追究、日本型学校教育の「強み」「弱み」の再整理が必要などの意見。
②子供たちに必要な資質・能力と学校が果たす役割
「よさを徹底して伸ばす」という考えの優先度を上げていくことが必要であることや、教師のウェルビーイングが重要でありデジタル化を含む働き方改革をさらに進めるべきなどの意見。
③個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実の具体化について
教材や教科書の在り方等をパッケージとして検討していく必要があることや、これからの時代に生きる人材の育成のために子供自身にどう ICT を道具として使わせていくことが重要であるといった意見。
④多様性と包摂性に基づく学校文化の醸成について
子供たちが他者と関わり、互いのニーズに応じてケアする能力を身に付けることや、互いの意見に耳を傾けるとともに、チーム内の個々の意見を拾い上げ、まとめることので
きる子供の育成が必要ではないかといった意見。
⑤教育行政の在り方について
スピード感をもって施策を進めていくために、文科省や都道府県・市町村教育委員会、学校との情報共有等の在り方について検討が必要といった意見。
今回は、検討事項における、学びの多様性について、「学びにおけるオンラインの活用」「学校教育になじめないでいる子供に対する学びの保障について」の状況報告と説明がなされました。
・小・中学校における長期欠席者※のうち、不登校児童生徒数は244,940人(前年度196,127人)
・児童生徒1,000人当たりの不登校児童生徒数は25.7人(前年度20.5人)
・不登校児童生徒数は9年連続で増加し、過去最多
この状況を踏まえ、へき地等の小規模校や不登校特例校等における遠隔授業の活用・推進およびオンラインプログラムを提供しているNPOや民間企業等との連携やオンラインを活用した学びの充実に関しての発表がありました。
〇不登校の子供たちの学びの継続において、オンラインの意義と留意すべき点
〇不登校の子供たちの支援における公と民それぞれの役割
〇相談・指導機関につながることのできない子供たちのために必要な支援や、つながりを継続するために必要な対応
〇学校に行きたいけど、行けない、という子供たちにとって望ましい学校教育の姿
2016年の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」において、不登校児童生徒に対する多様な教育機会の確保のための場の一つとして、教育支援センター(適応指導教室)も位置づけられており、未設置地域での設置や整備・機能の強化が進められています。
また、NPOや民間のフリースクールとの連係といった形も今後見られるようになると思われます。
この会合の動向を今後も追っていきたいと思います。