東京アカデミー北九州教室
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みなさん、こんにちは。
東京アカデミーの教採担当です。
早速ですが、これまで3回に渡って12月公表されました『生徒指導提要(改訂版)』について詳しく掘り下げています。
※1回目のブログ【教員採用】生徒指導提要(改訂版)について_その1
※2回目のブログ【教員採用】生徒指導提要(改訂版)について_その2
※3回目のブログ【教員採用】生徒指導提要(改訂版)について_その3
今回は新生徒指導提要P.23 生徒指導の方法についてです
生徒指導の方法について、以下の表にまとめています。ぜひ理解を深めて頂きたい項目です。
大項目 | 小項目 | 概要 |
児童生徒理解 | 複雑な心理・人間関係の理解 |
児童生徒一人一人の家庭環境、生育歴、能力・適性、興味・関心等を把握することは非常に難しい。また、授業や部活動などで、日常的に児童生徒に接していても、児童生徒の感情の動きや児童生徒相互の人間関係を把握することは容易ではない。さらに、スマートフォンやインターネットの発達によって、教職員の目の行き届かない仮想空間で、不特定多数の人と交流するなど、思春期の多感な時期にいる中学生や高校生の複雑な心理や人間関係を理解するのは困難。教職員の児童生徒理解の深さが鍵。 |
観察力と専門的・客観的・共感的理解 | 児童生徒を心理面のみならず、学習面、社会面、健康面、進路面、家庭面から総合的に理解していくことが重要。学級・ホームルーム担任の日頃のきめ細かい観察力が、指導・援助の成否を大きく左右する。学年担当、教科担任、部活動等の顧問等による複眼的な広い視野からの児童生徒理解に加えて、養護教諭、SC、SSW の専門的な立場からの児童生徒理解を行うことが大切。この他、生活実態調査、いじめアンケート調査等の調査データに基づく客観的な理解も有効です。特に、教育相談では、児童生徒の声を、受容・傾聴し、相手の立場に寄り添って理解しようとする共感的理解が重要になります。 | |
児童生徒、保護者と教職員の相互理解 | 的確な児童生徒理解を行うためには、児童生徒、保護者と教職員がお互いに理解を深めることが大切。児童生徒や保護者が、教職員に対して、信頼感を抱かず、心を閉ざした状態では、広く深い児童生徒理解はできない。児童生徒や保護者に対して、教職員が積極的に、生徒指導の方針や意味などについて伝え、発信して、教職員や学校側の考えについての理解を図る必要があります。例えば、授業や行事等で教職員が自己開示をする、あるいは、定期的な学級・ホームルーム通信を発行することなどを通して、児童生徒や保護者に教職員や学校に対する理解を促進することが大切。 | |
集団指導と個別指導 | 集団指導 | 集団指導では、社会の一員としての自覚と責任、他者との協調性、集団の目標達成に貢献する態度の育成を図ります。児童生徒は役割分担の過程で、各役割の重要性を学びながら、協調性を身に付けることができる。自らも集団の形成者であることを自覚し、互いが支え合う社会の仕組みを理解するとともに、集団において、自分が大切な存在であることを実感。指導においては、あらゆる場面において、児童生徒が人として平等な立場で互いに理解し信頼した上で、集団の目標に向かって励まし合いながら成長できる集団をつくることが大切。 |
個別指導 | 個別指導には、集団から離れて行う指導と、集団指導の場面においても個に配慮することの二つの概念がある。授業など集団で一斉に活動をしている場合において、個別の児童生徒の状況に応じて配慮することも個別指導と捉えられる。また、集団に適応できない場合など、課題への対応を求める場合には、集団から離れて行う個別指導の方がより効果的に児童生徒の力を伸ばす場合も少なくない。一人取り残さない、さらに今後、個の課題や家庭・学校環境に応じた、適切かつ切れ目のない生徒指導を行うことが大切。 | |
ガイダンスとカウンセリング | ガイダンス | 教職員が児童生徒や学級・ホームルームの実態に応じて、ガイダンスという観点から、学校生活への適応やよりよい人間関係の形成、学習活動や進路等における主体的な取組や選択及び自己の生き方などに関して、全ての児童生徒に、組織的・計画的に情報提供や説明を行う。 |
カウンセリング | 児童生徒一人一人の生活や人間関係などに関する悩みや迷いなどを受け止め、自己の可能性や適性についての自覚を深めるように働きかけたり、適切な情報を提供したりしながら、児童生徒が自らの意志と責任で選択、決定することができるようにするための相談・助言等を個別に行う。 | |
チーム支援による組織的対応 | チーム支援の特色 | チーム支援の特色として、次の2点が挙げられる。 第一は、生徒指導上の課題に取り組んでいる児童生徒一人一人に対して、保護者、学校内の複数の教職員、関係機関の専門家、地域の人々等が、アセスメントに基づいて、支援チームを編成して、課題予防的生徒指導や困難課題対応的生徒指導を行う。 第二に、チーム支援のプロセスは、①チーム支援の判断とアセスメントの実施、②課題の明確化と目標の共有、③チーム支援計画の作成、④支援チームによる実践、⑤点検・評価に基づくチーム支援の終結・継続と捉えることができる。 |
チーム支援の留意点 |
チーム支援においては、児童生徒の学習情報、健康情報、家庭情報等極めて慎重な取扱いを要する個人情報を扱う。そのため、守秘義務や説明責任等に注意をしなければならない。生徒指導全般にも共通する留意事項として以下の3点がある。① 合意形成と目標の共通理解② 守秘義務と説明責任③ 記録保持と情報セキュリティ |
実際の本試験では、次のような穴埋め問題への出題も十分予想されます。
問1 次の文は「生徒指導提要(改訂版)令和4年12月文部科学省」に記載されている「1.3.3ガイダンスとカウンセリング」からの抜粋である。( )の①,②中に入る語句を答えよ。
生徒指導上の課題としては、小学校入学後に、うまく集団になじめない、学級が落ち着かないなどの(①小1プロブレム)や、小学校から中学校に移行した際に、不登校 児童生徒数や暴力行為の発生件数が増加するなどの(②中1ギャップ)が見られます。 |
問2 次の項目は「生徒指導提要(改訂版)令和4年12月文部科学省」に記載されている「1.3.2集団指導と個別指導(1)集団指導」に記載されている集団づくりの基盤として工夫が求められる9つの項目である。( )ア~オに入る語句を下の語群から選んで答えよ。
① 安心して生活できる
② (ア個 性)を発揮できる
③ (イ自己決定)の機会を持てる
④ 集団に貢献できる役割を持てる
⑤ 達成感・成就感を持つことができる
⑥ 集団での(ウ存 在感)を実感できる
⑦ 他の児童生徒と好ましい人間関係を築ける
⑧ (エ自己肯定感)・自己有用感を培うことができる
⑨ (オ自己 実現)の喜びを味わうことができる
語群:自己肯定感 自己決定 存在感 自己実現 個性
※解答は最下段に記載しております。
①小1プロブレム ②中1ギャップ
ア個性 イ自己決定 ウ存在感 エ自己肯定感 オ自己実現