東京アカデミー横浜校
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昨日1月22日(日)都立看護専門学校(全7校)の一般入試を受験されたみなさん、お疲れさまでした! 解答速報はすでに昨日アップしましたので、今日は各教科の問題について、簡単な講評と設問ごとのポイントをあげておきますね。
<国語総合>
大問1=論説的文章 大問2=小説 大問3=論説的文章で、最近はこの組合せが続いています。難易度的にはおおむね例年通り。
都立看護の国語の問題では、読解系の設問の他に、国語知識系の設問もけっこう多いのが特徴。「漢字」は前回、1問に減らされていましたが、今回は例年通りの2問に戻りました。[問17]の「二字熟語の構成」は昨年に続いての出題です。(実はこれ、2000年代~2010年代前半にかけて毎年必ず出ていたパターンの問題。)また、[問16]の「文法の識別」は2017年度入試以来、久々の出題となりました。一方、[問2]の「対義語」はこれまであまり例のない問題でしたね。
~設問ごとのポイント~
[問1]本文第3~7段落の内容をまとめている選択肢は④です。
[問2]「甚大」は、物事の程度がきわめて大きいという意味。対義語は「軽微」です。
[問3]3つの漢字は 途、捕、嫌
[問4]本文第8段落が手がかり。
[問7]④は本文の後半(第10段落以降)に述べられた内容を適切にまとめています。
[問9]傍線部直前の「はじめは、優等生ぶっているだけだと思っていた」も手がかり。②で「自分をよく見せようとするためではなく」と言い換えられています。
[問10]「おもむろに」を漢字で書くと「徐に」。「徐」はゆっくり、という意味。(たとえば、「徐行」とは、ゆっくり進むこと。)
[問14]傍線部のすぐあとに説明されている内容をまとめると④になります。
[問15]3つの漢字は 繁、伸、枯
[問16]格助詞「の」の使い方の区別はわりとよく出るので、確認しておきましょう。
・連体修飾の「の」:私の本 彼の車
・同格の「の」:営業部長の田中さん *「営業部長」=「田中さん」の関係
・主語を示す「の」:花の咲く頃 小川の流れる風景 *「が」と言い換られる
・名詞の代わりの「の」:この本は君のだ 辛いのが食べたい *「君の本」「辛いもの」と言い換えられる
なお、「~~の。」と文末に置く「の」は終助詞です。(格助詞ではない。)
[問17]都立看護では以前から「二字熟語の構成」の問題がよく出されるので注意。「人為」は「人が為す(人が行う)」と読めるから、2つの漢字は 主語+述語 の関係です。同じパターンなのは「官製」。(「官が製する(官がつくる)」と読めますね。)
[問18]④の内容は傍線部から4つ後の段落にはっきり述べられています。
<コミュニケーション英語Ⅰ>
大問1で5つの対話文問題が出され、その後の大問2~4に読解問題が3題並ぶというかたちは例年通り。ただ、出題の中身については新しい傾向も見て取れます。
■大問1:例年通りの対話文5問。今回は「決まり文句」的なやりとりではなく、きちんと文脈を読み取って判断させるタイプの問題。ただ、冷静に2人のやりとりを確認すれば、さほど難しくはありません。
■大問2:論説系の文章。ちなみに、この大問2は比較的読みにくいのに、大問3(対話文)と大問4(メール)はずっと読みやすい。大問2に深入りしすぎず、大問3・大問4を優先して答えたほうが得策だった可能性がありますね。そのことには気がつきました?
■大問3:対話文。読みやすいし、設問も簡単です。
■大問4:都立看護では初めてになりますが、「メールとその返信」は最近の入試ではとてもよくあるパターン。こちらも文章は読みやすい。
~設問ごとのポイント~
[問1]Bの最後の発言「たとえば、彼は毎朝校庭を掃除すると言っていて、いまでもそれを続けている」が手掛かり。「彼は決して約束を破らない人だ」が適切。
[問2]Bの最後の発言「過去について学ぶことは重要だ」が手掛かり。Aは「歴史」の専門家を目指しています。
[問3]「バス賃を払う必要がない+歩くことは健康にもよい」を受けているので「一石二鳥だね」が適切。
[問4]Aの最後の発言中にfish dishesとあるので、Bが勧めたのは魚料理です。
[問6]最初の段落に「スポーツを観ること(watching sports)はうつ病のリスクを減らす」とあるので、それに合致する内容は「たくさんスポーツを観れば観るほど、結果が良い」です。
[問7]prevent+O+from ~ingは「Oが~するのを妨げる(防ぐ)」は重要な構文ですが、動詞がkeepでも同様の意味です。
[問8]直後の段落に「少なくとも週に1度スポーツを観に行く人たちには義務からそうする人たちもいる~」というふうに述べられています。ここが下線部の理由に当たっています。
[問9]問題用紙p.4の下から2番目の段落(Cについて書かれている)や、p.5の上から3つめの段落(ABについて書かれている)でよく確認しましょう。
[問10]⑤の内容は本文の最後に書かれています。
[問11]Long time no see.は「お久しぶりですね/しばらく会っていませんでしたね」に当たる決まり文句。
[問13]be used to ~ingは「~するのに慣れている」。きちんと覚えていました?
[問14]仮定法過去。be動詞はwereを用いるのが正式です。
[問15]冬に白川郷を訪れたエレンが、雪の中で歩くのは難しかったと言っていたのを受けた発言。「冬よりも夏のほうが安全だ」と言っているはず。
[問16]Can you tell me what you think in your free time?
[問18]Masatoのメール本文の7~11行目に詳しい内容が説明されています。
[問19]「旗を持っている少女」のステッカーを気に入っているのはMasato。しかし、Masatoのメールに対するSakiの返信の2行目にI like your favorite stickerとあるのも見落とさないこと! このデザインが好きなのはMasatoとSakiの2人ですね。
[問20]⑤の内容はLilyの返信4~5行目に述べられています。
<数学Ⅰ>
問題の配列・内訳はおおむね例年通り。2016(平成 28)年度以降、「数と式」5問、「2次関数」5問、「図形と計量」6問、「集合と論理」2問、「データの分析」2問という組合せが定着していましたが、今回は「2次関数」が1問増え、「図形と計量」が1問減りました。ただ、それ以外にはとくに変わりありません。
出題のレベルはかなり易しいと言えます。公式や定義にあてはめるだけですんなり答が出る問題ばかりで、計算がめんどうなものも見当たりません。平均点はかなり高かったでしょう。
~設問ごとのポイント~
[問3]まずx、yそれぞれの分母を有理化します。求める値は(x+y)(x-y)なので、x+yとx-yの値をそれぞれ求め、掛ければいいですね。
[問5]2つの絶対値を含む方程式なので、3≧xのとき、1<x<3のとき、x≦1のとき の3つの場合に分けて計算します。
[問7]移動前のグラフの頂点が(1, 2)、移動後のグラフの頂点が(4,-2)であることを確認すればp, qがすぐにわかります。
[問10]2次関数のグラフの軸がx=-2なので、-3≦x≦1の範囲ではx=1のときに最大値をとります。それでc=8と判明。最小値はx=-2のときですから…
[問16]AC,AF,CFの長さは三平方の定理で簡単に出せます。△AFCで余弦定理を用いてcos∠CAFを出します→相互関係式よりsin∠CAFを出します→三角形の面積の公式にAC, AF, sin∠CAFの値をあてはめます
[問18]pがqであるための十分条件なのは①です。ちなみに、②~⑤は必要条件。なお、△ABC=△DEFは「△ABCと△DEFの面積が等しい」、△ABC≡△DEFは「△ABCと△DEFは合同」で、意味が全然違います。混同しないようにしてください。
[問19]第1四分位数は20(15と25の中央値)、第3四分位数は45(40と50の中央値)。四分位範囲は45―20=25です。
[問20]「共分散」の定義さえ覚えていれば楽勝です。計算は簡単。