東京アカデミー高松校
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こんにちは、教員採用試験対策の予備校、東京アカデミー高松校の教員採用試験対策担当:石井です。
前回に続いて、今回も『学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン』について、まとめていきたいと思います。
策定の趣旨についてガイドラインを引用すると、「①少子化の中でも将来にわたり、生徒がスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保することを目指し、②学校部活動が生徒にとって望ましいスポーツ・文化芸術環境となるよう、③適正な運営や効率的・効果的な活動の在り方について示すとともに、④新たな地域クラブ活動を整備するために必要な対応について、国の考え方を示すもの」とあり、生徒目線に立ち、多様なニーズに応じた各種対応を進めていくことが述べられています。また、このガイドライン策定は、教員の働き方改革を進めるものであり、生徒と教員どちらもおろそかにされるものではないことを忘れないようにしましょう。
【押さえておきたいポイント】
①少子化:2023年3月現在、内閣府の発表によると、2020年の出生数は、84万835人となり、過去最少、合計特殊出生率は、1.33となり、前年より0.03ポイント低下、といった状況であり、経済的(労働力供給の減少、社会保障への現役世代の負担が増大など)、社会的(子どもの社会性の未熟化、基礎的なサービスの提供が困難など)に深刻な影響があるとされています。このような背景を踏まえた意見づくりは、大きな説得力を持ちます。
②学校部活動:中学校学習指導要領において「学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるように留意する」と部活動についての記述があります。基本的に部活動は、学校内の活動でありつつ、教育課程外の位置づけであることを踏まえて、その上で、そういった性質をもつ部活動が、地域に移行することについて、また、部活動にどのように向き合うか、まとめましょう。
③適正な運営や効率的・効果的な活動の在り方:Ⅰ.生徒の心身の健康管理、Ⅱ.事故防止(施設整備・点検、安全対策など)、Ⅲ.体罰・ハラスメントの根絶について、まずは徹底されているかを重視しましょう。さらに、指導者としては、・適切な休養、・過度の練習を避ける、・生徒がバーンアウト(燃え尽き)しないようコミュニケーションを十分にとる、・効率的なトレーニングで短時間で効果が得られる指導、などをイメージしておきましょう。
④新たな地域クラブ活動を整備するために必要な対応:少子化により、部活動の減少が危惧されますが、地域移行によって、複数の学校が地域の活動に集まることで、改善に向かうことが想定されます。また、教員の働き方改革が進み、教員の負担は軽減し、授業や生徒指導に一層注力できるようになります。そのためには、学校外の人員ですが、校長の監督下で顧問に代わって部活動での指導や引率ができる「部活動指導員」との連携をしっかり押さえておきましょう。
本ガイドラインの「前文」では、
といった部活動の教育的意義が述べられています。もっと日常感のある言い方をするならば、社会性が身につき、ストレス発散に繋がり、勉強以外のことにも可能性を見いだすことができたり、大きな達成感や充実感を得ることができます。こういった教育的な意義を踏まえて、部活動の在り方、部活動で大切にしたいことなどについて、自分の言葉や経験に即した意見づくりを行っておきましょう。
次回は、「地域移行の課題」、「出題が予想される問題」についてまとめたいと思います。
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