東京アカデミー名古屋校
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こんにちは。東京アカデミー名古屋校公務員科です。
12/23のブログでご紹介した内閣府と厚生労働省の就職氷河期世代を対象とした採用試験ですが、12/25の公表、1/10出願締切にも関わらず、報道によると内閣府には係長級・係員級各若干名の採用に対して合計685名、厚労省には10名の採用に対して1,934名の出願があったそうです。
来年夏から3年間限定で予定されている国家公務員全体の氷河期世代採用も、きっと狭き門になるでしょう。
さて、遅くなりましたが、公務員試験志望者にチェックしておいてほしい12月の時事をいくつかご紹介します。
TPP同等の対米関税協定で、日本側が牛肉・豚肉・オレンジ・チーズ・ワイン等の農産品等、アメリカ側が自動車除く工業製品の関税を大幅に引き下げる。日本が「聖域」と位置づける米は対象外とし、アメリカからの無関税輸入枠を設けない。
災害復旧・復興支援に7兆円程度。経済悪化リスクへの備えとして、日米貿易協定を踏まえた酪農家支援、就職氷河期世代への支援(ハローワークへの専門窓口設置や来年度以降3年間の国家公務員中途採用等)、最低賃金の引き上げに向けた中小企業支援等に7兆3000億円程度。来年以降を見据えた景気活性化策として、2020年9月からのマイナンバーカード所有者への買い物で使えるポイント付与、高齢ドライバーによる交通事故防止のため自動ブレーキ等を備えた自動車の購入補助、2023年度までの小中学生1人1台PC・タブレット配備等に11兆7000億円程度。GDP(国内総生産)を実質1.4%程度押し上げる効果が見込まれるとしている。
施行は2020年7月。公共の場での外国人へのヘイトスピーチ行為に対して、違反行為3回で最大50万円の罰則を科す。ちなみに、大阪市は12/27にヘイトスピーチ(増悪表現)抑止条例に基づき、実行者2名の氏名をホームページで公表した。
イギリス下院総選挙(定数650)は、ジョンソン首相率いる与党保守党が単独過半数(326)を大きく超える365議席を獲得。イギリスがEUと結んだ離脱協定案や関連法案の下院通過が容易になり、離脱の実現に大きく近づいた。
スペインのマドリードで12/2に始まった国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)は、各国の温暖化ガス削減目標の引き上げで合意したが、採択文書では目標引上げを義務付けることはできず、努力を促すに留まり、国連のグレーテス事務総長は失望を表明。先進国などが他国の削減を支援した場合の扱い等、詳細ルールの策定は2020年のCOP26に先送りされた。小泉環境相も演説したが、脱石炭に向けた具体策には言及せず。
政府は「デジタル市場競争会議」を開き、GAFAや楽天・ヤフー等、プラットフォーマーと呼ばれる巨大IT企業に対する規制強化策5項目をとりまとめた。
① 「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案」(仮称)を策定し、巨大IT企業に取引先企業との契約条件の開示や変更する場合の事前通知を義務付け、情報開示の状況等について政府への定期的な報告を求める。
② 個人情報保護法を改正し、消費者が個人データの利用停止を求めた場合、企業に応じるよう義務付ける。
③ 取引における「優越的地位の乱用」を企業間だけでなく、消費者との間にも適用する。
④ 巨大IT企業による企業の合併・買収(M&A)で、買収額が400億円以上の場合は原則公正取引委員会で可否を審査する。
⑤ ネット上のデジタル広告を対象とした実態調査の中間報告を2020年春に行う。
※GAFA:グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン
少子高齢化と多様化するライフスタイルに即した社会保障全般の持続可能な改革の具体策として、
●年金受給開始時期の上限引き上げ(現在は原則65歳開始で60~70歳の間で選択可能だが、60~75歳とする)
●厚生年金(被用者保険)の適用範囲の拡大(要件となる企業規模の引き下げ)
●70歳までの就業機会の確保、中途採用・経験者採用の促進
●兼業・副業の拡大
●75歳以上の後期高齢者の医療機関での窓口負担について、一定所得以上所得者は2割、それ以外は1割
●持続可能な介護提供体制の構築
等が提唱されている。最終報告は2020年夏の予定。
2019年8月に、韓国を安全保障上の懸念が無く輸出手続上の優遇措置が受けられる、いわゆる「ホワイト国」=グループAから除外し、グループB扱いとしていた(この下に更にグループC・Dがある)。そのため、すべての取引を個別に申請する形になっていたが、半導体材料3品目のうちレジスト(感光材)に限り、取引実績などに基づいて特定企業間では3年一括申請が可能となった。
一般会計の総額は102兆6580億円と、8年連続で過去最大に。歳入は、消費税が約21兆7000億円と所得税を超えて最大の税目となり、公債金(国債発行額)を除く租税・印紙税・その他収入は2019年度当初予算に比べ約1兆3000億円増。歳出は、高齢化に伴う医療・介護の費用増、幼児教育・保育・高等教育の無償化、水害対策などの公共事業、キャッシュレス・ポイント還元事業、マイナンバーカードを活用した消費活性化策、中小企業の支援策等により、一般歳出が2019年度当初予算より約1兆5000億円増。税収などで足りない分は、32兆5000億円あまりの国債を発行して補うことになる。政府の借金総額は、2020年度末には906兆円と初めて900兆円を超える。次の国家で予算審議が行われる。
※一般歳出:基礎的財政収支対象経費(歳出-国債費)-地方交付税交付金等
厚生労働省が2019年の人口動態統計の年間推計を発表。国内で生まれた日本人の子供の数(出生数)は1899(明治32)年の統計開始以来、過去最少となる86万4千人で、初めて90万人を割る見通しとなった。国立社会保障・人口問題研究所は2021年に86万人台になると推計していたが、予測を上回る減少速度となった。死亡者数から出生数を差し引いた人口の自然減は過去最大の51万2千人と初の50万人越えで、13年連続の人口減は確実。
政府は中東地域で航行する日本関連船舶の安全確保に必要な情報収集のため、自衛隊を周辺海域に派遣することを閣議決定。防衛省設置法に基づく「調査・研究」目的で、海上自衛隊の哨戒機を2020年1月から、護衛艦を2月から派遣する。活動範囲は、オマーン湾、アラビア海北部、バーブルマンデブ海峡東側のアデン湾の排他的経済水域を含む公海で、イランに近いホルムズ海峡やペルシャ湾は含んでいない。活動期間は12/27から1年で、延長には閣議決定や国会報告を義務付けた。
経済産業省はプラスチックごみ削減に向けて、容器包装リサイクル法の関係省令を改正し、レジ袋有料化を義務付ける制度のガイドラインを公表した。スーパーやコンビニエンスストアなどすべての小売店を対象に2020年7月1日から始める。ただし、植物由来で環境負荷の小さいレジ袋などは有料化の対象から外す。
常々申し上げておりますが、時事は筆記対策(論文を含む)としても、面接試験対策(集団討論試験を含む)としても、重要です。