【教員採用】試験によく出る‼高知県の教育資料③高知県授業づくりBasicガイドブック

こんにちは、教員採用試験対策の予備校、東京アカデミー高松校の教員採用試験対策担当：石井です。

10/7、10/14に続いて、高知県教員採用試験で頻出の資料について紹介及び押さえておきたいポイントをまとめていきます。今回は模擬授業対策にも関連する、『高知県授業づくりBasicガイドブック』についてです。

【高知県授業づくりBasicガイドブック】

〇高知県の授業の現状と課題

令和4年3月に作成された「高知県授業づくりBasicガイドブック～若年教員のための基礎・基本～」には、高知県の授業における課題として次の6つが挙げられています。

1. 教員の経験則に依存した授業で、子どもが主体的に学べていない授業(自己流、教員主導、一問一答型授業　など)
2. 子どもが、「何をどのように学習するのか」の見通しをもてない授業や、「振り返り」がなく、学びの実感がもてない授業
3. 教員が一方的に話すことが多く、子どもが考えたり話し合ったりする時間が少ない授業
4. 一部の子どもの意見だけで進み、学習に参加できていない子供が見られる授業
5. 担任や教科によって授業の流れや学習の仕方が大きく異なり、子どもが学びにくさを感じている授業
6. 活動はあるが、ねらいに沿った学びのない授業

そしてこれらを改善した理想的な授業として

• 子どもが主体となる授業(全員参加)
• 単元や1単位時間において付けるべき資質・能力(ねらい)が明確な授業
• 子どもが見通しをもち、「何を」「どのように」学ぶのかが分かる授業
• 友達と学び合うことで、自分の考えが広がったり深まったりする授業
• 子どもが、「分かった！」「できた！」という達成感を得られる授業　等

が挙げられています。まずはこの点をしっかり認識しておきましょう。

〇高知県　模擬授業の流れ(2021年夏参照)

1. 開始前30分間、模擬授業の準備を行う。
2. 模擬授業課題用紙に受審番号と氏名を必ず書く。
3. 面接室へ入室する前に手指消毒を必ず行う。
4. チョークを持つ手に手袋をする。
5. 指定された本時の「導入」部分の模擬授業を行う　※前時の復習等は行わない。
6. メモ用紙を持って模擬授業を行ってもよい。ただし、メモ用紙を教材として使用してはいけない。
7. チョークは3色(白・赤・黄)を準備している。　※できるだけ全色使う。
8. 児童生徒がいるつもりで進める。面接官は児童生徒役をしないので、発問に対しての回答は返ってきた体で進める。
9. 模擬授業終了後は、チョークを元に戻し、手袋は机に掛けている袋にいれる。
10. 面接審査終了後、模擬授業課題用紙とメモ用紙をクリアファイルに入れて、教卓横の机の上に置く。
11. 退室後も手指消毒を必ず行ってから帰る。

模擬授業は授業の構成や実施の内容だけでなく、準備や片付け、指示の徹底ができているかも重要ですので、必ず事前の注意事項を聞き逃すことのないようにしましょう。

〇模擬授業でおススメしたい具体的な手立て

高知県の模擬授業については、「授業を構成する力」「指導技術力」「教材を研究・開発する力」の3点が評価の観点として挙げられています。もう少し細かく見てみると

1. 授業を構成する力：①学習課題・めあての設定が適切であるか。②めあてに応じた授業展開となっているか。③思考や活動の場面が適切に設定されているか。
2. 指導技術力：①授業の流れや思考の過程等が分かる板書であるか。②話し方言葉遣いが丁寧で、表情が豊かであるか。③時間配分が適切であるか。
3. 教材を研究・開発する力：①学習指導要領をもとにした広い知識・深い理解があるか。②専門領域を分かりやすく伝えているか。③児童生徒の実態に合わせた教材研究ができているか。

といった着眼点も設定されています。1、3は、知識取得のための学習や理解が必要ですが、2は事前に練習をしっかり行うことによって対応が可能です。また、1の③については、「主体的な学び」「対話的な学び」に導く力が重要です。思い付きで行うのではなく、ある程度パターン化された考え方を持って対策を行うと効率が良くなります。「高知県授業づくりBasicガイドブック～若年教員のための基礎・基本～」の中では、

〇問いを持つ視点：「分かっていること・問われていること」「気が付いたこと」「考えられること」「疑問に思うこと」「これまでに学んだこととの違い」「調べてみたいこと」

〇問いの共有方法：「友達のもった問いを聞く」「板書に書かれた友達の問いを見る」「解き方やおおよその答えなどを教え合ったり、確認し合ったりする」

〇「問い」を「学習課題・めあて」に繋げる：「(児童生徒の回答に対して)とゆうことは、今日の課題は、どんな課題にしたらいいですか？」「みんなの言葉を整理すると、今日の課題は○○ということになるけど、どうですか？」と聞き、「学習課題・めあて」に繋げる。

といった方法は授業構成、流れの中で行うと決めておくことが効果的だと考えます。

他にも、板書については色チョークの使いどころを決めておく、線の太さを意図的に変えていく、書く場所をパターン化する(下図参照)と良いでしょう。

今回は、「高知県授業づくりBasicガイドブック～若年教員のための基礎・基本～」についてまとめてみました。よく、プロジェクターやICT機器を使用したら板書はいらないのでは？と聞かれることがありますが、そのようなことはありません。例えば、子どもから出た意見を黒板に残すことは、課題に対する子どもたちの思考の流れが分かりますし、流れに沿った板書を行うことで、子どもたちは何について考えているのか理解しやすくなります。どちらか一方に偏った捉え方でなく、バランスの良い考え方で授業づくりに取り組むとよいでしょう。

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