令和6年度（2023年夏実施）教員採用試験の倍率について

こんにちは、教員採用試験対策の予備校、東京アカデミー金沢校の教員採用試験対策担当です。

およそ1年ほどになりますが、2022年4月に文部科学省より『「教師不足」に関する実態調査』の発表がありました。目的は『臨時的任用教員等の確保ができず学校へ配置する教師の数に欠員が生じる「教師不足」に関して、年度当初における全国的な実態を把握するため』とされ、令和３年度始業日時点 及び 令和３年５月１日時点の２時点について調査が実施されました。

その結果、

• 令和３年度始業日時点の小・中学校の「教師不足」人数（不足率）は合計2,086人（0.35%）、５月１日時点では1,701人（0.28%）。なお、義務標準法に基づき算定される小・中学校の教職員定数に対する充足率は、全国平均で101.8%。
• 高等学校の「教師不足」人数は始業日に217人(0.14%)、５月１日時点で159人(0.10%)。
• 特別支援学校の「教師不足」人数は始業日に255人(0.32%)、５月１日時点で205人(0.26%)。

といった各学校種における「教師不足」の概要が公表されています。

ここで重要であるのはその「教師不足」の要因・理由です。ブラックな職場というイメージから教員志望者の減少を要因として伝える記事を見ることもありますが、受験生の皆様は、必ず、文部科学省の見解を流用しましょう。

【「教師不足」の要因　文部科学省の見解】

• 産休・育休、病休者数の増加
• 特別支援学級数の増加により、必要な臨時的任用教員が見込みより増加した
• 採用者数の増加に伴い、講師名簿登録者がすでに正規採用されたことにより、講師名簿登録者数が減少している

受験生はこの3点を踏まえた意見づくりを行いましょう。

教員不足を解消するには

では、「教員不足」を解消するにはどういった取り組みが必要になるでしょうか？

• 正規雇用・採用数の増加
• 学校の働き方改革の推進
• 採用試験の制度変更(年齢制限の緩和、現役生特別推薦等の特別選考枠など)

といった取り組みが必要とされ、すでに実施されている自治体もあります。そして何より、地方公務員法の一部改正により、地方公務員の定年は段階的に引き上げられ、令和13年には65歳定年への移行が完成となります。もちろん、公立学校教員も対象となります。

 

退職者数≒採用数と考えてきましたが、退職者数が減少するならば、採用数も減ることも想定しておきましょう。「教師不足」だから競争倍率はこれからも低下する、とは安易にいえません。むしろ定員は減る要素が大きいと捉え、採用試験対策をしっかり行い、万全の体制を整えましょう。