東京アカデミー鹿児島校
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こんにちは、東京アカデミー公務員担当です。
9月に実施される市町村採用試験では、論作文試験を課す自治体も多くあります。
今回はその中でも、近年実施するところが増えている、ケーススタディ試験をご紹介します!
架空の職場や学校の一シーンで発生した課題やトラブルといったケース(事例)が設定され、それを題材にして設題が課されて解答するというものです。
なぜそのような状況になったのか、あなたがその立場だったらどうするか、ということがよく問われます。
答えがひとつにならないものなので、対策も難しいですね。
ケーススタディは、設問の中から原因を見つけ、それをどう解決に持っていくかを明らかにする必要があります。
実際に書いてみてケーススタディ試験の形式に慣れることが大事です!
■遠賀町・一般事務 2020年度
大学の合唱サークルで練習に参加しない人が全部員の半数近くいる。
参加しない人は退部させるべきと言うA さんと、その必要はないと言うB さんがそれぞれ意見を主張する。
部長ははぐらかすだけで自分の意見を述べない。
①このようになった原因を述べよ。(3 0 0 字程度)
②部長の立場から状況を改善するためにどのような行動を取るべきか。(4 0 0 字程度)
■諫早市・一般事務 2021年度
山田君は大学に入ってからしばらくの間、サークル活動もアルバイトもせずに暮らしていたが、友人に誘われ、ハンバーガー店で働くことになった。今までろくにアルバイトを経験していなかったため、戸惑いがあったが、アルバイト先にはわかりやすいマニュアルが沢山あったため、マニュアルをすべて覚え、日々仕事に取り組んでいた。1年が経過したころには、ベテランのアルバイトのようになっていた。
3 年生になったころ、下宿先を変えたためアルバイト先を和食レストランに変えた。そこではマニュアルが少なく、少し不安になったが、ハンバーガー店の経験があると思い、マニュアルを適当に読んだ。
その後、和食レストランの常連の高齢者を中心に接客していたが、前のアルバイトとは勝手が違った。
氷水を配膳したら、氷なしの水がよい、スプーンを求められたので、コーヒースプーンを持って行ったら、大きめのスプーンがよい、などと言われ、その度に「いつものアルバイトはいないのか」と聞かれた。
マニュアルを読み直しても、そのような状況に対応する手段は載っておらず、マニュアルに記載がない仕事を要求されることに苛立ちが募った。店長に相談しても「マニュアルを改訂したいが、時間がないため改訂しきれない状況が続いている。臨機応変に対応するように。」と言われた。
山田君は、常連全員の顔と個性は覚えられないと考えており、前のアルバイトの方が楽だった。戻りたいと思うようになった。先輩にそのことについて愚痴を吐くと「私も最初はそうだった。店長やお客さんに何度も聞いて少しずつできるようになっていった。山田君も分からないことがあったら何でも聞いてほしい。また、お客さんに聞くのもよいと思う。もう少し頑張ってみよう。」と言われた。
その後、繁忙期で団体客など増えたが、山田君は分からないことを誰にも聞かず、その結果失敗やミスを多発した。山田君は前のアルバイトの方がよかったという思いが日ごとに増している。
①山田君の和食レストランでの失敗の原因を述べよ。(3 0 0 字程度)
②山田君がこの状況を改善するために、和食レストランでできることについて、山田君の立場でどのようにすれば良いと思うかを述べよ。(4 0 0 字程度)
ケーススタディ論文では、
・現状を把握する力
・課題解決するための思考力
が問われています。
そのため、原因や解決法を示し、そのように考える理由を事実関係や問題を整理しながら伝えていくことが必要になります。
面接試験と同様に結論(考え方)を述べ、その理由を説明することで、読み手にわかりやすい論文にすることができます。