東京アカデミー立川教室
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皆さんこんにちは!東京アカデミー大宮校の公務員担当です。
今回のブログでは、民法(債権・家族法)の傾向と対策についてご紹介します。
出題頻度が高く、合格するためには手を抜けない分野です。民法を学ぶ上で重要となるので、出題率に関係なくしっかりと学ぶべきところです。
「債権の目的」・・・特定物債権・種類物債権・金銭債権それぞれにおける当事者の権利義務をしっかりと頭に入れなければなりません。種類物の特定(401条2項)は、他の論点の前提となることが多いため、特定の要件と効果を整理しておきましょう。
「債権の効力」・・・責任財産の保全(債権者代位権、詐害行為取消権)からの出題が多いです。債権者代位権、詐害行為取消権については、参考書に書いてあることを全部覚えるつもりで取り組みましょう。
「債務不履行」・・・地方上級の試験において、受領遅滞(413条)の法的性質に関する問題が出題されています。今後、国家一般職の試験でも出題の可能性があります。受領遅滞の要件と効果をまとめておきましょう。
「多数当事者の債権・債務」・・・連帯債務、保証、連帯保証を過去問中心に勉強するべきです。ここは消滅時効(457条1項等)や債権譲渡など他分野との関係も大きいです。苦手とする受験生も多いようですが、その分得意とすると他の受験生に差をつける大きな武器となります。
「債権の譲渡」・・・対抗要件(467条)と抗弁の承継・切断(468条)が頻出です。法人の債権譲渡については「債権譲渡登記ファイル」への登記が対抗要件となることも覚えておいた方がいいです。
「債権の消滅」・・・弁済と相殺だけで十分と思われます。受領権者としての外観を有する者への弁済(478条)、弁済による代位(なかでも499~501条)は出題されやすく、また相殺適状(505,508~511条)は自働債権と受働債権の区別を曖昧にせずに正確に覚える必要があります。
地方上級では契約と不法行為の出題頻度が高いですが、国家一般職では契約や請負・委任からも出題されるなど、比較的ばらつきがあります。そうとは言え出題可能性の著しく低いところは予想がつくので、ある程度ポイントは絞られます。交換、雇用、寄託、終身定期金、和解はおそらく出題されないため、売買と賃貸借を中心に学習し、続いて不法行為、契約の効力、契約の解除を学習するのが効率的です。
「売買」・・・条文中心で出題されます。売買の中で特に重要なのが、売主の契約不適合責任(562~572条)です。覚えることはたくさんあり最初のうちは頭が混乱するかもしれませんが、ここを覚えなければ得点に結びつかないので条文を何度も読み込み身に着けましょう。
「賃貸借」・・・条文のみならず判例からも出題が多いです。信頼関係破壊の法理に基づく解除権の制限、適法な転借人の地位、敷金などは頻出となります。また、借地借家法の規定も存続期間と対抗条件は最低限覚えるべきです。余裕があれば、更新・解約、建物買取請求、造作買取請求も押さえておけば安心です。
親族法・相続法はどうしても後回しになりがちですが、問題の難易度はさほど高くありません。さらに身近な問題を取り上げているため、具体的なイメージを比較的掴みやすくなります。
「婚姻」・・・まず婚姻の要件と効果をしっかり押さえておくこと。婚姻には形式的要件として戸籍法上の届出が、実質的要件として婚姻意思があることと婚姻障害が無いことが必要です。ここで、婚姻意思と離婚意思は異なるものと考えられていることに注意してください。また、婚姻障害とあわせ、婚姻の取消しも覚えておくこと。婚姻の効果として様々なものがあげられますが、試験対策上特に重要なのが夫婦財産制です。日常家事責務の連帯責任(761条)に関しては表見代理と関連する判例もあり、出題の可能性が高いです。また、再婚禁止機関と夫婦同姓に関する最高裁大法廷の判決は最重要です。離婚についても要件と効果をまとめておく必要があります。協議離婚と裁判離婚の違い、財産分与は重要です。財産分与は、債権総論の債権者代位権、詐害行為取消権での出題も十分に考えられます。
「親子」・・・ここでは制度を比較して覚えておきましょう。嫡出否認の訴えと親子関係不存在確認の訴え、婚姻準正と認知準正、普通養子と特別養子などです。今後出題が考えられるところとしては、後見、保佐、補助です。煩雑な規定が多くなっていますが、859条の3、876条の4、876条の9などは国家一般職、地方上級での出題が十分に考えられます。
「相続法」・・・相続人と相続の効力を組み合わせた出題が多い傾向にあります。この他、欠格、廃除、特別受益者の相続分、寄与分も重要です。遺産分割は、物権変動、詐害行為取消権、解除の問題として出される可能性が高いです。
以上が、民法(債権・家族法)の傾向と対策です。長くなってしまいましたが、民法は公務員専門試験において出題問題数が多い科目なので、ここで点数を取れるように頑張りましょう。
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