東京アカデミー金沢校
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受験生の皆さん、こんにちは!
看護師国家試験対策講師の山越菜美です。
9月に入り、夜には秋の虫の鳴く声が聞こえるようになりました👂♬🦗
昼間はまだまだ暑い日が続いているものの、季節は秋になったのだなあ、と感じます。
気温の変化が大きくなる季節は、免疫力の低下が起きやすいですので、皆さん気を付けていきましょうね。
先日、金沢校では通学部9月生が開講致しました!
6月生は解剖生理学・疾病の成り立ちと回復の促進・基礎看護学を徹底的に学んでいきましたが、9月生からは各看護学を集中的に学んでいきます📚✨
スタートは、出題範囲の広い成人看護学からです。
成人看護学は幅広い知識が要求されますので、時間をかけて取り組む必要があります。
初日は受講生の皆さんに、成人看護学の問題に取り組んで頂きましたが、中でも誤答の多かった問題について、今日はお話しさせて頂きたいと思います。
👇その問題はコチラです👇
肝機能検査で、胆汁うっ滞があるときに上昇するものを全て選べ。
という問題です。
皆さん、いかがですか?
解答は3.4.5番です。
「なんとなく、肝機能障害ではAST・ALTが上昇するはず…」という知識だと間違えてしまいますね💦
肝機能障害を知るためには大きく分けると、
①肝細胞壊死を反映するデータ
②肝細胞の合成機能障害を反映するデータ
③胆汁うっ滞を反映するデータ
に分かれます。
ここを押さえておくと、理解がグッと深まりますよ👍✨
それでは、解説していきます💨
選択肢1. AST (GOT)
AST (GOT)は、肝細胞をはじめ、心臓、腎臓、骨格筋にも存在する酵素です。その細胞が壊れると、血中に細胞内酵素が流れ出て、血中に増加します。つまりASTは、①肝細胞壊死を反映するデータとして臨床では使われています。
胆汁うっ滞で上昇するものではありません。
選択肢2. アルブミン
アルブミンは肝臓で合成されるタンパク質です。肝機能が低下すると、アルブミンの合成ができなくなりますので低アルブミン血症(すなわち浮腫が生じやすい)となりますね。
つまりアルブミンは、②肝細胞の合成機能障害を反映するデータとして使っています。
胆汁うっ滞で上昇するものではありません。
選択肢3. γ―GTP
選択肢4. ALP (アルカリフォスファターゼ)
選択肢5. 直接ビリルビン
これらは本来、胆汁中に流出する物質です。しかし、胆汁うっ滞により、胆汁が肝臓に逆流し、血液中に胆汁が流入すると血中に上昇します。
上記の理由にて、胆汁うっ滞で上昇するものは3.4.5になります。
受講生の方は、「肝機能低下のデータだけ覚えていても、聞き方を変えた問題には対応できない💦と改めて思いました!」と言われていました。
本当にその通りで、良い気付きだと思います👍✨
皆さんはいかがでしょうか?
以前にもブログでお伝えさせて頂きましたが、過去問の勉強をする際には、正答だけを確認するのではなく、他の選択肢がなぜ違うのかを根拠を持って解答できることが重要です。
肝機能障害は、看護師国家試験では頻出の病態です。
似たような問題にもしっかり対応できるように、準備しておきましょう~😉✨