東京アカデミー神戸校
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みなさん、こんにちは。
東京アカデミー公務員担当です👧
2021年、所得水準などに照らして貧困の状態にある18歳未満の割合を示す子どもの相対的貧困率は11.5%となりました。
中でも、ひとり親世帯でみると44.5%と半数近くが困窮にあえぐ状況が続いています。
みなさんはこの現状を知っていましたか?
子どもの貧困の原因はなんなのか、解決策はあるのか…。
時事でも頻出するキーワードですので、この機会にしっかりと確認・理解しておきましょう。
まずは現状の理解度をチェック!以下の問題で正解だと思うものを1つ選んでください。
1 日本では衣食住もままならない、絶対的貧困状態が続いている。
2 子ども家庭庁は2024年4月に設置される。
3 ヤングケアラーとは、若者を介護する老人のことを指す。
4 貧困率の高い家庭の多くは、母子家庭である。
5 ヤングケアラーの中高生の認知度は8割以上ある。
解答はブログの最後に掲載しています。
現在日本では7人に1人の子どもが貧困状態にあるとされています。
日本の貧困状態は、相対的貧困と呼ばれ、同じ国・地域の水準の中で比較して、大多数よりも貧しい状態にあります。
衣食住に事欠く「絶対的貧困」とは異なりますが、地域や社会から孤立し様々な面で不利な状況に置かれてしまう傾向にあります。
平成28年の調査ではひとり親世帯約142万世帯のうち、約123万世帯が母子家庭であることからも、貧困率が高くなると推察されています。
こども家庭庁では、関係省庁と連携しながら、子どもの貧困の解消に向けた総合的な取組を行っていくとしています。
子どもの貧困の解消に向けて社会全体で取り組むため、支援したい人や企業と子どもたちを支えているNPO等の団体を結び付け、国や自治体が行う施策を推進させる「こどもの未来応援国民運動」を推進していきます。
こども家庭庁…2023年4月に設置された、乳幼児から18歳未満の子どもを支援することを目的とする機関。
では、なぜ子どもの貧困が起こるのでしょうか?主に家庭の経済環境が良くないこと、教育格差などが挙げられますが、その要因の一つに、ヤングケアラーがあります。
ヤングケアラーは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことを指します。
責任や負担の重さにより、学業や友人関係などに影響が出てしまうことがあります。
ヤングケアラーのいる家庭では、ひとり親家庭が約半数、きょうだいのいる家庭が9割を超える状況です。
ひとり親世帯の貧困率が高いことから、ヤングケアラーのいる家庭は経済面でも問題を抱えているとされています。
政府は2022年度から3年間をヤングケアラーへの支援を強化する「集中取組期間」と定めています。
ヤングケアラー支援の取り組みとして以下のことが行われています。
・スクールソーシャルワーカーの配置
スクールソーシャルワーカーとは、地域の支援機関に行くなど様々な方向から橋渡しをする社会福祉の専門家のことで、学校外での支援方法を提案します。
・社会的認知度の向上
中高生を対象にした実態調査では、8割以上がヤングケアラーという言葉を知りませんでした。そのため、中高生の認知度5割を目指し、イベント等を行います。
・適切な福祉サービスの運用
家族全体やヤングケアラーの状況を考慮した適切な福祉サービスを提供・運用することを目指します。
・相互ネットワーク形成推進事業にかかる支援金創出
ヤングケアラー同士のネットワーク形成を目的として、民間団体が全国規模のイベントやシンポジウムを開催するための事業に支援金を創出しています。
子どもの貧困やヤングケアラーの実態について、理解は深まりましたか?
少しでも知ることが支援に繋がっていきます。
時事問題としてだけではなく、私たちの問題としても知っていきましょう!
問題の解答・解説
1 ×。日本では同じ国・地域の水準の中で比較して、大多数よりも貧しい状態にある相対的貧困状態にあります。
2 ×。2023年4月に設置されました。
3 ×。ヤングケアラーとは、老人だけでなくきょうだいや親の看護・介護を行う若者のことを指します。
4 〇。母子家庭では、ふたり親世帯や父子家庭と比べ収入が低いことなどもあり、貧困率も高くなる傾向にあります。
5 ×。ヤングケアラーについて、中高生の8割以上が認知していません。