東京アカデミー横浜校
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昨日1月21日(日)都立看護専門学校(全7校)の一般入試を受験されたみなさん、お疲れさまでした! 解答速報はすでに昨日アップしましたので、今日は各教科の問題について、簡単な講評と設問ごとのポイントをあげておきますね。
<国語総合>
近年は大問1=論説的文章 大問2=小説 大問3=論説的文章という組合せが定着していますね。(今回の大問2の問題文は手紙文のかたちをとっていますが、ジャンルとしてはやはり小説です。)難易度的にはだいたい例年通りです。
都立看護の国語の問題は、読解系の設問の他に、国語知識系の設問もけっこう多いのが特徴。「漢字」は一昨年、1問に減らされましたが、昨年からは例年通りの2問に戻っています。[問14]の「二字熟語の構成」も3年連続での出題です。(実はこれ、2000年代~2010年代前半にかけても毎年必ず出ていた都立ならではのパターン。)[問11]も漢字がらみの知識問題ですが、これまでにない新傾向問題です。また、昨年、久しぶりに出題された口語文法の問題は、今回も引き続き出題されました([問19])。今後は「必ず出る」前提で対策したほうがよいですね。
~設問ごとのポイント~
[問1]「風土」という言葉を定義し、さらに「風」と「土」を別々に説明するという順序が自然だからⅣ→Ⅱ。また、Ⅲの説明を受けて「こうした相互に定義し合う関係性」や空欄直後の「こうした自然と人間の関係性」という言い方がされているのだろうから、Ⅳ→Ⅱ→Ⅲ→Ⅰと並んでいるはず。
[問2]3つの漢字は 伴 易 充
[問5]範疇(カテゴリー)は「同じ性質のものが含まれる範囲、分類」のような意味です。
[問7]最後から2つめの段落にそう述べられています。
[問10]「我田引水(がでんいんすい)」は自分の田んぼだけに水を引き入れる→わがまま、自己中心的な言動のこと。
[問11]「称号」と「敬称」の「称」は、どちらも「名づけ」「呼び名」のような意味で共通しています。一方、「称賛」「称揚」の「称」は「ほめる」という意味ですから違います。
[問14]「酸味」は「すっぱい→味」ととらえることができるので、上の字が下の字を修飾する構造。同じなのは「漆の→黒(黒色)」と読める「漆黒」です。ちなみに、「余裕」は上下が同じような意味の字の組み合わせ。「日照」は主語+動詞(日が照る)、「納涼」は動詞+目的語(涼しさを取り入れる)、「任免」は反対語の組み合わせです。
[問15]A=さらに B=たしかに はすんなり入ります。残るCで「決して」は強すぎます。「ほとんど」が適切でしょう。
[問16]3つの漢字は 微 板 振
[問18]本文3つの段落の内容を受けての結論になっているはず。
[問19]「無限に」は形容動詞「無限だ」の連用形。同じく「健やかに」も形容動詞「健やかだ」の連用形。「に」の識別問題はよくあるパターンの一つなので、ぜひ確認しておきましょう。
<コミュニケーション英語Ⅰ>
昨年と同じく、まず大問1で5つの短い対話文問題が出され、その後に論説文読解→対話文→メールの問題 と並んでいます。大問4「メールの問題」は昨年から始まった新傾向の出題。
■大問1:例年通りの対話文5問。昨年からは「決まり文句」的なやりとりではなく、文脈を読み取って判断させるタイプの問題になっています。空欄の直前直後をきちんと読めば、とくに難しくありません。
■大問2~4:今回は昨年ほど難易度の差がなく、どれも比較的とっつきやすい内容でしたね。総じて、「熟語」など単に知識に関わる設問のウェイトが下がり、文脈から判断させる設問・内容の理解を問う設問が増えています。その点では大問1と同様の傾向変化が見て取れます。
~設問ごとのポイント~
[問1]空欄直後のAの発言「なぜこの図書館はあなたにとって特別なの?」が手掛かり。
[問2]Bの最後の発言中の「私はSFが一番好き」が手掛かり。
[問3]空欄直後にBがCertainly.(もちろんいいですよ)と返しているのに注意。
[問4]空欄直後のAの発言内容から。
[問5]Why don’t we~? やWhy don’t you~?は「~しませんか/~したらどうですか」と提案・勧誘する決まった言い方。
[問6]「このことは一般的には当てはまるが~~」に続く内容だから、「(個々の)アメリカ人の間には違いがある」みたいなことが述べられているはず。
[問7]文脈からも「話すことがなくても」といった内容のはず。
[問8]C-たとえば E=加えて、さらに Fのところからは even though SV(たとえ~としても)という従属節ができています。
[問9]下線部の後に述べられた内容を参照のこと。
[問10]③の内容は第2段落最後にはっきり述べられています。
[問11]直前のRpbertの発言より。
[問12]状況から「何が起きているのか理解できない」といった発言がされているはず。
[問13]「あなたのチケットをもう一度(again)見せてほしい」と言いたいはず。
[問14]「発車するまでには(まだ)十分時間がある」と言っているはず。
[問15]Have a nice journey.(すてきな旅行を/いってらっしゃい)といった決まり文句を知っていれば簡単ですが…。
[問16]would like O to~/would love O to~で「 O[人]に~してほしい」ですが、to不定詞の直前に意味上の主語を示すときにはfor人という形が使われるので would love for人 to~という言い方も可能なのです。正しい並び順は I’d love for you to join us.(あなたに私と一緒に参加してほしい)になります。
[問17]EmilyのメールにはI’m available on Sundays.とあるのに注意。2人が参加するとすれば日曜日に行われている2つめの広告の講座ですね。(1つめの広告の講座は平日実施なので。)
[問18]「翻訳」(Translating)については、2つの広告のどちらにも言及されていません。
[問19]Davidのメール本文5行目にusing the latest AI technologiesとあります。
[問20]Takeshiのメールには「imageとvideo のコース」とあります。それぞれ90分だから、2つのコースに参加すれば合計3時間です。
<数学Ⅰ>
2016(平成 28)年度以降、「数と式」5問→「2次関数」5~6問→「図形と計量」5~6問→「集合と論理」2問→「データの分析」2問という並び、組合せが定着していましたが、今回はこれまでとは並び順や単元別の出題数が変わり、「数と式」6問→「集合と論理」3問→「2次関数」4問→「図形と計量」5問→「データの分析」2問 となっています。(「集合と論理」が前に移されました。)
出題のレベルは昨年同様、易しいですね。公式や決まった解法にあてはめるだけですんなり答が出る問題がほとんどで、計算がめんどうなものも少ない。平均点は高めだったと思われます。
ただ、難しくないとはいっても、「うっかりミス」「勘違い」を誘うような出題も少なくありません。ミスを最小限にとどめることが大事でしょう。
~設問ごとのポイント~
[問3]循環小数の問題はときどき出てきますね。解き方は決まっており、簡単ですから必ずマスターしておく必要があります。
[問7]この手の問題はベン図に直接書き込んでしまえばいいですね。
[問8]「すべての実数が~~」の否定は「~~ではない実数がある」なので注意!「すべての実数が~~ではない」にはなりません。
[問9]p→qが成り立つとき、pが十分条件、qが必要条件です。したがって、「pがqであるための必要条件」なら、pのほうが必要条件なので、q→pになります。うっかり逆向きに考えてしまわないように!
[問10]グラフの方程式を平方完成すると、頂点のx座標は-b/2a=1。上に凸のグラフでa<0だからb>0であるはず。また、x=-1のとき、y座標は明らかに正になっていますから、f(-1)=a―b+c>0
[問11]平方完成すれば、x=3のとき最小値が-8になることがすぐわかります。あとは。題意より、x=aのとき最大値が8になるはずですから…
[問12]f(1)<0 であればよいですね。
[問13]x=2は解にならないのに注意して!
[問14]sinθcosθ=-5/18 と、sinθcosθがマイナスになることに注意! 0°<θ<180°ならsinθは必ずプラスになるので、cosθはマイナスのはず。つまり、sinθ-cosθの値も必ずプラスになることを見落とさない!
[問15]y軸となす角度はそれぞれ45°、30°だから、合わせて75°になります。
[問18]△ABCと△ADCは相似だから、BC:AB=AC:DC つまり、2:x=x:2-x が成り立ちます。
[問20]「分散」を求める問題ですよ。「標準偏差」を求める問題だと勘違いしないで!