東京アカデミー京都校
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公務員試験対策の予備校 東京アカデミーです👧
今回は「災害」をテーマに論文試験、集団討論対策を取り上げていきたいと思います。
令和6年1月1日に発生した能登半島地震に加え、今後30年以内に南海トラフを震源とする大規模な地震が高い確率で発生すると予測されており、災害対策の拡充を図ることが今後ますます急務となっています。
令和5年度防災白書の防災体制・災害発生時の対応の中で、「防災におけるデジタル技術の活用」を取り上げていきたいと思います。デジタル技術の活用としては、下記3点が挙げられます。
❶ 災害時の情報の集約化 ❷ 被災者支援システムの構築 ❸ デジタル・防災技術ワーキンググループでの提言を踏まえた対応
公務員試験への出題が予想されるものとして、「❶ 災害時の情報の集約化」を取り上げていきます。
災害発生時には、国・地方公共団体、民間企業の各機関がそれぞれ収集している、被害状況や避難者の動向、物資の状況などの情報を共有することが重要になります。
令和元年度から、ISUT(アイサット)(Information Support Team)という大規模災害時に被災情報や避難所などの情報を集約・地図化・提供して、地方公共団体等の災害対応を支援する現地派遣チームの運用を開始しました。災害現場では、被害状況や災害廃棄物の情報等、時々刻々と変化し、事前にデータで共有する体制が整えられないもの(動的な情報)も存在します。ISUTがそのような情報を収集・整理・地図化し、電子地図を表示するためのサイトである、ISUTサイトにおいて体系的に整理するとともに、関係機関(行政機関、指定公共機関等)へ共有することで、災害対応機関の迅速かつ的確な意思決定を支援することができます。
公務員試験では、筆記試験で稀に出題されますが、論作文や集団討論の課題となることが圧倒的に多いです。
災害対策として「被災者支援体制の充実」「情報発信の多言語化」「防災におけるデジタル技術の活用」などに関して、各自治体の取り組みを理解し、自身の考えをまとめておく必要があります。
★最新の集団討論・論作文のテーマをチェック
◯東京都(2023年)集団討論試験
東京都では、東京が直面する風水害、地震等の危機及び複合災害に対し、強靭で持続可能な都市の実現を目指す「TOKYO 強靭化プロジェクト」を推進している。あなた達は、大地震があっても「倒れない・燃えない・助かる」まちづくりを検討するプロジェクトチームの一員となった。首都直下地震等から都民の命と暮らしを守るために、どのような取組を行うべきか。チーム内で議論せよ。
〇名古屋市(2023年)論作文試験
南海トラフを震源とする大規模な地震の発生確率が、今後30年間で70から80%と切迫度を増しています。また、近年では全国的に豪雨の発生回数が増加しており、洪水や高潮による浸水被害も懸念されています。そこで、本市がより一層自然災害に強いまちになっていくための備えとして、どういった施策に取り組むべきか。あなたの考える「自然災害に強いまち」を述べ、本市の現状と課題について論じたうえで、それを解決するための施策を具体的に述べてください。
※関西の主要な自治体における「災害」に関する出題としては、以下の通り論文試験で出題されました。
(2021年)堺市(消防)
(2019年)大阪市(行政)、大阪市(消防)、兵庫県(行政)
(2018年)堺市(行政)、神戸市(行政)
2018年、2019年に出題が見られるのは、2018年6月18日の大阪府北部地震、2018年7月の西日本豪雨の影響もあると考えられますが、ここ数年あまり出題がないことから、関西エリアでもそろそろ出題の可能性があります。
○埼玉県上里町
【オートコールソリューション等を活用した災害発生時の避難誘導】
高齢者世帯やスマートフォンなどを持たない住民に対しても必要な情報を即時に届けるなど、デジタルデバイド対策を意識した災害発生時における住民向け情報発信と避難所運営等の災害対策業務における職員間の情報伝達の効率化を目的とし、予め登録した固定電話に音声ガイダンスによる案内を一斉架電する「オートコールソリューション」、避難者が避難所に到着したことを検知する「省電力IoTセンサーと地図情報」、「ビジネスチャット」などを活用した、発災時における避難誘導等を実施した。
防災DXとは、いつ発生するか分からない大規模災害に対し、デジタル技術を駆使したあらゆる備えにより人命を守る取り組みを指します。防災分野におけるDXは、2023年6月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」において、デジタル化の推進による拡充・強化が掲げられています。防災DXの課題としては、以下の項目が挙げられます。
・SNSやGIS(地理情報システム)を活用し、住民と自治体間で情報共有するための新しい情報伝達手段を構築する。
・AIチャットボットなどを活用し、人員不足による業務負担軽減に効率的な事務処理を導入する。
・避難所でのQRコード読み取りなどIT技術を活用することで、住民の避難状況を迅速に把握し、行方不明者や救助対象者を特定する。
被害を最小限に抑え、非常時の混乱を少なくするためには、防災DXの推進はどの自治体にとっても欠かせないものとなります。防災DXのメリットを踏まえ、防災DXがなぜ必要とされるのかを具体的に述べてください。
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