東京アカデミー高松校
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こんにちは、教員採用試験対策の予備校、東京アカデミー高松校の教員採用試験対策担当の石井です。
今回は、高松・岡山・松山3校合同で行った第2回HRでのテーマ『場面指導』について、まとめていきます。
場面指導は、学校の中で起こり得る状況を想定し、どのように対応するかを問い、教師としての実践力を評価をする試験です。その実践力を高めるために、欠かすことのできない要因が4つあることをまずは押さえておきましょう。
実践的な指導力が向上しやすい人がもつ4つの要因
1.教育に対する情熱と使命感
2.チーム学校の一員としての責任感、協調性
3.思いやりの心、豊かな人間性
4.児童生徒の良さや可能性を引き出す力
このような資質を日ごろから磨き伸ばす努力をすることが、試験だけでなく、今後の教師生活にも十分役立つことを理解しておきましょう。
場面指導は次のように、大きく3つの形式に分かれています。
特に、相手がいるかいないかによって事前の準備が変わってきますので、希望する自治体の正確な情報をキャッチして対策を進めることが大切です。
児童生徒は学校の中、授業、休み時間、登下校、地域、家庭と様々な状況の中で活動しています。その状況の中で教師は児童生徒と関わる際、人間性、専門性、判断力などを最大限活用し、教育のプロとして指導を行います。場面指導は、まさに教師としての適応力や力量を問われる、実践的な試験であることを強く意識しておきましょう。
口頭試問型の場面指導は、ロールプレイで実践的に行う指導をまとめて説明することになります。ロールプレイを何度も行うことにより、そこで得たコツを説明しやすくなりますので、ペアもしくは複数人のグループで実際に指導を行うことを対策方法としておススメします。その際、「設定される場面は単なる現象⇒要因に迫る指導を行う」、「カウンセリングの基本的な技法と技術を活用する」という2点が重要ポイントとなります。
〇設定される場面は単なる現象⇒要因に迫る指導を行う
例えば、授業中におしゃべりが止まらない児童生徒への指導について、「おしゃべりは止めましょう、周りに迷惑ですよ」という注意を行うのは良いですが、そこで終わってしまうと要因に迫る指導となってはいません。なぜ授業が始まっているのにおしゃべりをやめないのか?その理由や原因を聞き出したり、考えたり、またその原因の解消に向けた働きかけや改善を促す指導を行うことが面接官にとって一番見たい姿であることを理解しておきましょう。どこから勉強するのかわかっていないのかな?集中できない事情があるのかな?授業がつまらないのかな?早いのかな?難しいのかな?逆に簡単すぎるのかな?、など様々な視点から情報収集し、分析、判断しながら氷山の一角への指導に止まらない、深く要因に迫っていく指導を心掛けましょう。
〇カウンセリングの基本的な技法と技術を活用する
例)(株)心理オフィスK HPを参照
このようなカウンセリングの手法を使い、ロールプレイを行うことで現実性、再現性の高さをアピールすることができます。実際に教育の現場でもこのような対応を心掛けていれば、児童生徒から慕われ、重要な相談を受けるようになります。
場面指導で設定される場面は、生徒指導提要(改訂版 令和4年12月)にある「生徒指導の重層的支援構造」(上図)に当てはめると、即応的、継続的、リアクティブな場面がほとんどであることが分かります。そして、そのような状態への対応は、生徒指導主事等との協力による機動的連携支援型チーム、問題によっては、教育相談コーディネーター、養護教諭、SC、SSW等との協働による校内連携型支援チーム、校外の専門家を有する関係機関と連携・協働したネットワーク型支援チームを編成し、行うこととなります。つまり、「連携・協働」という要素を場面指導の中に入れることは、とても重要なポイントになるといえます。
受験生の方の中に、その場で指導を完結させ、問題が解決できたかのように見せる、あるいは問題を解決しなければならない、と考えている人が少なからず見受けられます。今も昔も学校教育課題は多様で複雑で、思わぬつながりがあったり、急な展開があったりします。そのような課題に対して、試験時間にすると2~3分といった指導では、まず、根本にある原因や問題を解決することは不可能といえます。展開を無理に解決に持っていこうとせず、じっくり取り組む心構えをもっておきましょう。これは場面指導に限りません。リアルな生徒指導において大切なことは、その場に止まらない、継続的な関わりやこれからもサポートを続けるといった粘り強さを持つことであると心にとどめておきましょう。
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2024年夏