東京アカデミー仙台校
ブログ
皆さん、こんにちは。
東京アカデミー仙台校 高卒・短大卒業程度公務員担当の髙山です。🏔
今回は近年ニュースやSNSでよく見る高齢ドライバーの交通事故の現状について紹介していきます。
警視庁の統計資料によると、令和4年の事故全体に占める高齢運転者の事故割合は15.2%でした。また、高齢者は他の年齢層よりも事故を起こすリスクが高いことが統計数値からも示され、高齢ドライバーに対する安全対策が求められています。
高齢化率の上昇に伴い、高齢ドライバー数は近年著しく増加し、令和1年時点で75歳以上の高齢者の約583万人が免許を保有しています。
☑予防老年研究センターの調査では、高齢者の63%が運転を実施しており、約半数以上が毎日運転しているという結果も出ています。
高齢者が自動車運転を継続する理由は様々ありますが、主に以下のことがあげられます。
・買い物や通院に必要
大都市以外では年々交通機関の減少がみられています。また、そもそも公共交通機関が全くない地域も多数存在します。そのため、自家用車を運転して買い物などに行かなければ生活がままならない高齢者が多数存在しています。
・運転を生きがいに感じ、楽しむため
自家用車を運転する行為自体に楽しみや生きがいを感じている方も中にはいます。
長年運転をしてきたドライバーは、自身の運転のスキルに自信があり、経験の蓄積により危険の予測が可能で、加齢が引き起こすパフォーマンスの低下をある程度カバーできると思い込み、主張することもあります。
●近年の高齢ドライバーによる事故等を踏まえ、警察では自動車の運転に不安を有する高齢者等が運転免許の自主返納をしやすい環境の整備を行っています。
運転免許を返納した方は、「運転経歴証明書」を申請でき、それを提示することで各都道府県(市町村)で様々な特典を受けることができます。例えば、コミュニティバスの運賃半額、温泉施設入浴料半額などです。決して免許返納により人生の豊かさを失うわけではなく、このようなサポート面の充実も図られています。
●安全運転サポート車(サポカー)という、自動ブレーキ付きの車に乗り換えるもの対策の一つです。障害物を検知して自動ブレーキが作動し、アクセルとブレーキの踏み間違いの事故等の防止に繋げます。
大都市以外で交通機関が減少する中で、多くの高齢者の方が不便に感じることのないように新しい移動手段が具現化され始めています。その一部を紹介します。
・コミュニティバス
公共交通機関を利用できない高齢者や障がい者等の移動手段の確保や交通空白地帯の解消のために、主に自治体が運航するバス。
・乗合タクシー
一般的なタクシーと違い、不特定多数の乗客を輸送します。そのためバスより小型の車両が利用されています。
・ライドシェア
バスやタクシーのみでは利便性が不十分、また公共交通機関が全く存在しない地域で、市町村やNPO法人などが自家用車を使用し、有償で旅客を運ぶサービスです。地域住民や観光客などの移動の利便性を高めるために行われる、日本では「相乗りマッチングサービス」とも呼ばれています。
・デマンドタクシー
タクシーを利用したい人が予め希望の時間、乗車場所を伝えて利用するもので、市町村などが補助金を出しタクシー会社が運営している形が多いです。そのため、市町村に住民登録をしていることが利用条件になっている場合があります。
高齢ドライバーによる事故が多くなっている現在、最後は自分で運転するかどうかを判断する必要があるものの、様々な対策がなされていることを知っておくとよいでしょう。