東京アカデミー北九州教室
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皆さんこんにちは。東京アカデミー北九州教室です。
これまでのブログで「必修問題」「一般問題」についてお伝えしてきました。
今回は状況設定問題についてお話しようと思います。
看護師国家試験の状況設定問題は長い設定文を読み、その状況下に置かれた患者に適した答えを考える問題となっています。これは状況判断や実践能力を問うことを目的としています。
全240問中60問出題され、必修問題や一般問題と異なり、1問2点の120点満点と配点が高くなっています。
第113回試験では第112回試験と同様、全て一つの状況設定に対して3問(三連問)での出題となりました。そして、変形性膝関節症やうつ病などの頻出疾患の出題が多くみられました。また、血液検査やバイタルサインなどのデータを読み取る必要がある問題は4問出題されています。
それでは第113回試験で実際に出題された状況設定問題をご紹介します。
※取り上げた本試験問題は、実際に本試験で出題された問題とは、英語表記がないなど若干相違があります。
午前100~102
次の文を読み100 ~ 102の問いに答えよ。
Aさん(70歳、女性)は夫(68歳)と2人で暮らしている。BMI 26で左股関節の変形性関節症のため関節可動域の制限と疼痛があり、外出時はT字杖を使用している。症状が強いときに消炎鎮痛薬を服用しているが、日常生活動作は自立している。Aさんは過去に転倒したことはないが、左右の下肢の差が3cmあり、立ち上がるときにふらつくことがある。自宅で座って過ごす時間が長い。Aさんは定期受診のため夫に付き添われて外来を受診した。
午前100 Aさんの症状の悪化を予防するための説明で適切なのはどれか。
1 .運動はしない。
2 .減塩食をとる。
3 .体重を減らす。
4 .家事は夫に任せる。
正答 3(正答率87.8%)
午前101 外来で、診察終了後にAさんから「少し話がある」と言われた女性のB看護師は、空いている診察室で面談した。Aさんから「男性の医師には聞けなかったのですが、性交はやめておいた方がよいでしょうか。股関節の痛みが強くなることはないのですが、夫も心配していました」と相談があった。
このときのB看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。
1 .「同年代の変形性関節症の方に聞いてみてはいかがですか」
2 .「股関節に負担がない体位について説明します」
3 .「性交時は潤滑剤を使いましょう」
4 .「性交は避けた方がよいでしょう」
正答 2(正答率90.3%)
午前102 B看護師は、Aさんが処置室前の待合室でT字杖を持ち、椅子から立ち上がろうとしているのを見かけた。B看護師が声をかけると、Aさんは「夫が会計をしていますが、急にトイレに行きたくなって」と慌てていた。夫はAさんから2mほど離れた所で会計をしているため、Aさんの様子に気がついていない。待合室は患者や家族で混雑しており、外来にある車椅子は別の患者が使用中だった。
AさんへのB看護師の声かけで適切なのはどれか。
1 .「車椅子を探してきます」
2 .「ご主人をお呼びしましょう」
3 .「トイレまで一緒に行きましょう」
4 .「転ばないように気を付けて行ってくださいね」
正答 3(正答率96.3&)
午後109~111
Aさん(65歳、男性)は、妻と自営業を営んでおり、2人で暮らしている。2か月前に仕事で大きな失敗をし、謝罪と対応に追われ、あまり夜に眠れなくなり、食欲不振が続いている。1か月前から気分が落ち込み、仕事で妻から間違いを指摘されたことで自信をなくしていた。Aさんは死んでしまいたいと思い、夜に自宅でロープを使って自殺を図ろうとしたところを妻に見つけられた。妻に付き添われ、精神科病院を受診し、うつ病と診断された。受診当日に入院し、抗うつ薬の内服が開始された。Aさんは「生きていても仕方がない。どうせ誰も分かってくれない」と看護師に話した。
午後109 このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
1 .「生きていれば良いことがありますよ」
2 .「薬を飲むと数日で効いて楽になります」
3 .「悲しいことが続くときは誰にでもあります」
4 .「Aさんがつらい状況にあることを私は心配しています」
正答 4(正答率97.1%)
午後110 Aさんはその後しばらく会話をしたり、食事も少し食べられたりしていたが、入院3日から、臥床したままで1日中全く動かず、昏迷状態になった。検査の結果、軽度の脱水以外の異常はなかった。治療として修正型電気けいれん療法が開始されることになり、実施後20分でAさんは覚醒し、その後の観察中にけいれん発作は認めなかった。実施後30 分、Aさんは突然起き上がり興奮し、大きな声で「仕事に行く」と言って病室から出ていこうとした。看護師が制止し、一緒に座って話を聞いたところ、見当識障害、記憶障害、注意障害が認められた。
Aさんの状態で正しいのはどれか。
1 .せん妄
2 .躁状態
3 .不安発作
4 .前向性健忘
正答 1(正答率72.6%)
午後111 入院1か月が経過し、Aさんは夜間の睡眠がとれるようになり、食事は全量摂取している。妻から間違いを指摘されたことを思い出し、「何をやってもきっと失敗するだけだ。今度はもっと大きな失敗をして仕事を辞めることになる。だから自分はだめな人間だ。努力しても意味がない」と看護師に言った。
Aさんへの治療法で最も適切なのはどれか。
1 .森田療法
2 .集団精神療法
3 .認知行動療法
4 .社会生活技能訓練〈SST 〉
正答 3(正答率90.8%)
設定文だけでなく、各設問の問題文も長いものが多いことが感じられたかと思います。
問題文を読むときは、状態や数値の下に線を引くなどして読み進めていきましょう。慣れが必要となります。本試験問題や模擬試験などで訓練していきましょう。
今回ご紹介した問題以外については、東京アカデミーHPの「看護師国家試験 過去問と解答」にて確認することができます。7年分の過去問題(第107回試験から第113回試験まで!!)に挑戦することができるページとなっています。過去問題を上手に活用してくださいね。
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