東京アカデミー大阪校
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今回のブログは、先週7/16(火)のブログの続きです。先にご覧いただくことをオススメします。
教育時事問題を解いていく上で、知っておきたい教育データについてですが、近年の教員採用試験を見てみると、頻出内容は大きく以下の2つに分けることができます。
一つ目は文部科学省が毎年公表している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2004(平成16)年度分までは「生徒指導上の諸問題の現状調査」・2017(平成29)年度までは「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」)に示される統計群。
二つ目は国際的なものを含めた学力調査の動向です。
それでは、それらのデータはどのようなポイントを意識して、把握していけばよいのでしょうか。
これらを大きく分けると以下の7項目となります。
①暴力行為の発生件数(国・公・私立の小・中・高等学校)
②いじめの認知件数(国・公・私立の小・中・高等学校及び特別支援学校)
③出席停止の措置がとられた件数(公立の小・中学校)
④不登校児童生徒数(国・公・私立の小・中・高等学校)
⑤高等学校中途退学者数(国・公・私立の高等学校)
⑥学校から報告があった児童生徒の自殺者数(国・公・私立の小・中・高等学校)
⑦教育相談の状況(都道府県・政令指定都市・市町村教育委員会)
なかでも学校現場でその対応が問題となっている不登校、いじめ、性行不良による出席停止、暴力行為、自殺については、近年の状況を数値的に把握しておく必要があります。
小・中学校の不登校については、調査開始以来2001(平成13)年度まで増加し続け、その後、11万人から13万人程度の水準で増減を繰り返してきましたが、2017(平成29)年度から急激な上昇傾向に入り、2022(令和4)年度では29万人を超えていること、などを特徴として指摘できます。
いじめについては、定義や調査方法の見直しが数回行われたため、増減の傾向を指摘することは難しいですが、認知件数は、2013(平成25)年度以降増加し、、2020(令和2)年度にいったん減少に転じましたが、2021(令和3)年度以降は増加に転じ、60万件を超えています。
暴力行為については、2014(平成26)年度以降増加し、2020(令和2)年度にいったん減少したが、2021(令和3)年度以降増加しています。
文部科学省が2007(平成19)年度から毎年実施している「全国学力・学習状況調査」の結果と、OECD(経済協力開発機構)が3年ごとに実施している「生徒の学習到達度調査(PISA)」の結果、IEA(国際教育到達度評価学会)が4 年ごとに実施している「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の結果やそこから類推できる内容からの出題が予想されます。
これらの出題のポイントは、
①学力がどのような状況にあるのか
②学習習慣や学習意欲がどのような状況にあるのか
という2点に収斂されます。
①については「全国学力・学習状況調査」ではどの領域に課題があるのか、PISAとTIMSSでは、国際的にみて日本の児童生徒の学力はどの程度であるのか、またどの調査においても経年変化について確認しておきたいところ。
②については、「全国学力・学習状況調査」、PISA、TIMSSのいずれでも、若干改善はみられるものの、学習習慣と学習意欲が十分ではない結果が出ています。
今回取り上げた教育データに関する資料は、教養試験では頻出事項のため必ずチェックしておきましょう。
さて、先週に引き続き、今週も時事問題チャレンジ!
今年度 2025(令和7)年度の東京都の「全国学力・学習状況調査」に関する問題です。(正答はこのブログの一番下に掲載)
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