東京アカデミー青森校
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こんにちは。公務員試験対策予備校=東京アカデミーの佐井です。
2024年度の国家公務員試験より、基礎能力試験が以下のように大きく変更となりました。
国家公務員試験採用情報NAVI「2024年度の国家公務員採用試験における主な変更点について」には、以下のように変更になるとの記載がありました。
春の大卒程度試験において基礎能力試験の出題数を40題から30題に削減します。併せて、知識分野は時事問題を中心とし、普段から社会情勢等に関心を持っていれば対応できるような内容とします。
では、実際の出題内訳はどうだったのでしょうか。
科目 | 内容 |
2023年度 |
2024年度 |
増減 |
文章理解
|
内容合致 |
4問 |
4問 |
変化なし |
文章整序 |
1問 |
1問 |
変化なし |
|
空欄補充 |
1問 |
1問 |
変化なし |
|
文章理解
|
内容合致 |
3問 |
2問 |
▲1問 |
文章整序 |
1問 |
1問 |
変化なし |
|
空欄補充 |
1問 |
1問 |
変化なし |
|
判断推理 |
|
6問 |
6問 |
変化なし |
空間把握 |
|
2問 |
1問 |
▲1問 |
数的推理 |
|
5問 |
4問 |
▲1問 |
資料解釈 |
|
3問 |
3問 |
変化なし |
時事問題 |
|
3問 |
5問 |
+2問 |
情報 |
|
出題なし |
1問 |
+1問 |
社会科学 |
政治・経済 |
3問 |
出題なし |
▲3問 |
自然科学 |
物理・化学・ |
3問 |
出題なし |
▲3問 |
人文科学 |
日本史・ |
4問 |
出題なし |
▲4問 |
合計 |
|
40問 |
30問 |
▲10問 |
解答時間 |
|
2時間20分 |
1時間50分 |
▲30分 |
文章理解(英文)、空間把握、数的推理がそれぞれ1問減となりましたが、大きく変わったのが「知識問題」です。
特に時事問題がこれまでの3問から5問に増加し、いわゆる一般的な知識を問う「自然・人文・社会科学」からの出題がなくなりました。
国家公務員試験採用情報NAVIでは、時事問題の出題について、「普段から社会情勢等に関心を持っていれば対応できるような内容」としています。
では、本当に知識問題の学習はしなくてもよくなったのでしょうか。
2024年度の出題を一部紹介します。
「No.28 原子力をめぐる動きなどに関する記述として最も妥当なのはどれか。」の選択肢の4と5を見てみましょう。
4.1945 年、米国やソ連などの連合国と戦っていた我が国は、広島と長崎に原子爆弾を投下され、さらに、英国から宣戦されたため、ポツダム宣言を受諾した。その後、2023 年、バイデン大統領は、現職の米国大統領として初めて長崎の原爆資料館を訪れ、原爆死没者慰霊碑への献花を行った。(×)
前半部分は日本史で、後半部分が時事問題となっています。
英国は原爆投下前に宣戦しています。原爆投下後の宣戦布告はソ連となります。
また、バイデン大統領は2022年5月に広島の原爆資料館を訪問しましたが、長崎には訪問していません。
5.国際原子力機関(IAEA)によるレビューを受けた上で、2023 年、福島第一原子力発電所に貯蔵されているトリチウムを含んだ ALPS 処理水の海洋放出が開始された。陽子の数が同じで中性子の数が異なる原子のことを同位体(アイソトープ)といい、トリチウムは水素の同位体の一つである。(〇)
前半部分は時事問題で、後半部分は化学となっています。
原子の構造の中の同位体について聞かれており、化学の知識も必要となります。
上記の他にもNo.25の「気象・災害」の問題には地学の知識、No.26の「労働をめぐる動向」の問題には政治の知識など、時事問題と組み合わせて自然・社会・人文科学の基本的な知識も問われています。
よって、国家公務員試験受験であっても、基本的な知識習得は必要です。
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