東京アカデミー難波教室
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こんにちは、東京アカデミー大阪校です。
本日は、試験で頻出の学習到達度調査(以下PISA)についてです。
まずは、おおまかにPISAとは何かを確認したうえで、最新の結果をみていきましょう。
まず、PISAとはProgramme for International Student Assessmentの略称であり、参加国が共同して国際的に開発した学習到達度問題を、義務教育修了段階の15歳の生徒(日本では高校1年生)を対象としてOECD(経済協力開発機構)が行う調査のことを指します。
具体的には、その生徒が持っている知識や技能を、実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを測ることを目的としています。2000(平成12)年に最初の本調査が行われ、以後3年ごとに実施することになっています。
調査内容は、数学的リテラシー、科学的リテラシー、読解力(読解リテラシー)を
主要3分野とし、各回で3分野のうちの1分野を順番に中心分野として重点的に調査します。実際、2000(平成12)年調査・2009(平成21)年調査・2018(平成30)年調査は読解力、2003(平成15)年調査・2012(平成24)年調査、2022(令和4)年調査は数学的リテラシー、2006(平成18)年調査・2015(平成27)年調査は科学的リテラシーを中心分野としています。各分野の定義は次の通りとなります。
数学的リテラシーとは、数学的に推論し、現実世界の様々な文脈の中で問題を解決するために数学を定式化し、活用し、解釈する個人の能力のことであり、それは、事象を記述、説明、予測するために数学的な概念、手順、事実、ツールを使うことを含みます。この能力は、現実世界において数学が果たす役割に精通し、建設的で積極的かつ思慮深い21世紀の市民に求められる十分な根拠に基づく判断や意思決定をしたりする助けとなるものといえるでしょう。
科学的リテラシーとは、思慮深い市民として、科学的な考えを持ち、科学に関連する諸問題に関与する能力を指します。具体的には科学的能力(コンピテンシー)として、①現象を科学的に説明する、②科学的探究を評価して計画する、③データと証拠を科学的に解釈する、という点を測定する。
読解力とは、自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むことです。具体的には、①情報を探し出す、②理解する、③評価し、熟考する、という点を測定する。なお、2018(平成30)年調査から、コンピュータ使用型に移行したことから読解力の定義を改めています。
2022(令和4)年調査では、数学的リテラシーと読解リテラシーにおいて、コンピュータ使用型調査であることを利用して、生徒の能力をより高い精度で測ることを目的として、生徒の解答結果に応じて出題内容を変える「多段階適応型テスト(Multi Stage Adaptive Testing : MSAT)」手法を導入している。
2022(令和4)年調査結果の概要
2022(令和4)年調査は、数学的リテラシーを中心分野として、読解力、科学的リテラシーの3分野について調査が行われました。この調査結果とこれまでの推移は以下のとおりです。
国立教育政策研究所「OECD生徒の学習到達度調査 PISA2022のポイント」より引用
2022(令和4)年調査は、国際的に見ると、数学的リテラシー(1位/5位)、読解力(2位/3位)、科学的リテラシー(1位/2位)3分野全てにおいて世界トップレベルであった(( )の左側はOECD加盟国中、右側は全参加国・地域中における日本の順位)。前回の2018(平成30)年調査から、OECDの平均得点は低下した一方、日本は3分野全てにおいて前回調査より平均得点が上昇しており、統計的には、読解力及び科学的リテラシーは有意に上昇、数学的リテラシーは有意差がなかった。この結果について、日本が新型コロナウイルス感染症のため休校した期間が他国に比べて短かったことが影響した可能性があること、また、学校現場において現行の学習指導要領を踏まえた授業改善が進んだこと、学校におけるICT環境の整備が進み、生徒が学校でのICT機器の使用に慣れたこと、などの要因が複合的に影響していると考えられます。
PISA調査では、保護者の学歴や家庭の所有物に関する生徒質問調査の回答から「社会的経済的文化背景」(ESCS ; Economic、Social and Cultural Status)指標を作成し、この値が大きいほど、社会経済文化的水準が高いとみなしているが、日本、OECD平均ともに、「社会経済文化的背景」(ESCS)の水準が高いほど習熟度レベルが高い生徒の割合が多く、ESCSの水準が低いほど習熟度レベルが低い生徒の割合が多くなっています。
なお、ICTの活用状況については、日本の各教科の授業でのICTの利用頻度は、OECD諸国と比較すると低いものの、日本の生徒の情報モラルは、OECD諸国と比較すると高い。また、日本の生徒は、授業中のICT機器の利用により注意散漫になることが、OECD諸国と比較すると少なくなっています。
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