東京アカデミー大阪校
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近年、マスコミの報道や #教師のバトンなど、「教員=大変な仕事」というイメージが世間に認知されてしまっています。確かに、現状は残業時間も多く、大変な仕事ですが、長期休暇期間(夏休み等)の調整、AIの導入や部活動の一部民間委託などの働き方改革により、今後少しずつ労働時間は短縮されていってほしいところです。
ところで、ニュースなどではほとんど取り上げられていませんが、教員には、労働に関してポジティブな条件もあります。
それが、休暇・休業規定に関してです。教員を目指している大学生の方などには、意外と知られていないことですが、教員は民間と比較して、休暇・休業規定がかなり恵まれています。今回は、大変と言われている教員の仕事においての休暇規定について、大阪府を例に見ていきます。
以下、大阪府の教員の休暇・休業規定についてとなります。
教職員の休暇は、年次休暇、病気休暇、特別休暇、介護休暇、介護時間及び子育て部分休暇があります。
この中でも、特徴的、もしくは民間と比較して恵まれていると大阪校担当が個人的に感じる休暇は、年次休暇と病気休暇です。
・年次休暇(有休)の特徴
(1)1日ごと
・1回の勤務時間が7時間を超え7時間45分を超えない場合に、その全時間を勤務しないとき
(2)1時間ごと
・1回の勤務時間内において断続して与える年次休暇は合算できる。例)同じ日に8:30~9:00と16:30~17:00に年次休暇を与えた場合、合算して1時間となる。なお、この場合の出勤簿の処理は「年休(1H)」の略号処理を行うこととしている。
年次休暇の付与日数(1年ごとに20日)や累計40日までといった基本的なことは、法律で決まっているので民間とあまり変わりはありません。(中小企業では最初の数年間の有休付与日数が少ない企業もありますが・・・)
ただし、(2)の1時間毎に有休をとれるということは非常に魅力的かと思います。また、始業時間と終業時間を30分短くして1時間の有休としても取ることも可能です。時間単位の有休は法律で年間で合計5日分の休暇時間になる範囲内で取得できるようになっています(半日休暇は限度は決まっていません)が、実際の民間企業では導入率は22%(令和2年厚労省調査)となっており、普及していないのが現状です。
これが使えると普段、授業コマ数が多く入っている日の取得は難しいかもしれませんが、理論上は1限目の担当授業が無い日に1時間遅く出勤できたり、早く退勤したい日に1時間有休といったこともできます。また、夏休みや冬休みのようにあらかじめ授業が無い日が決まっている期間もあるため、その期間内にまとまった休みを取得するなんてこともできます。
(朝のHRや長期休暇中の部活動の顧問は頑張って他の先生にお願いしてください・・・)
このあたりは普段の休暇の中でも教員の強みといえるでしょう。
ただし、ここまでは民間でも取り入れていることですので、メチャクチャすごいとまでは、言えないかもしれません。ただし、今回のブログの本番はココからです。
教員が病気(うつなど精神疾患を含む)で長期休養をせざるを得なくなった際に、お医者さんからの診断書をもらうと「病気休暇」を取得できます。こちらの病気休暇なんと最大90日間、給与が100%満額支給されます。ちなみに民間企業では、仕事が原因での休暇は基本的に無休となります。
なお、賞与(ボーナス)に関しては、約50%を占める期末手当は満額支給されますが、残りの約半分を占める勤勉手当は病気休暇の取得期間(欠勤日数が30日を超える)で減額されます。
病気休暇期間が終了した後は、病気休職へと移行され、1年間の間、80%の給与が支給されます。また、期間中は各種手当も原則支払われます。ただし、期末手当は大きくカットされるため、勤勉手当と合わせた賞与は、ほとんど支払われません。
病気休職中に支給される給与の種類
給料、扶養手当、地域手当、住居手当及び期末手当
ただし、期末手当に係る在職期間の算定は、休職期間の1/2を除算
また、病気休職期間が1年以上になると、無給となりますが、代わりに1年半の間、共済組合※ から疾病手当金(給与の約66%)が支給されます。
このように、教員は最大2年半の間、給与や手当が出ます。このような厚い制度があるので、体調を崩してしまった場合でも復帰するまでの生活に困ることは少ないといえるでしょう。
※共済組合 教員全員が必ず加入する保険組合のこと。組合費は毎月の給与から自動的に天引きされます。
教員には教育委員会や学校ごとの復職支援プログラムが設けられており、病院でのカウンセリング対応、短時間勤務から徐々に時間を増やしていくなど休職者への配慮がされています。
また、勤務している学校の状況にもよりますが、①部活動の顧問をメインからサブへ、負担の少ない部活動に変更。②担当する授業のコマ数の削減。③担当する学年を負担の少ない低学年や、あまり荒れていない学年へ。④担任や副担任から授業のみの担当へ。④授業担当から外れ、人権教育担当、不登校担当、特別支援学級担当などに配置転換。などの配慮もありますので、復帰後も教員としての仕事を続けやすいような状況を作ってもらえるかと思われます。
いかがだったでしょうか。今回は、教員の休暇・休業規定から復職についてみてきました。
教員は大変な仕事でもありますが、公務員のため、通常の休暇や体調を崩してしまった際の、セーフティーネットとしての休業規定は、民間企業以上に手厚い制度が整備されています。
皆さんが、このようなメリットがあることを知って、教員を目指す際の不安点が少なくなれば幸いです。
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