東京アカデミー大阪校
ブログ
皆さん、こんにちは。
教員採用試験対策の予備校 東京アカデミー大阪校の滝口でございます。
先日、「令和5年度特別支援教育体制整備状況調査結果」が文部科学省より公表されました。
本記事では、その調査結果にて判明した成果と、現状の課題について解説していきたいと思います。
令和5年度特別支援教育体制整備状況調査は、特別支援教育の現状を把握し、今後の課題を明確にするために実施されました。
この調査では、特別支援を必要とする児童生徒数の増加や支援体制の整備状況、インクルーシブ教育の推進が焦点となり、
特別支援教育の実態やその課題が浮き彫りになっています。
調査結果から明らかになった現状の成果は、以下の通りです。
支援対象者数の増加に伴う整備状況の進展
特別支援教育を必要とする児童生徒の数は年々増加しており、2023年度の調査でもその傾向は顕著でした。特に、発達障害や自閉症スペクトラム障害を持つ子どもたちが増加しています。この増加に対応するために、多くの学校で特別支援学級や通級指導教室の整備が進み、子どもたちに合わせた個別の支援が提供されるようになっています。また、通級指導教室では、特別支援を必要とする生徒に対して、学校全体でのサポート体制が整えられつつあります。
インクルーシブ教育の推進
通常の学級に在籍しながら、特別支援を必要とする子どもたちの数も増加しており、インクルーシブ教育の推進が進展しています。インクルーシブ教育とは、特別な支援が必要な子どもたちを通常の教育環境に統合し、平等な学習機会を提供することを目指す教育方針です。この方針に基づき、学校では特別支援コーディネーターの配置や個別の教育支援計画(IEP)の策定が進められ、児童生徒のニーズに応じた支援が行われています。
ICTの活用
特別支援教育におけるICT(情報通信技術)の活用も大きな成果の一つです。特に、視覚や聴覚に障害がある児童生徒、あるいは発達障害を持つ子どもたちに対して、ICTを使った教材や支援ツールの活用が進んでいます。これにより、個別のニーズに応じた柔軟な学習が可能となり、子どもたちの学習意欲や学習成果が向上しています。
一方で、調査結果からは、以下のような今後の課題も明らかになりました。
教師の負担と専門性の向上
特別支援教育を提供する教員の数が不足しており、教員一人ひとりの負担が増大している現状が浮き彫りになりました。特に、インクルーシブ教育を実施する学校では、支援体制の整備が不十分であることが報告されています。多くの学校で、特別支援教育の専門知識を持つ教員が不足しており、研修や人材育成が急務とされています。また、特別支援を担当する教員には、専門的な研修を定期的に受講する機会が必要です。
支援体制の拡充と一貫性の確保
支援体制が学校によって異なり、地域差が生じていることも大きな課題です。一部の学校では十分な支援が提供されていますが、特別支援教育に対するリソースが不足している学校も多く見られます。今後は、各学校で統一された支援体制を構築し、地域格差をなくすための施策が必要です。また、支援体制が途切れないよう、継続的なサポートが求められます。
ICTの普及とスキル向上
ICTの導入は進んでいるものの、すべての学校でICTを効果的に活用できているわけではありません。特に、教員のICTスキルの向上が今後の課題となっており、ICTを使った効果的な支援を提供するための研修や設備の充実が必要です。
特別支援教育は、子ども一人ひとりに合わせた教育を提供するための重要な分野であり、その整備が進むことで、すべての子どもが豊かな学びを得られる社会を目指すことができます。
今後も教員採用試験に出題されるからというだけでなく、実際に現場に立った際にも、支援の必要な児童を受け持つようになることは十分に考えられ、その対応を考えていくことも求められるかと思います。
その為、少しでも早いうちからこの実態や現状の課題を理解しておく必要があります。
今後も特別支援教育について、その動向を気にしておきましょう。
東京アカデミー大阪校では、2025年夏受験 教員採用試験対策講座・イベントを順次開講中!
詳細は下記より!
【2025年夏教員採用試験対策】 通年講座 大阪府エリア対策
【2025年夏教員採用試験対策】 オンラインLIVE講座(和歌山県対策にも対応!)
東京アカデミー関西エリア教員採用試験のX(元:Twitter)にて、関西エリアの試験情報、イベント・講座案内など、
受験生の皆さまに役立つ情報をご案内しております。
ブログの更新情報もポストしておりますので、ぜひフォローをお願いします!