はじめに:香川県のICT教育は今どこに?
香川県では、GIGAスクール構想による「1人1台端末」環境の整備から約5年が経過し、今まさに「NEXT GIGA」という次なるステージへの移行が始まろうとしています。これは単なる端末更新ではなく、教育の質そのものを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)へのチャレンジでもあります。
1. 教育のDXを支える3つの柱
香川県が掲げる「NEXT GIGA」では、以下の3つの観点からDXを推進しています:
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県域アカウントの整備:学年や学校をまたいでも児童生徒のデータを引き継げる「1人1アカウント体制」の構築。
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情報技術の利活用:生成AIの活用や教育データの可視化による、教員の働き方改革と学びの振り返りの促進。
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クラウド環境のフル活用:教材や成果物の共有・再利用を通じた個別最適な学びの支援と、校務の効率化。
2. 未来を見据えた4つの基本方針
「香川県学校教育情報化推進計画」では、2023年度から2025年度を計画期間とし、以下の4つの方針を軸にICT活用を推進しています。
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児童生徒の資質・能力の育成
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発達段階に応じた情報活用能力の育成
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プログラミング教育の強化
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障害のある児童生徒へのICT支援
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教職員のICT指導力向上と人材育成
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質の高い研修
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ICT支援員の配置
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高校教員の専門性向上
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安定的かつ効果的なICT環境の整備
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ネットワークや提示装置の整備
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教育データの利活用推進
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全県的な体制整備と校務の改善
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市町との連携強化
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校務支援システムの導入促進
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3. 数値目標で見る香川の本気度
香川県では、ICT活用の実効性を高めるため、具体的な数値目標も設定しています。
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教員のICT活用指導力:
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小中高特すべてで2025年度(令和7年度)に100%を目指す
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日常的なICT活用校の割合:
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小学校:86.0%
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中学校:78.6%
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高校:52.4%
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特別支援学校:73.4%
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これらの目標に向け、各学校や教職員が一丸となってICT活用の定着を図っています。