東京アカデミー難波教室
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公務員試験で増えている民間企業経験者採用試験についてご紹介いたします。
「民間企業等経験者採用試験」や「経験者採用試験」など試験により異なります。多様化する行政や地方自治の業務や課題に対し、民間企業等で得た経験や能力、識見を活かし、より良い行政
サービスを行うことが求められていることが背景としてあり、これまでの古い体質から脱却し、行政組織に新しい風を巻き起こす人材が必要とされています。
ただし、「民間企業等経験者採用試験」は試験によりその実施時期・試験内容等には差があり、毎年安定して実施される試験ではありません。そのため、正確な情報収集と的確な対策が重要と
なってきます。まずは試験の現状と傾向を知り、そこから公務員への転職の道を歩み始めましょう。
まずは年齢制限と職務経験の2つがある場合が多いです。年齢制限では下は20代前半から上は最高60歳まで受験が可能な点が特徴です。また、ほとんどの試験で職務経験を必要とします。直近数年以内に2年~10年ほどの職歴を有する必要があります。これもこの試験特有の受験資格です。その他、職種に応じた職務経歴が必要な場合など試験により異なるので、確認が必要です。
試験によりばらつきがあり、大卒程度・高卒程度とさまざまです。また、従来の区分設定がない場合もあります。この場合、試験の実施時期や試験傾向から判断する必要があります。試験によっては、民間企業等経験者採用試験専用の問題を設定している場合もあります。
6月実施もありますが9月・10月にも多く実施されています。自治体にもよりますが、若干名~10名前後の採用予定者数となっており、それに対し受験者数は多いため、受験倍率も高倍率になり
やすい傾向にあります。(<例>東京都特別区3級職事務区分(主任主事Ⅱ)平成29年度受験倍率28.5倍)
※国家公務員での経験者採用は、人事院実施の「経験者採用試験(係長級)」や一部省庁ごとに実施する経験者採用試験があります。
自治体により試験内容にはばらつきがあります。従来の教養試験(大卒・高卒程度)を実施し、しっかりとした筆記試験対策が求められる試験、多くの民間企業等が導入しているSCOAや一般常識試験を導入している試験、職務経験・実務能力を重視する職務基礎能力試験・職務適応性検査などを実施する試験などがあります。全体的な傾向として、筆記試験等での学力よりも前職で得た能力・経験を重視する場合が多いです。また試験によっては書類選考等を導入している場合もあります。
多くの試験で論文試験も実施されます。公務員試験でよく実施されるような課題式論文試験のほか、「経験者論文」として具体的な職務経験や能力を踏まえた内容が求められる論文試験を実施する場合もあるのが特徴です。
ほぼすべての試験で個別面接が実施されます。一般採用の面接試験で聞かれる質問項目に加え、前職での仕事内容や経験・能力・勤務態度に関する質問項目が目立ちます。また、プレゼンテーション試験など実際の職務能力を評価する試験も実施される場合があります。