東京アカデミー池袋校
ブログ
「STAY HOME!おウチでできる自治体研究」の第2弾です。今回は統計を取り上げていきます(本記事は2018年に掲載したブログ記事に最新情報などを加筆し、再構成したものです)。
統計とは、ある集団を時間や地域などの一定の条件下で調べ、この結果を集計・加工して得られた数値のことをいいます。数値やその変化により、社会全体がどのような姿をしているかを明らかにするものであり、「現在をうつす鏡」(総務省統計局)ともいわれています。
面接試験や論文試験の際には、テーマや話題を展開していくうえでのきっかけとして客観的なデータである統計を活かすことができるのではないでしょうか。
見方を変えると、みなさんが面接試験で話したり、論文試験で論述したりしようと思っていることが統計に基づく事実と異なっていた場合、採点者・面接官に「勉強不足」「知識が無い」との印象を与えてしまうことがあります。
では自治体の統計については、どこで見ていけば良いのでしょうか。まずは各自治体のホームページから探っていきましょう
文京区のホームページでは、『文京の統計』を閲覧することができます。
『文京の統計』は、1968(昭和43年)から区が年1回作製しているもので、最新版である令和元年度版で第52回となります。全320ページ立てで構成されており、1冊読めば文京区の全てがわかると言っても過言ではないくらいのデータが掲載されています。
墨田区のホームページには、統計のコーナーがあります。
行政の透明性、地域が抱える課題の解決、地域の活性化を目的として、区が保有する情報をオープンデータとして順次、公開しています。例えば区の公共施設の年度ごとの利用者数や年代の内訳などを知ることができます。
主な自治体を2つ挙げて見ていきましたが、他の自治体についても必ず統計のページがありますので、地域の現状を知りたい場合にはぜひ参考にしてみてください。また、総務省統計局のホームページにも統計データがまとめてあり、国単位でのさまざまな数字を知ることができます。
次に特別区を志望している方には必見!特別区協議会のホームページを見ていきます。
特別区協議会とは、特別区の自治の発展を目的として設立された公益財団法人です。協議会のホームページは見どころがかなりありますので今後、別の機会でご紹介できたらと思います。協議会のページの中にも統計のコーナーがあり、特別区情報統計システムというデータベースを利用することができます。
このデータベースは、人口・世帯、土地、社会福祉、医療・保健、教育・文化、都市施設、都市環境、防災、産業、経済・労働、議会、行政、財政、都市比較の14項目を「データ項目」、「年次」、「地域」の3つの区分で組み合わせて、データの絞り込みができるものになっています。
活用するのはなかなか難しいのですが、同じページに協議会が「世帯」の分野での利用例を掲載していますので、そちらをご覧いただくのが良いと思います。簡単にまとめると、特別区においては、世帯数の増加、特に単独世帯(高齢単身世帯)の増加、核家族割合の減少などが見られ、世帯の細分化が進んでいることが分析からわかりました。
統計を面接試験・論文試験に活用する際には、それほど深い分析は必要ないと思います。純粋に数字を見て現状がどうなっているのか(例えば、ある事柄が増えているor減っているなど)ということを大まかに把握するだけで、わかることは多くあります。
みなさんの興味のある自治体・機関の統計のページを一度のぞいてみてはいかがでしょうか。
次回は5月1日(金)に掲載します。