東京アカデミー難波教室
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看護の基本は、解剖学と生理学です。この知識がなければ、どんなに勉強しても応用のきかない断片の知識にすぎず、点数も伸びません。解剖生理学をマスターするのは根気がいり、苦手意識をもっている人も多いと思います。1年生で学習したとき、難しかった印象があるのかもしれません。しかし、その苦手意識をぜひ、夏休みまでに払拭してもらいたいと思います。
皆さんはもうほとんどの重要な教科は学習していますので、1年生のような右も左もわからなかったあの頃とは違います。
そこで、やはり生理学の部分だけでもぜひまとめの参考書ではなく、学校で使用しているテキストを読んでもらいたいと思います。それでは改めて解剖生理学の教科書を開いてみてください。
特に最近の国試では、名称を単純に覚えればよい解剖学よりも生理学が中心に出題されています。これはいかに身体の仕組みを理解しているかに重点がおかれるようになったからでしょう。免疫反応の仕組み、血液凝固の仕組みなどがよく出題されています。そのような項目を教科書で読んでいると、解剖生理学の教科書に、意外と疾患についての記載が多いのに気づくと思います。1年生の頃はまだ疾患は習ってなかったと思いますが、正常が理解できなければそこに異常が起きた時ものが疾患ですので、生理学を勉強しながら病理学も勉強できるわけです。
たとえば血液凝固の機序を勉強すると、出血時間と凝固時間の2つがあって、出血時間は血小板数の減少で延長し、凝固時間の延長は血友病などのような血液凝固因子の欠乏で起こることがわかります。また、プロトロンビンやフィブリノーゲンが肝臓で生成されているので、肝臓疾患では出血傾向になることも理解できます。また、脳梗塞や心筋梗塞のように血液が凝固して血管が詰まる疾患も多くあります。そのときに血液の凝固機序のどこに作用して凝固を止めるのか、もしくはできてしまった血栓はどうやって溶解させるのかということも、薬理学の教科書も見ながら勉強すると、さらに知識は深まります。ちなみに、プロトロンビンの生成を抑制するワルファリンカリウムやトロンビンの生成を抑制するヘパリンなどの薬剤も多くの解剖生理学の教科書には記載されています。
薬理学は受験者の多くが苦手意識をもつ教科ですが、必修問題の項目にも挙げられており、避けられない科目です。薬理学の教科書にかじりついていても薬は覚えられません。疾患の機序と関連づけて学ぶのが一番の近道です。
今後の学習の参考にしてください。