東京アカデミー東京校
ブログ
こんにちは。東京アカデミーの公務員担当です!
今日は、過去問題を見てみましょう!
参議院の存在理由に関する警視庁Ⅰ類の過去問題です!
問)明治憲法下では、議会は衆議院と貴族院から成っていたが、現在の日本国憲法の下では、国会は衆議院と参議院から成っている。参議院の存在理由として最も適切なものはどれか。
1.議会の専制を防止するため。
2.議事の効率をあげるため。
3.下院と政府との衝突を緩和するため。
4.下院の軽率な行為・過誤を回避するため。
5.民意を忠実に反映させるため。
この問題を解くに当たって、押さえておくべき知識は以下のものです。社会科学や憲法を学習していれば、当然の知識(Aランク)として知っている(?)でしょう。
ア)二院制における上院の構成
(a)貴族院型(例、イギリス、明治憲法33条)
(b)連邦型(例、アメリカ、ドイツ、スイス)
(c)民主的第二次院型(例、第3・第4共和制フランス)
イ)存在理由
<? 民主政にとっては、国民の意思を代表する機関は
1つで足りるはずであるのに、
第二院が設けられる理由は?>
★二院制不要論
シェイエス(1789年のフランスの国民議会での発言)
;貴族を排斥するとともに、上院を一般に否定して、
「第二院がなんの役に立とうか。
もしそれが代議院と一致するときは、
それは無用であり、
もし代議院に反対するならば、
それは有害である」。
結局、国民議会は一院制を採用した。
現在;民主・単一国における一院制論の主な論拠として、
同じような組織をもった2つの議院を設けるのは無意味・無用であるし、
組織に差異をつければ、
第二院は必然的に、反民主的なもの、
少なくとも衆議院と比べて民主的性格の少ないものになり、
かえって民主政治の妨げをなす。
☆ 第二院の存在理由について
① 議会の専制の防止。
② 下院と政府との衝突の緩和。
③ 下院の軽率な行為・過誤の回避。
④ 民意の忠実な反映。
二院制の存在理由として通常、挙げられるのは上記の4つです。
がしかし、
そのすべてが警視庁の問題の選択肢
(肢1,3,4,5)に入っています。
「答えがないじゃないか」
「没問じゃないか」
と出題当時、言われていたこともありました。
では、どのようにして正解を導き出すのか。
これは 問題文に着目する必要があります。本質を学習しているかどうかです!
問題文になぜわざわざ「明治憲法の貴族院」の説明があるのでしょうか。
そもそも、貴族院は上記(a)の貴族院型、参議院は(c)の民主的第二次院型です。
第二院の存在理由に関する①~③については貴族院も参議院も当てはまります。
では、④はどうでしょうか。世襲の議員で構成される貴族院は民意を反映した機関と言えるでしょうか。貴族院と参議院とを比べた場合に、④において顕著な違いが見られるのです。
すなわち、参議院の本質的な存在理由は、④民意の忠実な反映(長期的な民意など)にあるのです。したがって、正解は肢5となります。
どうでしたか。
テキストに載っている基本的な知識をただ単に問うというのではなく、
もう一段ヒネリが入っているのです。
というより、本質を理解できているかどうか・・・。
こういった問題に対処するためには、
基礎知識の修得をし、
その上で問題演習をこなしていく中で
解法テクニックを習得する必要があるといえるでしょう。
また、何が一番大事で重要なのかを理解しなければなりません。
手っ取り早いのは、理解している人から教わること!これが効率的学習の基本です!
となると、予備校を利用するのが合格に一番近いと言えるでしょう!
ということで、東京アカデミーでは、2021年の合格を目指す通学講座「6月生」を好評受付中です!
是非、ご検討ください!