東京アカデミー立川教室
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こんにちは。東京アカデミー立川校の公務員担当です。
国家公務員一般職の2019年度試験における採用機関は本府省採用だけでも27、関東甲信越地域内の機関だと105ありました。国家公務員一般職を目指す方は、数多くの選択肢がある中で、自分のやりたいことや適性などと照らし合わせて志望機関を決めていく必要があります。近年の官庁訪問の流れから考えると、一次試験合格が出てから決めるのは「遅い!」といえます。当ブログでは、早めの官庁研究のお手伝いになればと、今後定期的に官庁のお仕事に関する情報をご紹介していきます。本日はその第1弾、取り上げる官庁は厚生労働省です。
みなさんは「ゆりかごから墓場まで」ということばをご存知でしょうか。一人の人間が誕生してから生涯を終えるまでのあらゆる社会政策のスローガンとして、第二次世界大戦後のイギリスで使われるようになりました。厚生労働省はまさにこのことばを象徴する省庁であるといえます。
厚生労働省が担当する主な分野を列挙すると、医療、公衆衛生、介護、子育て支援、年金、労働、福祉など、その幅の広さが良くわかると思います。また、みなさんが必ずお世話になる(またはこれまでになったことのある)分野であり、国民生活に最も密着した省庁といっても過言ではないと思います。
厚生労働省はもともと「厚生省」と「労働省」がそれぞれ存在していたものが、2001年の中央省庁再編により統合され誕生した行政機関です(ちなみに予算規模は、国の一般歳出の半分以上を占めており、省庁の中でも最大です)。そのため業務を、「厚生行政」と「労働行政」とに大別することができます。
厚生行政は医療、公衆衛生、福祉などであり、「人の『命』と『人生』を支える行政分野」(厚生労働省ホームページより)です。特に社会保障制度は近年、国民の関心がより高まっており、将来にわたって安心できる制度が求められています。厚生行政の職員は、各分野における制度の企画・立案、運用、そのための予算確保など幅広い業務を行い、社会保障のエキスパートとして業務を担っていくこととなります。部署には「医薬・生活衛生局」「子ども家庭局」「年金局」などがあります。
労働行政は、さまざまな課題(ワーク・ライフ・バランス、メンタルヘルスケアの整備、働き方改革など)を抱える労働を取り巻く環境について、制度の策定や予算の確保などにあたり、「働く希望を支える」(厚生労働省ホームページより)分野です。(1)労働基準行政、(2)職業安定行政、(3)雇用環境・均等行政 の3つの行政によって日本の「はたらく」を支えています。(1)は労働条件の確保や過労死防止、職場におけるメンタルヘルス対策に取り組んでいます。(2)は外国人の就職支援や障害者の雇用促進、雇用保険制度の機能強化などに取り組んでいます。(3)は女性の活躍推進、テレワークの普及促進などに取り組んでいます。
私が厚生労働省の魅力として気になったのは、厚生行政の採用ホームページに載っている「厚生行政の魅力のひとつは、利用者の視点から制度を見つめ直す中で自分の仕事の意義を実感できる」ということです。自分の仕事が自分のプライベートと密接なつながりを持ち、サービスを享受する側としても仕事を実感できたり、それを反映できたりするのは、公務員はもとより、民間企業でもあまりないのではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症はいまだに猛威を振るい、さまざまな問題・課題を、今を生きる私たちに突き付けています。急がれるワクチン開発、失業率の悪化、女性の労働環境、テレワークの推進などこれらの問題は、人の命に関わり責任の重い仕事といえます。一方で責任が重いからこそ、やりがいも多い仕事のはずです。「人々を支えたい」と漠然と考えている方でも、幅広い厚生労働省の業務のいずれかには突き当たるはずです。少しでもそのように考えている方は、厚生労働省を志望してみてはいかがでしょうか。
次回は経済産業省のお仕事をご紹介します。更新は7月23日(木)の予定です。
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