東京アカデミー難波教室
ブログ
「必修問題」では例年、出題基準・小項目をテーマにした単純想起型問題が並ぶ。「覚えていることをただ単純に思い出せば解答できる設問」で構成されているため、基本事項が問われ、正答率が高い問題がほとんどである。
ただし、過去に出題されたことのない事項や正確な数値・定義を問われる内容では正答率が低くなる傾向がある。まずは「必修問題」の出題基準・小項目を把握すること。覚えるべき事項は○・×で押さえるだけではなく、統計値、数値、定義などを正確に掌握しておこう。
過去問題を利用する場合は、解答を簡単に導き出せる基本事項であっても、一度は信頼をおける文献(教科書・参考書など)で周辺知識まで見ておきたい。また暗記すべき事項は、「だいたいこんな感じ」で終わることなく、国試が近くなった時に今一度、正確なものを確認しておこう。
ここ数年、「人体の構造と機能」の問題は難化している。従来通り神経系・内分泌系、循環器系、代謝系、体液・血液、免疫系などが中心に出題されているのは変わらないが、過去に出題された内容をベースにして、問い方を変化させた作りになっている。したがって単純に過去問題を繰り返し解いただけでは、得点をすることが難しいものがみられる。
また、109 回では、四肢択一の設問数が五肢択一・択二よりも減少した。「人体の構造と機能」は、国試対策として最も早くに手掛けたい科目。解剖学・生理学は、読めばすぐ解ける易しい問題ばかりではない。それでも得点を重ねるためには、「急がば回れ」。まずは頻出の事項を過去問題から掌握し、次に「理解する学習」をしていこう。
多くの問題は、患者の疾患・病態を理解するための基礎となる「身体の仕組み」を問う内容である。「なぜこの答えになるのか?」「どうしてこの選択肢が誤りなのか?」を丁寧に書かれた解説書や参考書、動画や解説サイトなどを利用して、理解を深めていこう。
「疾病の成り立ちと回復の促進」では、108 回からやや解きやすい問題が増加している。設問は病理学中心の出題となっており、出題基準・小項目に挙げられた疾患の検査所見、診断、治療、経過、予後などを問うことが多い。また、例年、診断に必要な検査に関する問題も出題される(心電図、画像検査など)。
一方、微生物学、薬理学に関する問題は、この科目の中での出題は多くはない。正答率が高い科目ではないことを考えると、過去数年間に出題された問題は正答率にかかわらず解いておきたい。また、「疾病の成り立ちと回復の促進」の出題基準に挙げられている疾患に知らないものがないかのチェックも行っておきたい。出題傾向で述べたように、疾患の検査所見、診断、治療、経過、予後などを問われるため、それらを教科書・参考書などで確認しておこう。