東京アカデミー横浜校
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こんにちは。東京アカデミー横浜校の公務員担当です。
先日実施された東京特別区1類の専門民法の問題で、一番、正答率の悪かった問題が、No.13 地上権の問題でした。
問題文は、著作権の問題もありますので、受験された方はお手持ちの問題を、持っていない方は特別区のサイトで公表されたら、そちらから入手してくださいネ。
No.13は、「民法に規定する地上権に関する記述として、通説に照らして、妥当なのはどれか。」という問題です。通説と言いながらも、ほぼ条文問題でした。
正答 3
1;誤り。地上権は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利であり(265条)、前段は正しい。
そして、地上権自体を他人に譲渡することもできるが、地上権の譲渡については土地の所有者の承諾を要しないので、後段は誤り。地上権は物権であることから、自由に譲渡することができる(川井「民法概論2物権(第2版)」200~201頁、近江「民法講義Ⅱ物権法(第4版)」273頁、大村「新基本民法 物権編(第2版)」佐久間「民法の基礎2物権(第2版)」241頁、安永「講義物権・担保物権法(第3版)189頁)。
2;誤り。地上権者は、その権利が消滅した時に、土地を原状に復してその工作物及び竹木を収去することができるので(269条1項)、前段は正しい。しかし、土地の所有者が時価相当額を提供してこれを買い取る旨を通知したときは、地上権者は、正当な理由がなければ、これを拒むことができず(同条項ただし書)、いかなる場合もこれを拒むことはできないとする後段は誤り。
3;正しい(268条1項)。
4;誤り。地上権者は、土地の所有者に定期の地代を支払わなければならない場合において、不可抗力により収益について損失を受けたときであっても、地代の免除又は減額を請求することができないので(266条→274条)、これをできるとする本肢は誤り。
5;誤り。地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて区分地上権の目的とすることができ、この場合においては、設定行為で、区分地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加えることができる(269条の2)。工作物所有のため、地下又は空間は、上限の範囲を定めず区分地上権の目的とすることができるとする本肢は誤り。
選択肢5については、「上下の範囲を定めず」(本肢)と「上下の範囲を定めて」の違いだけなので、緊張する試験会場では読み違いをした受験生が多く発生していると思われます・・・。
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