東京アカデミー横浜校
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こんにちは。公務員試験の予備校=東京アカデミー横浜校の公務員担当です。
今日の1問!今年実施の国家公務員一般職(大卒程度)行政職の専門の民法からです。
【民法】
No.21 権利能力及び行為能力に関するア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
ア.自然人の権利能力は死亡によって消滅するため、失踪者が、失踪宣告によって死亡したものとみなされた場合には、その者が生存していたとしても、同宣告後その取消し前にその者がした法律行為は無効である。
イ.未成年者は、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産については、法定代理人の同意を得なくとも、その目的の範囲内において自由に処分することができるが、法定代理人が目的を定めないで処分を許した財産については、個別の処分ごとに法定代理人の同意を得なければ処分することはできない。
ウ.未成年者が法定代理人の同意を得ずに土地の売買契約を締結した場合、当該契約の相手方は、当該未成年者が成人した後、その者に対し、1か月以上の期間を定めて、その期間内に当該契約を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができ、その者がその期間内に確答しなかったときは、追認したものとみなされる。
エ.成年被後見人は、日用品の購入その他日常生活に関する行為を単独で確定的に有効になすことができるが、これ以外の法律行為については、成年被後見人の同意を得ても、単独で確定的に有効になすことはできない。
オ.被保佐人が、保佐人の同意を得ずに、同意が必要とされる行為をした場合、被保佐人自身のほか、保佐人も当該行為を取り消すことができる。
1.ア、イ
2.エ、オ
3.ア、ウ、オ
4.イ、ウ、エ
5.ウ、エ、オ
正答 5 難易度C 確実に得点したい問題です!
ア;誤り。自然人の権利能力は死亡によって消滅するとする前段は正しい(四宮・能見「民法総則(第9版)」40頁、佐久間「民法の基礎 総則(第5版)」22頁など通説)。規定はないが当然のこととされている(佐久間・前掲)。882条が裏から規定する(大村「新基本民法 総則編(第2版)」222頁)。
失踪宣告の効力の及ぶ範囲は、「死亡したものとみなす」(30条1項、31条)とは、失踪者の従来の住所または居所を中心とする法律関係について、失踪者が死亡した場合と同じ法律効果を認めることをいう。したがって、失踪者本人の権利能力が消滅するわけではないため、失踪者が実際には別の場所で生きていた場合に、その地で行った契約などは全て有効である(四宮・能見90頁)。後段は誤りである。
イ;誤り。未成年者は、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産については、法定代理人の同意を得なくとも、その目的の範囲内において自由に処分することができるので、前段は正しい(5条3項)。また、法定代理人が目的を定めないで処分を許した財産についても、未成年者は自由に処分することができるので(同条項)、個別の処分ごとに法定代理人の同意を得なければ処分することはできないとする後段は誤り。
ウ.正しい(20条1項)。制限行為能力者の相手方は、取り消されるかどうかがわからない不安定な状態であるため、これを解消するべく、相手方に催告権が与えられている(20条)。催告を受けた者が単独で追認しうる者ならば追認があったとみなされるが、未成年者・成年被後見人は催告を受領する能力がない点に注意(四宮・能見82頁)。
エ.正しい(9条)。
オ.被保佐人が、保佐人の同意を得ずに、同意が必要とされる行為をした場合、被保佐人自身のほか、保佐人も当該行為を取り消すことができる(13条4項、120条1項)。
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