東京アカデミー鹿児島校
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皆さんこんにちは。
本日は、東京アカデミーの情報冊子スタディガイドVOL2から「秋からの学習計画」を抜粋してお知らせいたします。どうぞ、参考にされてください。
秋からの学習計画
苦手な科目、特に「人体の構造と機能」や「成人看護学」の循環器系障害・脳神経系障害といった分野は、「自分には理解できそうもない」と思い込んでいる人が多いようです。しかし、私の経験から言えば、どの学生さんも「理解する能力」は十分に持っているのに「諦めている」のがほとんどのケースです。わからないことを「自分にはどうせ理解できない…」と諦めていませんか?わからないところを本当に理解できるまで、先生や講師に質問をしていますか?皆さんには学ぶ権利があります。わからないところはわかるまで、とことん先生に質問して確実に理解してください。そして何より「自分は理解できる力をもっている!」と自分自身を信じてあげてください。今までわからなかったところが理解できるようになったとき、それは大きな「自信」となり、これから半年のあなたを支えてくれることでしょう。
模擬試験の結果を持っている人は、もう一度それを取り出してみてください(東京アカデミーでも6 月に第1 回の模擬試験が行われています)。模擬試験を今年まだ受験していない人は、過去問題を国家試験と同じスタイルで解き、自己採点をしてください。そして次のことに注意しながら模擬試験の結果を眺め、自分の傾向を調べてください。
1)どの科目の正答率が低いか?
基本中の基本ですが、「どの科目が不得意か?」これはまずおさえておきたいところです。全科目の正答率を表にしてみて、正答率の低い科目・分野をまずは把握してください。不得意科目を把握したら、今度はその克服です。もともと皆さんが「勉強しづらい」と感じている不得意科目です。一気にその科目だけ集中して学習するというのは、挫折しかねません。他の科目の勉強と並行しつつ、毎日少しずつ不得意科目の学習をこなしていってください。
2)どのような問題形式が苦手か?
国家試験の問題はほとんどが四肢択一ですが、第9 8 回国試より五肢択一、五肢択二問題が一般問題、状況設定問題で出題されるようになりました。第1 0 0 回国試からは必修問題でも五肢択一問題が出題されるようになりましたが、第1 0 4 回国試では四肢択一のみの出題でした。そして、第1 0 2 回国試では計算問題において、直接数字を解答する出題形式が取り入れられました。しかし、これらの新出題形式は、バリエーションのひとつにすぎません。「何を学習すべきか」という本質は変わりませんので、臆することなく勉強に専念しましょう。問題形式を大別すると、「正しいのはどれか」といった単純に正誤を問うものが多いですが、最近では「最も適切な対応(指導)はどれか」「優先されるものはどれか」といった形式も増えてきています。どれを優先するか、自分で実際の場面を想像して判断しなければ解けない問題です。このような問題形式の難しいところは「どの選択肢も間違いではない」という点です。そのため、受験者の解答が往々にして分かれます。また、「アセスメント」や「禁忌」を問う問題も出題されるようになってきています。このように国家試験ではさまざまな問題が出題されるため、問題集を解くことで自分はどのような問題形式が苦手なのかという傾向を知り、苦手な問題形式に慣れておく必要があります。正誤問題や禁忌を問う問題が苦手な場合は、知識が曖昧なことが原因です。混同しやすい用語や処置、看護などはもう一度整理して確実に覚えていきましょう。正誤問題は暗記さえしてしまえば確実に正解できる問題です。覚えたら覚えただけ点数アップにつながるということです。「アセスメント」や「優先順位」の問題を解くための具体的な学習法については後で述べることとします。
先程も触れたように、最近の国家試験では「アセスメント」や「優先順位」を問う問題が増えています。このような問題は単なる暗記の勉強だけでは解けないため、「苦手だ」と言う人も多くいます。では、どのようにしてアセスメント能力を養えばよいのでしょうか?
1)臨地実習で養う
臨地実習は、アセスメント能力を養う実践の場です。受け持ちの患者さんの状態をよく観察し、情報を集め、アセスメントする。そしてもう一度、教科書や参考書を見て患者さんの状態を理解してください。出会う事例は、すべて皆さんの宝物です。患者さんの呈する一つひとつのサインの意味を考え、丁寧に知識を確認しながら看護してみてください。それは必ず皆さんの看護師としての力となることでしょう。優先順位についても、必ず根拠をもって決定するようにしてください。さらに、実習指導者や先生、グループの仲間などの意見もどんどん聞いて、考え方に柔軟性をもたせることも重要です。
2)机上で養う
実習以外ではどのようにアセスメント能力を養えばよいのでしょうか。まず、国家試験の状況設定問題を見てみましょう。はじめに事例の症状・検査データから状態をアセスメントしてください。検査データについては基準値を知っておくことが最低限必要ですが、その検査が何を意味するのかということも理解しておいてください。検査データの基準値は「多くて覚えられない!」と思う人もいると思います。しかし、例年出題される検査は3 0 項目ほどです。1日1 基準値を覚えれば、1 か月で網羅できます。それほど多くないので、まずは逃げずに、何かに書き出してみてください。優先順位については、まず事例の特徴を考えてください。事例の健康段階(急性期か回復期かなど)、発達段階などの特徴が問題のキーワードになることが多いためです。それらを把握した上で生命の危険度、安楽、安全といったことを考え、優先順位を決定してみてください。「問題集の解答を見てもどうしても納得がいかない」という場合もあるでしょう。そのようなときは、先生や同級生の意見を聞いてみてください。自分の思考回路に柔軟性をもたせるということは、この手の問題を解く上で非常に重要です。いろいろな人と意見交換をし、さまざまな意見を受け入れられるようにしてください。また、問題の解説は問題集によって異なります。違う問題集の解説を見てみるというのも一つの手段としてお勧めです。
国家試験では、その時代を反映した問題がよく出題されます。新聞やテレビで看護と少しでも関係のあることは注意して見聞きしておくことをお勧めします。東京アカデミーの『おてがるチェック』という小冊子にも看護をめぐる最新の情報が掲載されているので、ぜひ覗いてみてください。また、毎年8 月末に発行される『国民衛生の動向』(一般財団法人厚生労働統計協会発行)には必ず目を通しておいてください。教科書や参考書、過去問題などに新しい数字を書き込んでおくとよいでしょう。そうすることで、国家試験のポイントもみえてきます。なお、国家試験で問われる数値は、最新のものより1 年前のものからの方が多いようです。動向を見ながら3 年分は目を通すことをお勧めします。
国家試験は1 年に1 回しかありません。その中で自分の力を十二分に発揮するというのは、なかなか難しいものです。本番で1 0 0 %に近い力を発揮できるよう、テストに慣れておくことをお勧めします。国家試験は一定の制限時間内に多くの問題を解かなければなりません。確かな知識が必要であることは言うまでもありませんが、適切な時間配分をし、なおかつ、最後まで集中力を切らさない精神力が要求されます。特に、「自分はあがり症で本番には弱い」と自覚している人はシミュレーションが欠かせません。国家試験はと同じ時間配分で、同じ問題数を解く練習を、少なくとも3 回はしておきましょう。可能であれば、時間帯も本番と同じように合わせた方がよいでしょう。問題は過去問題、全国模擬試験、問題集など国家試験はと同じ形式のものであれば何でも構いませんが、次の2 点に気をつけて行ってください。
1)どんどん解く
国家試験はは、必修・一般問題は1 問約1分、状況設定問題は1 事例約6 分で解答しなければなりません。実際には問題文を読んだり、マークシートに記入したりする時間も必要なので、考える時間はさらに短いと思ってください。解けない問題に引っかかり、そこで手が止まってしまうと、最後まで問題に目を通さないうちに制限時間がくるという最悪の事態にもなりかねません。最近の国家試験の傾向として、解答の絞りにくい「優先度」を問う問題が増えています。このような問題は、その時点で「最も適切である」と感じた解答を、とりあえずマークシートに記入してください。そして、問題の横に印をつけておき、後から時間があればもう一度見直すようにしましょう。
2)解けなくても落ち込まない
この時期に、見たこともない問題や解けない問題にあたると、受験者の多くは落ち込んでしまいます。さらに自信をなくして、勉強する気力をなくしてしまうパターンに陥りがちです。このようなときは発想を転換しましょう。「見たこともない問題」や「解けない問題」にあたったら、「ラッキー!」と思ってください。「本番でこの問題がいきなり出たら解けなかった。でも自分は国家試験の前にこの問題に出会えてラッキーだった!類似問題が本番で出たら絶対に間違えないぞ!」という前向きな気持ちでいてください。落ち込まず、一つひとつの知識を確実に自分のものにしていきましょう。
この時期は、「焦り」と「苦手意識」が最大の敵です。まずは焦らず、できることを、できるときに、できるだけやってみてください。少しずつでも積み重ねてやったことは、必ず大きな力となります。そしてはじめにも述べたように、自分を信じて「絶対理解してみせるぞ!」という意気込みで学習に臨んでみてください。「わかれば楽しい、楽しいから勉強する」というように、一つわかれば学習はよい循環を生みます。さあ、まずは何か一つ、あなたの苦手なものを手にとって克服してみてください!必ずできます。
秋からの学習計画を紹介しましたが、いかがでしたか?
東京アカデミーでは秋期講習、冬期集中講座などの講座を順次開講していきます。教室講義に加えオンライン(ZOOM)講座も用意しています。皆さんの学習スタイルにあった講座をご選択ください。第110回看護師国家試験まで170日、東京アカデミーの講座を上手く活用して合格を掴み取りましょう。