東京アカデミー池袋校
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こんにちは。東京アカデミー池袋校の公務員担当です。
8/9に実施されました「2020年度 東京消防庁Ⅰ類試験」において出題された論文試験を、池袋校の東京消防庁Ⅰ類コースにて長年論文対策を担当しております講師が分析をいたしました。
2020年の論文試験を踏まえて、来年度に向けて取り組むべき対策まで見えてきました。
東京消防庁の論文は、例年90分で800~1200字程度として課せられます。他の公務員試験と異なるのは、文字数が800~1200字程度と、指定文字数の幅が400文字ほどあるところです。
一瞬悩むかもしれませんが。出題者側はほぼ1200字程度書くことを要求しているようです。やはり熱意は文字数にも表れますね。
次に課題の形式ですが、以前は「一行問題」でしたが、2017年度以降「グラフ・統計資料を読み取らせて対策を考えさせる課題」に変更になりました。ここ近年の課題内容は、消防業務に関する「救急車を呼んだ理由から読み取れる課題」から、社会的課題である「若者の早期離職問題」まで幅広く出題されてきました。
そして今年2020年の課題は、やはり、インターネット利用者の年代別の「割合グラフ・統計資料」を用いて「行政機関が発信する情報を広く周知するための具体的方法」を考えさせる課題でした。
<出題の背景>
東京消防庁管内においては、約38秒に1回、救急車が出動していますが、その半数は救急ではなかった通報でした。そこで、通報を少しでも減らすために#7119の広報活動をしていますが、なかなか利用されず、毎年通報件数が増加しています。そこで、#7119の利用や防災情報を広報したいが、どうすれば都民に効率よく届けられるかを受験生に考えさせたものと思われます。
<今後の出題予測>
★今後も「グラフ・統計資料を読み取らせる出題」は継続するものと考えられます。
★東京消防庁Ⅰ類の試験の性格上、業務に関するものだけでなく、「行政の視点」から幅広い範囲で出題される可能性があります。
<今後の対策>
やるべきことは、2016年まで続いた一行問題対策と大きく異なることはないと思います。2017年の出題は、「高齢者人口及び割合の推移」の読み取りでしたが、書く内容は、2014年2回目の「少子高齢化が社会に与える影響」や2009年1回目の「少子高齢化の進展が地域の安全に与える影響」の論述とほぼ重なるものと考えられます。従って、過去の一行問題を使って、まずは論述の仕方を身に付けるべきです。
★常日頃、東京や日本の現状分析をして、どのような問題があるのか、その背景・原因は何か、それに対してどう対応すれば良いかを、絶えずアンテナを張って、考えておくことが必要です。
★論文対策としても、情報の収集が不可欠です。知識が必要とされる課題もあるからです。例えば、令和2年度対策として、東京消防庁の新しい取り組みを知っていれば、出題意図にある程度答えられたのではないかと考えられるからです。東京消防庁は、任天堂の人気ゲーム「あつまれ、どうぶつの森」を使って都民の防災意識を広める取り組みを始めています。同庁のツイッターやフェイスブックに投稿して熱中症や地震対策を発信しているそうです。
★今後の対策として、東京消防庁の発行している「広報とうきょう消防」や新聞・インターネットで、幅広く知識を収集しておくべきです。重要なことについては、問題の所在、背景・原因、対応策をメモにしてまとめておくといいのではないかと考えています。知識があればおのずと1200字程度は書けます。合格者はほとんど1200字書いています。用紙全部を埋めた合格者もいます。
以上となりますので、今後の学習にお役立ていただけばと思います。
池袋校限定!東京消防庁Ⅰ類コースの詳細はこちらをご参照ください。明日(9/6)のブログは、2020東京消防庁Ⅰ類試験分析<自然科学>編です。ご期待ください。