高校進路ご担当先生・保護者様向け情報
新年度から公務員指導をご担当される先生におかれましては、新型コロナウイルスへの対応や公務員試験対策を進められている(部活動引退後に始められる)生徒様に対するご指導にお忙しいところと存じます。そこで、今までに弊社HPでご紹介してまいりました公務員予備校のノウハウを詰め込んだ1次試験対策の数々の資料より、『教養試験の形式』と、『あと3か月間で合格する“攻略勉強方法”』について、おまとめいたしました。生徒様のご相談に即座にお答え(ご活用)していただける内容になっておりますので、ご一読いただき、ご指導にお役立ていただければ幸いです。
弊社HPにおいて、1次試験対策に関わる様々なタイトルをご紹介してまいりました。その数は27タイトル!
なぜ今さら『教養試験の形式』…!?かと申しますと、高校卒程度公務員試験で課せられる教養試験の形式は、2012年に刑務官や海上保安学校学生などの公安系国家公務員採用試験が50問から40問の基礎能力試験に統一され、近年では地方自治体職員採用試験も教養試験の形式(内容)が変更されており、対策が“必要な科目”と“必要ではない科目”が生じてきています。そのことを理解しておかなければ、短期間で合格を勝ち取るのは難しいと言えるでしょう。
ではまず、教養試験の形式についてまとめておりますので、ご覧ください。
試験名 | 教養試験の名称 | 形式 |
---|---|---|
国家一般職 税務職員 刑務官 海上保安学校学生 皇宮護衛官 入国警備官 |
基礎能力試験 ※2012年度より変更されております。 |
五肢択一式 40題90分 一般知識分野16科目、一般知能分野5科目の幅広い分野から40題(2012年より)出題される。広範囲な知識を必要とし、短時間で少しでも多くの正答を導き出さねばならない最も時間の足りない試験です。 |
地方自治体 (事務・消防) |
新教養試験 ・Standard ・Logical ・Light ※他にもSCOA(スコア)や総合適性検査など、民間就職試験でも使用される問題を導入している自治体もございます。 |
従来の教養試験と共通性が高い教養試験(Standard)、知識より論理的思考力等の知識を重視する教養試験(Logical)、公務員試験に向けた準備をしていない民間企業志望者でも受験しやすい教養試験(Light)の3タイプのレベル別5パターンへ変更となりました(国家公務員や統一試験日以外の都道府県・政令指定都市は対象外)。 ※「公益財団法人日本人事試験研究センター」HPもあわせてご確認ください。 |
警視庁警察官 Ⅲ類 |
教養試験 | 五肢択一式 50題120分 一般知識分野16科目、一般知能分野5科目の幅広い分野から50題出題される。広範囲な知識を必要とし、短時間で少しでも多くの正答を導き出さねばならない。 |
東京消防庁 Ⅲ類 |
教養試験 | 五肢択一式 45題120分 一般知識分野11科目、一般知能分野5科目の幅広い分野から45題出題される。広範囲な知識を必要とし、短時間で少しでも多くの正答を導き出さねばならない。 |
※新教養試験については、2018年12月掲載の「新教養試験は何が変わった?!」で、より詳細なデータとアドバイスの記載がございますので、そちらをご参照ください。また上記以外の試験や、地方自治体の中でも受験される試験のタイプを確認したい場合は、お近くの東京アカデミーまでお問い合わせください。
高校卒程度公務員試験の代表的な試験について、教養試験の形式をまとめましたが、ご覧の通り試験によって科目数が異なります。また、国家公務員と警視庁警察官Ⅲ類の教養試験が最も科目数が多くなっていますが、科目ごとに出題される問題数が異なるため、問題数が多い科目と自身の得意科目を得点のベースとして、集中的に勉強することで高得点を目指すことにつながります。
では次に、出題される科目ごとに内訳をご覧ください。科目別の問題数をご覧いただくと対策が“必要ではない科目”が見えてきます。
この内訳を見ますと、黄色枠の科目は「どの教養試験でも0~1問」、緑枠の科目は「試験によっては0~1問」で対策が“必要ではない科目”にあげられます。地方自治体(事務・消防)の教養試験対策をする場合は、「教養試験の形式」でご紹介した通り、黄色枠の科目と赤枠の科目は出題されませんし、緑枠の科目も出題されていないので、更に対策が“必要ではない科目”が増えます。残りの限られた時間を考えると、全てではありませんが、他の問題数が少ない科目からも、対策が“必要ではない科目”に充てる必要があります。
それらの科目よりも出題される問題数の多い、政治・経済や数的推理・判断推理・空間把握に、地方自治体(事務・消防)の場合はそれらに加えて社会時事(青枠の科目)に、対策の時間を多く割いた方が、生徒様の高得点につなげられます。出題科目(問題数)を把握し、効率的な対策を取るようにご指導ください。
ここまで教養試験について長く説明してまいりましたが、対策を既に始めている生徒様や、これから対策を始める生徒様も、残り時間を上手に使うことで合格の可能性をより高めさせることができます。コロナウイルスにより、部活動に大きな影響を及ぼしていますが、それでも最後まで部活動を続け、各地域の大会を目標(引退試合)に気持ちを切り替えている熱心な生徒様は、特に教養試験の学習に苦労されていることとお察しします。
6月になり、高校の先生方や公務員試験の受験を考えている高校生から、「部活動が忙しいため、今から公務員の勉強を始めたいのですが、間に合いますか?」「合格した方は毎日どれくらい勉強していましたか?」という質問をよくいただきます。
そこで総体後から本格的に勉強を始め、見事最終合格を勝ち取った合格者の体験談をもとにした時間の過ごし方のモデルケースをご紹介いたします。
高校現役で部活動に一生懸命であった合格者が伝授するスケジュールですので、不安を抱えている生徒様の身近な手本になります。ぜひこちらをご指導に役立ててはいかがでしょうか。
最後にこれからの時期に、どのような学習方法を勧めたら良いのかについてご覧ください。
学習方法には「INPUT:テキストを読み込む」と「OUTPUT:問題演習」があります。
もちろん、公務員試験合格のためにも、両者とも必要であることは間違いあません。
今回テーマとしてご案内したい事項は、公務員試験を目指すにあたり、どちらを先にすべきか?というところにあります。
世間の一般常識として当然「INPUTが先」と認識されているかと思います。
今回のタイトルである、「INPUT」は「先にする」「後からする」についてのアドバイスですが、公務員受験に限れば、東京アカデミーのオススメは、「後からする」です。
現役高校生の方々は、公務員試験だけではなく、部活動や、定期試験も同時に並行していかなければならない環境かと思います。出題傾向も分からぬまま、闇雲にただひたすら詰め込む学習方法は、時間の無駄といえます。先に出題傾向を見抜いた上で、後から覚える学習をお勧めいたします。
高校生は学校の定期試験や大学受験(例えば、センター試験)のような勉強のイメージを持っています。これらは、各単元から重要事項や公式、定理が満遍なく出題される試験形態です。これと同じように考えて、勉強してしまうと、公務員受験では、「がんばったのに点数が伸びない=出ないところに時間を取られ、出るところが疎かになった結果」となります。
そういった状況に陥らないような「理想の勉強の流れ」をご提供いたします。
+ one point
手順①で過去問題に取り組ませるのには理由があります。公務員試験は、毎年同じ団体(日本人事試験研究センター)が問題をつくる試験もあるため、4~5年に1回程度(弊社調べ)過去に出題された同じ問題が出題されることがあります。そのため過去問題の取り組みは大切になります。
以上が、これからの時期に取り組ませていただきたい攻略学習方法です。スケジュール管理と効率的な学習が合格の可能性を飛躍的に高めますので、ぜひお役立てください。
東京アカデミーでは、2020年度受験に向けた「夏期講習」を各校舎で実施しておりします。新型コロナウイルスの影響で、遅れがちな学習を補えるよう、基本確認や実践問題演習など、バリエーションも豊富に揃えています。通学が困難な方のための、オンライン講義も実施予定校舎もございます(実施の有無は事前にご確認ください)ので、公務員が第一志望の生徒様に、ご紹介下さいますと幸いです。
今回は『教養試験の形式』と、『あと3か月間で合格する“攻略学習方法”』をテーマに、この時期の高校生が不安に感じる試験対策の流れや細かい勉強方法についてお伝えしました。高等学校の先生方におかれましても、オリエンテーリングや相談対応の際のご参考として、初めて公務員のご指導に当たられる場合にも活用できる内容に編集しておりますので、是非ともご活用いただければ幸いです。
次回は『面接や集団討論などの面接試験対策に必ず役立つ対策法』をテーマに公務員試験直前期に準備すべきことや知って得する情報をお伝えいたします。生徒様へのご指導にお役立て下さい。