高校進路ご担当先生・保護者様向け情報
以前、同HPでご紹介しました 、【失敗しない問題の解き方・順番について】(2019年度Part8)では、教養試験には、情報(問題の順番・配列等)と事前の準備(シミュレーション)が不可欠であることについて、説明させて頂きました。今回は、上記の内容を深化させ、教養試験の本質と試験出題者の意図を考察し、合格者の実践例(問題の解き方)をご紹介することで1点でも多く取るための情報提供をさせて頂きます。
教養試験は、
一般知識分野(高校までに履修してきた社会や国語、理科などの教科知識)と
一般知能分野(長文読解力、公務員試験独特の判断推理(課題処理)や数的推理(数的処理)などを含む処理問題)に
大別されます。
教養試験の合格ラインは6~7割程度の試験が多く、試験時間内にこのラインを越えられる「速さと正確さ」を身につける学習が、最大のポイントと言えます。
問題番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
科目 | 現代文 | 現代文 | 現代文 | 現代文 | 古文 | 英文 | 英文 | 判断推理 | 判断推理 | 判断推理 |
正答率 | 77.0% | 88.0% | 53.9% | 56.8% | 29.3% | 45.0% | 50.8% | 87.6% | 71.0% | 78.0% |
問題番号 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
科目 | 判断推理 | 判断推理 | 空間把握 | 空間把握 | 数的推理 | 数的推理 | 数的推理 | 数的推理 | 資料解釈 | 資料解釈 |
正答率 | 66.8% | 63.1% | 26.1% | 52.1% | 73.0% | 38.2% | 37.1% | 27.6% | 54.4% | 42.1% |
問題番号 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
科目 | 数学 | 物理 | 化学 | 生物 | 地学 | 世界史 | 世界史 | 日本史 | 地理 | 地理 |
正答率 | 73.9% | 60.0% | 30.3% | 56.6% | 19.3% | 69.7% | 25.3% | 67.0% | 41.7% | 52.7% |
問題番号 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 |
科目 | 国語 | 国語 | 英語 | 英語 | 政治 | 政治 | 経済 | 経済 | 社会 | 思想倫理 |
正答率 | 56.4% | 40.0% | 50.4% | 11.8% | 59.1% | 63.5% | 44.8% | 25.9% | 79.3% | 50.0% |
それでは、正答率50%以上の問題をいくつかご紹介します。(下記は2021年度国家一般職・税務職員の試験問題より出典)
空間把握では、色々な条件から立方体の数を数える問題は頻出です。では、どのように考えていきましょうか?原始的な方法ではありますが、1つ1つ自分の分かりやすい方法で青と白の印をつけていっても答えは出せます。しかし、この方法では確実に時間もかかりますし(前述の1問2分15秒という時間を確実に超えてしまいそうです)、下段の見えない部分については間違ってしまう可能性もあります。空間把握では、それぞれの問題でこのように解けば時間短縮になりますよ、という解き方のコツがあります。上記のような立方体の問題では、問題を「平面化」するとかなりミスも少なく時間短縮になります。まずは、下段から1段ずつスライスしていきましょう
白16-青14=2ということで、正答は3となります。この問題の正答率は52.1%、落ち着いて解くことができれば必ず得点できる問題です。限られた時間で効率よく解くことが公務員試験では求められます。一見難しいように見える問題でも、解き方さえ覚えておけば大抵の問題は難なく正解できるでしょう。
教養試験の出題者は、「社会人としての処理能力(速さ、正確さ)を見極める」と上述しましたが、資料解釈では、
このように、教養試験の中でも一般知能は、「社会人としての処理能力(早く、正確に)」が問われますので、どうすれば早く処理できるかを考えながら対策することが最大のカギとなります。受験生間で大きく差がつくのが一般知能ですので、弊社の講座や講習会をうまくご活用いただけると幸いです。
【失敗しない問題の解き方・順番について】(2019年度Part8)のとおり、教養試験は職種によって試験問題の順番・配列が異なります。タイプ別を整理しますと、
①文章理解から始まる「文章理解先行型」
②一般知識から始まる「一般知識先行型」に分けられます。
「文章理解先行型」は国家公務員系の試験に多く、「一般知識先行型」は地方公務員系の試験に多いです。
今回は、2021年度国家公務員一般職最終合格者(東京アカデミー受講生)がどのように考え、問題を解いていったか実践例をご紹介します。
文章理解から解いた Aさん
(1)事前戦略
ただし、過去の模試で(自信のある問題だけを先に解答したところ)解答のマークがズレた失敗経験があり。
(2)試験を振り返って(反省点・成功点)
(3)後輩へのアドバイス
一般知識から解いた Bさん
(1)事前戦略
(2)試験を振り返って(反省点・成功点)
(3)後輩へのアドバイス
総括
Aさんも、Bさんも事前に準備をし、戦略を立てて試験に臨んだことが結果に結びついたと考えます。模試受験後の学習相談を通じて、「時間内に上手く解けないので、どうしたらよいですか?」という相談を受け、両名とも学力(得意・苦手科目)、志望先、性格も異なることから、個々にあったアドバイスをさせて頂きました(※主なアドバイス内容は、事前戦略のとおりです)。
Bさんも述べていましたが、本来なら時間をかけて、一般知能の解法等を全てマスターし、速く解答する力をつけたかったとのことですが、「試験までの残された期間、諦めずに今の自分と向き合い、完璧ではなく最善を尽くしたこと」。その考え方は、他の受験生も参考にして頂きたいと思います。
一般知能分野では、判断推理と数的推理を比較すると数的推理を苦手としている方が多いですが、判断推理は難易度と所要時間にギャップがあり、予想以上に時間をとられてしまう傾向にあるので、本番は要注意です。判断推理で手間を取ると焦りが生じ、後の問題を解くのに支障をきたすので時間を意識しましょう。
時間配分を誤らないためにするためには、マイルールを設定することもお勧めです。
例えば、
「一般知能は●分越えた時、次の問題に行く」
「問題をみても何の分野か分からないものは、とりあえず選択肢▲のマークをし、時間が余れば、じっくり時間をかける」
「選択肢2つで絞り切れない場合は、悩む時間は短くし、とりあえずいずれの選択肢■をマーク、最後に時間をかけて解く」
等です。
あとで、時間が余った場合に解いてみようという問題があれば、問題ではなく、解答用紙(マークシート)の問題番号に薄く印をつけることをお勧めします。【NO.12】であれば、数字のところを△で囲むと一目でわかり、見直す問題を探す時間が減りますので、ご参考ください(ただし、解答用紙は回収されますので、最後に囲んだ印を消しゴムで綺麗に消すことは忘れないでください)。
今回は、「問題全面解剖!問題の解き方」について、国家一般職・税務職員の試験を用いて、様々なデータや体験談を通してご紹介をさせて頂きました。
教養試験は、単に学習を積み重ねるだけではなく、試験前にシミュレーションをし、個々にあった戦略を立てることで数秒でも速く解き、1点でも多く点を取ることが重要です。模擬試験の活用はとてもおススメです。
東京アカデミーでは、通学講座生等を中心に学習相談を行っております。模擬試験成績などをもとに勉強の仕方や受験先についてアドバイスを行っておりますが、上述のとおり、本試験での戦略についても、一人ひとりにあったアドバイスをさせて頂いております。本人の意向を聞き取った上で、受験先の選定から最終合格まで講師と一丸となってサポートしております。
また、試験前にシミュレーションを行うことができる有効な方法としては「模擬試験」がございます。東京アカデミーでも毎年本試験で出題された問題を基に模擬試験を作成しております。本試験に出題される可能性の高い問題を解くことで模擬試験受験=予想問題に挑戦していることと同じ成果を得られます。学校団体申込も承っておりますので、最寄りの東京アカデミーまでお問い合わせください。