高校進路ご担当先生・保護者様向け情報
高卒・短大卒程度公務員試験がいよいよ迫ってきています。
近年、自治体の募集要項に掲載されている配点比率を見ると、面接(人物)試験に重点を置いている自治体が増加しています。
最終合格するためには、1次試験の合否が分かった後からではなく、早め早めの行動を心掛け、面接試験対策を開始することをお薦めいたします。
ぜひ生徒様のご指導の際にご活用ください。
今回は、誰もが想定できる質問「志望動機」「自己PR」「趣味や特技」「打ち込んだ経験」などではなく、予測が難しいレアな質問例をご紹介いたします。受験者ごとに質問内容を変える「その職種ならではの質問」「もし〇〇だったら~のような想定質問」「特定の時事に関するもの」「自治体の知識を問うもの」などです。
<特定の時事に関する質問>
職種 | 質問内容 |
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国家一般職 | IoTや5Gをどのように活用するか |
鹿児島県庁 | AIやドローンを利用するためにはどのようにしたらよいか。また、県として何ができるか。 |
<自治体の知識を問うような質問>
職種 | 質問内容 |
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石川県警 | 石川県の市町村数はいくつか。 |
岡山県警 | 岡山県民は車で曲がる際、ウインカーを出さないことが多いが、どうしたら改善できるか。 |
<職務上起こりうることへの対応に関する質問>
職種 | 質問内容 |
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刑務官 | 受刑者からわからないことを質問され、その場で解答を求められたらどうするか。 |
愛媛県庁 | 誰もトイレ掃除をやりたがらなかったらあなたならどうするか。 |
習志野市消防 | 災害時について。自分と市民と家族で助ける順番を述べよ。 |
<予期せぬ対応に関する質問>
職種 | 質問内容 |
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税務職員 | 自分を弁当のおかずに例え、その理由を述べよ。 |
宮城県庁 | あなたを漢字1文字で表すとなにか。 |
神奈川県庁 | テーマは設けないのでなにか話してください。 |
札幌市消防 | バスの車内で隣の席の人がマスクを着けずに咳をしていたらどう思うか。 |
横浜市消防 | これからの日本が良くなるためにはどうすればよいか。 |
北九州市消防 | この部屋(面接室)を飾り付ける時、どのようにするか。 |
表から読み取れることとして、「不意をつく質問」、「(時事など)知識が必要な質問」という印象を受けるかと思います。こういった質問にも動じず答えられる準備が必要です。
メラビアンの法則をご存じでしょうか。人の印象は視覚や聴覚からの情報が大半を占めるといったものです。
「声の大きさ」「トーン」「話すスピード」「笑顔」「目線」「姿勢」を意識して、練習を行ってください。
面接官は、予期せぬ質問に対しどう対処するか(柔軟性、対応力)という受験生の姿勢を評価しますので、対処法はまず第一に、「焦らず、にこやかにハキハキと回答をする」ことです。これは笑ってごまかすということではありません。高校生の面接のアピールで大切なことは「早く働きたくてワクワクしている」という点です。そのためにはにこやかな表情、そしてハキハキとした話し方が必要という意味です。
予想外の質問も当然あります。なぜなら、志望動機や自己PRなどの当たり前の質問に対しては多くの受験生がすらすらと答えることが多いです。そのような受験生に対して面接官は準備していないだろうという質問をしたくなります。仕事においても予期せぬことや突発的な事象も発生しますが、こういった突発的な事案に慌てない人は優秀です。それは万が一を考えて準備しているからです。つまり、上記に加えて可能な限り、「予期しない質問」への準備も必要となります。
例えば、「自分を(色・動物・家電製品・おでんの具など)に例えると何か」「無人島に何を持っていくか」「宝くじが100万円当たったらどうするか」など面接官は受験生がどれだけ準備をしているか、その準備の確かさや深さを「努力」「やる気」「本気」などと高く評価します。
弊社ではこのような考え方を受講生に身に付けて頂けるように、面接指導時にお伝えし、さらに少し考えても回答できないものであれば、黙り込むことなく、素直に回答が難しい旨を話すだけで印象が変わりますよ、と気持ちを楽にして挑めるよう指導しております。
面接試験では、「○○を知っているか」「○○県の課題点は何か」だけを問うのではなく、受験者の意見、見解を合わせて質問されることが大半です。そこで、下記手順で考えてみましょう。
※④「時事的な課題や問題点」への意見、ビジョンでのポイント
→公務員は中立公正な立場で課題解決を図っていくことを忘れないようにご指導ください。例えば、「SNSで個人の意見を無責任に発信することには反対です。厳しい基準や法規制が不可欠だと考えます」。逆に「SNSでの発信は憲法で保障されている表現の自由であり、法律での締め付けには反対です」など、これしかダメだといった偏った意見では採用をためらいます。多様な意見があること、メリット・デメリットのバランスを考えて意見をまとめるようにしましょう。
今の高校生はコロナ禍で学校生活を送ってきた経験があります。
新型コロナウイルス関連と学校生活を紐づけたような質問、最新の取り組みなどに関しての質問は、引き続き問われることが予想されます。
ここ1~2年でよく話題に上るトピックの中でも、特に高校生自身に関連のある質問やその自治体に関連づけた内容が予想されます。
冒頭でもお伝えした通り、2次試験対策は早めに始めるに越したことはありません。
面接試験では、準備の確かさが第一です。想定される質問への回答の準備はすればするほど合格が近づきます。日々のニュースのチェック、自治体の抱える問題などの情報収集が重要です。
こちらが完璧にできれば先程挙げたメラビアンの法則の中での「視覚・聴覚」情報を意識して話し方や表情の練習を行いましょう。
これまで最終合格した弊社受講生の多くは、自分が採用後に活躍している姿のイメージを持って面接試験に臨んでいました。働くことへの自覚ややる気が表情に出ていたと言えます。これから試験までの期間、「受験先の情報収集」と「自分の経験の洗い出し」を通して、想定される質問への確かな準備を進めてください。予期せぬ質問への準備も抜かりなく。これらの「しっかりと準備した」という自信が、採用後の活躍している自分の姿に結びつきます。