公務員試験対策講座(大卒程度)
公務員試験情報(日程・試験科目・受験資格)
国家公務員試験では、総合職・一般職・専門職や、経験者採用、特定官職など、幅広い採用が行われています。試験体系としては、総合職が政策の企画立案に係る能力を重視しているのに対し、一般職は的確な事務処理に係る能力を重視して行われる採用試験です。さらに、特定の行政分野に関する専門知識を重視するのが専門職試験、民間企業における勤務経験を重視し、係長以上の職に採用するのが経験者採用試験となっています。
それでは、主な国家公務員試験についてみていきましょう。
国家一般職(大卒程度)試験の合格者は本省庁に勤務する人がいるものの、その大部分は各省庁の地方出先機関に幹部候補として採用されます。採用後の異動・昇進等も各省庁によって全く異なっており、仕事の中身も異なっています。また省庁によっては、同じ省庁内でも採用先が多岐にわたっています。
行政区分は、全国を9つに分けた地域ブロック(北海道・東北・関東甲信越・東海北陸・近畿・中国・四国・九州・沖縄)ごとに採用され、勤務地はその地域内になります。また、本省庁採用もあります。なお、行政区分以外の区分に関しては、全国地域での採用となります。
技術区分では地方出先機関に勤務し、各省庁の研究所で技術開発や調整業務にあたったり、各地方機関での政策執行を行います。自身の知識・経験を生かして働くことが求められます。
行政、物理、デジタル・電気・電子、機械、土木、建築、化学、農学、林学、農業農村工学
技術系区分の専門試験では各分野の専門科目について択一式、記述式の試験が課されます。これらの区分では物理・化学・農学・農業農村工学・林学を除き「工学に関する基礎(数学・物理)」が解答数の約5割を占め重要な科目となっています。また記述式ではそれぞれに関連する領域における一般的な課題について論述するものになっています。
【行政区分・その他(技術系)】
【行政区分・その他(技術系)】
人物試験(個別面接、参考として性格検査を実施)
国家一般職試験は最終合格=採用ではありません。そのため、受験者は官庁訪問開始前に採用機関が行う業務説明会※にも参加し、志望官庁にアプローチすることが望ましいといえます。目的意識の高さや熱意を伝え、自分を印象づけることができるよう、志望官庁に関する情報収集はもちろん、志望動機もしっかりと準備しておかねばなりません。また、例年1次試験合格者発表の数日後には、各省庁の担当者が業務内容や採用状況について説明する「官庁業務合同説明会」が全国主要都市で実施されます。志望官庁の選択に必要な基本情報を手に入れることができるほか、出席の有無を重視する官庁、ここでしか訪問予約を受け付けない官庁もあり、積極的な参加が望まれます。
2次試験の際には志望官庁を届け出ることになりますが、希望の官庁や勤務先に固執するあまり、採用先を確保できないといったことにならないよう、志望官庁以外からの電話照会等も柔軟な姿勢で受け止めましょう。
各裁判所の事務局や裁判部に配属されます。事務局では、総務課・人事課・会計課等の司法行政部門全般を担当し、裁判部では裁判所書記官の補助者として各種裁判事務を担当し、事務局と裁判部とは、互いに連携をとりながら活動します。社会環境の変化、経済事情の変動、及び価値観の多様化により、司法需要が高まり、「法曹養成制度」「裁判員制度」などの司法制度改革の定着を図っていく中で、裁判所本来の機能である「裁判」が適正、迅速に行われるよう様々な部署で活躍します。また、裁判所職員一般職(大卒程度)として通算10年以上勤務すると、口述および必要に応じ筆記試験を経て司法書士の資格が取得できます。
(2024年度情報)
国税局や税務署において、適正な課税を維持し、また租税収入を確保するため、税務のスペシャリストとして法律、経済、会計等の専門的知識を駆使し、次の業務を行います。
国税調査官…納税申告における調査・検査・指導などを行います。
国税徴収官…滞納税金の督促・滞納処分、納税指導などを行います。
国税査察官…脱税容疑者への強制調査や告発などの職務に従事します。
また、国税専門官として一定の条件で23年以上勤務すると、税理士の資格が取得できます。
(2024年度情報)
財務専門官は、財務局において、財政・金融等のプロフェッショナルとして、国有財産の有効活用、財政投融資資金の供給などの財政に関する業務や、地域金融機関の検査・監督、証券取引等の監視などの金融に関する業務を行います。このほか、地域経済情勢の調査・分析、財務省・金融庁の施策の広報の業務にも従事します。
(2024年度情報)
厚生労働省本省または全国各地の労働局、労働基準監督署に勤務します。労働基準法・労働安全衛生法などに基づいて、工場、事業場などに立ち入り、帳簿・書類の点検、関係者の尋問、機械・器具の構造規格、性能及び安全装置の検査、作業環境の測定などを行い、これらについて違反があった場合には、機械・器具の使用停止などの緊急措置を命じたり、刑事訴訟法に規定する特別司法警察職員としての職務を行います。
(2024年度情報)
(2024年度情報)
皇宮警察学校卒業後、皇居、御所の護衛署に配備され警備に従事します。
(2024年度情報)
飛行場に離着陸する航空機や、航空路を飛行する航空機に対し、航行の安全と秩序ある流れを確保する仕事を行います。
(2024年度情報)
海上保安庁の「幹部」となる職員を養成するため、令和2年度から大学卒業者を対象とした「海上保安官採用試験」を新設する予定です。採用された方は、2年間の研修(於海上保安大学校)を経て、現場に赴任することになります。
(2024年度情報)
全国の主要な海・空港の検疫所において、輸入食品の安全監視及び指導(輸入食品監視業務)、輸入食品等に係る微生物検査と理化学検査(検査業務)、検疫感染症の国内への侵入防止(検疫衛生業務)の業務に従事します。
(2024年度情報)
法人職員※として、事務区分採用者は大学等の事務局又は学部等の事務部での総務・人事・財務・学生支援・国際交流・研究支援等の業務を行い、図書業務区分採用者は、図書館・図書室での図書業務を行います。また、技術系採用者は施設管理、教育研究の技術的サポート業務等に従事します。
※国家公務員・地方公務員と異なるため、「みなし公務員」と呼ばれることもあります。
北海道 | 東北 | 関東甲信越 | 東海・北陸 | 近畿 | 中国・四国 | 九州 |
(2024年度情報)
国立大学法人のほか、国立高等専門学校機構、人間文化研究機構、国立青少年教育振興機構、国立文化財機構、国立美術館、国立博物館など
国立大学法人等職員統一採用試験は、全国統一で1次試験が実施され、地区ごとに「1次試験合格者名簿」が作成されます(名簿は1年間有効。欠員に応じて、その都度2次試験を実施)。各機関はこの名簿に基づき、面接考査等を行った上で採用内定者が決定されます。一部の機関では、説明会や機関訪問への参加が2次試験の絶対条件となっているので注意しましょう。また、一部機関においては独自の採用試験を実施している場合もあります。
法人職員※として事務職員採用者は、病院運営・経営分析、物品の管理等に関する業務や患者の受付、診療費の算定等医療に関する業務、また、職員の人事・給与・福利厚生、施設の維持管理等に関する業務などに従事します。
※国家公務員・地方公務員と異なるため、「みなし公務員」と呼ばれることもあります。
※全国下記の6グループごとに採用試験が実施され、グループ内の病院等への採用となります。
北海道・東北 | 関東信越 | 東海・北陸 | 近畿 | 中国・四国 | 九州 |
(2024年度情報)
国立病院機構事務職(総合職)試験は、全国6グループごとに実施され、最終合格者は各グループの合格者名簿に登載されます。その後、該当名簿登載者の中から、各グループ管内の施設への配属者が決定し、内定されます。なお、以下のような流れで採用されますが、一般的な公務員試験と異なり、Webテスト(総合適性テスト)が課されるのが特徴的です。